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スキャモンの発達曲線のを利用した塾業界の嘘

新生児,赤ちゃん

スキャモンの発達曲線の真実

実は教科書にも載っている!?

先日は子どもから免疫系の質問が出たため、免疫について話していたのですが、その時にスキャモンの発達曲線についても出てきました。

お母さん

「そんなの入試に出るんですか?」

いいえ、まず出ることはありません。

しかし塾や体操教室のチラシにはもっともらしく載っていることが多いのです。

しかも結構な割合で間違った解釈で言いくるめるために使われています

この曲線自体は学校の保健の教科書にも載っている曲線なので、珍しいものではありません。

にもかかわらず、大きな誤解をしている方が多いので、授業で説明した内容を踏まえて真実をお話しましょう。

スキャモンの発達曲線って何?

発達曲線とか成長曲線とか、統一された呼び名がないのですが、スキャモン(scammon)という人類学者が1930年に出した”The Measurement of Men“という論文の中で出した、”The Measurement of the Body in Childhood“という部分で示された曲線のことを指します。

以下のグラフですね。

スキャモン曲線

このグラフは20歳時点での発育度を100%とした場合の発育状況を表しています。

リンパ系というものが免疫に関わるもので、12~14歳くらいでピークに達し、神経系は6~10歳くらいまでにほとんど完成してしまいます。

一般型というのは心臓や肺、筋肉、骨といった器官で、成長期辺りから急速に成長し、完成していきます。

生殖器は12歳、つまり思春期頃までは発達がほとんど見られず、身体が子どもから大人へと成長し始める段階で急速に成長しています。

チラシに使われているもっともらしい理論

よく注目されるのは神経系です。

神経系というのは脳や運動神経の発達に関わるもので、この部分の発達に着目すると、6~8歳時点でほとんど完成してしまっているということが言えます。

だから、頭を鍛えるにしても、運動神経を鍛えるにしても、6~8歳ぐらいまでにどれだけ鍛えられるかが鍵ですよ、と言われます

この6~8歳までをターゲットにした英才教育や体操教室、英会話教室といった教育ビジネスにはよく表れる言葉で、決まって

一般的な先生

「飛躍的な伸びが出るのはこの時期!」
「この時期にやらないと後悔するよ!」

といった感じであおってきます。

スキャモンの成長曲線を用いた嘘

一見するとチラシに書かれていることが正しそうに思えますが、論文のタイトルに着目してみましょう。

この論文、タイトルからもわかる通り、”The Measurement of the Body in Childhood”。

つまり、「身体の測定」なんですね。

能力の測定なんてどこにも書いていないのです。

実際スキャモン自身も論文の中で、「年齢ごとの大きさや重さの測定である」と書いています。

もうおわかりですね。

能力を鍛える適切な時期なんて言っていないのです。

正しい解釈

スキャモンが調べたのはあくまで器官としての成長です。

例えば、脳で言えば、

脳は生まれた時は小さい。その大きさは子どもの体が大きくなる6~8歳頃までに急速に発達する。子どもの頭が体に対して大きくなるが、それ以上は身体が大きくなってもあまり変わらない。

わかりますか?

手や足は成長期の大きくなりますが、頭の大きさはあまり変わらないと言っているだけなのです。

これを業界は都合よく解釈して、「この時期に詰め込まないと効果がなくなりますよ!」と言っているのです。

頭の大きさと能力の成長は別物

先ほども話した通り、スキャモンはあくまで脳の大きさについて述べたに過ぎません。

能力とは別問題なのです。

例えるならこんな感じです。

携帯の容量を増やせばアプリや写真といった入るデータが多くなります。

この保存容量が急速に大きくなる時期が6~8歳くらいまで。

そこにいつ何を入れるかは本人次第であり、容量が大きくなった時期じゃなければ入らないわけではありません

スマホを買い替えて、容量が64GBから128GBになって、「よっしゃ!早速全部使い切るぜ!」という人はいないはずです。

スキャモンの成長曲線が表しているのも同じなのです。

容量が大きくなるから、これ以降沢山入れられるようになる、沢山情報を処理できるようになる、ということなのです。

早期教育は無意味?

早期教育をあながち否定するものではありません。

「知っている」ということは、選択肢の幅が広がることにもなります。

例えば、折り紙の使い方を「折る」ことしか知らない子と「切る」ことも知っている子。

この2人の折り紙の使い方には大きな差ができます。

早期に選択肢の幅が広がっていることは、可能性を生み出すと言う意味ではあながち嘘でもありません

ただし…

ただし、あくまで使う機会があれば、の話です。

その時期だけしか折り紙をしなかった子にとっては使う機会がありません。

容量が増えたから早速データとして使い方を保存したにすぎず、だから頭が良くなった、とはならないのです。

どちらかというと、いわゆる頭がいい子にするという意味では、どれだけストックしているかよりも、どれだけ有効に活用できているか、の方が大切ですね。

よって、6~8歳までの時期を逃したからといって、もう手遅れだと思う必要もない、ということです。

むしろ下手に詰め込むことだけを教えられた子よりも、何もないスッカラカンの子の方が伸びしろはありますね。

早期から詰め込み教育をやると、詰め込む能力に長けてしまい、思考力を失うことにもなりかねません

ドラゴンボールの「頭空っぽなら夢詰め込める」というのもあながち嘘ではないのです。

慌てて余計なことを沢山覚える前に、頭の正しい使い方を覚える方が有効活用できますからね。

なお、以前エビングハウスの忘却曲線についてもお話しています。

これも塾がよくもっともらしい洗脳に利用する理論の一つです。

販売戦略上の都合のいい解釈を鵜呑みにして、踊らされないようにしましょう。

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1981年生、千葉県出身の学習法診断士。独自の教育論、常識外れの教育手法を用いて、大手進学塾で実績、成績上昇率共にトップを取り続け、個別指導塾、家庭教師でもミラクルと言われる多数の逆転合格を打ち出す。2013年に進学塾PHIを作り、2015年に株式会社学習法指導塾PHIを設立。子供たちを対象とした勉強のやり方の指導を初め、親へも教育に関する子育て指導を実施。教育活動の一環として、高校や大学での指導、セミナー活動、塾や学校の先生など教育者に対するコンサルティング、動物介在教育など、多岐にわたって教育業に携わる。

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