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プロが子どもの興味を引き付ける会話術

プロの興味の引き出し方

算数のカッコの話題で引き付ける方法

お母さん

「家でどんな方向に会話を持っていくと、子どもの興味を引き出せるのでしょうか。何かコツはありますか?」

サピックス 小3 中学受験 母

実際に私がよく使う方法で、比較的誰でもすぐに真似できる例を出してお話しましょう。

これは小学生に算数を教えているとき、特に中学受験ならば1度は出てくるネタです。

カッコの種類

小カッコが()
中カッコが{}
大カッコが[]

ほとんどの先生や親はこのように教えてしまいます。

しかし私は中カッコまでしか教えません

そこで話を打ち切ってしまいます。

すると子どもの方から、

塾生

「ちょっと待って先生。大カッコは?」

と聞いてきます。

小→中→…と来たら「大」があると考えるため、打ち切られると気になってしまうのです。

これは心理学ではザイガルニック効果と呼ばれるもので、途中で打ち切られたものは記憶や印象に残りやすいという原理を応用したものです。

だから全部を教える必要なんてないのです。

ここまで言っておいて、その先言わないのかよ、というところで戦略的にやめてしまいます

こうすることで、子どもの思考が動くのです。

だから「大は?」と聞いてくるのです。

そしてこの時、「大」だとわかっていて、わざとこんなことを言う子もいます。

塾生

「小→中だから、高カッコもあるんじゃない?(笑)」

このように戦略的にミスリードを起こさせます。

実はあるんですね。

正確には「甲カッコ」ですが、〔〕このように大カッコを斜めにしたようなカッコのことをいいます。

子どもはふざけて言ったつもりなので、

塾生

「え!?あるの!!?」Σ(゚Д゚)」

と、本当に存在することにビックリします。

こういうインパクトを与えられると大抵忘れなくなるんですね。

何に関してもそうですが、子どもと接するときに、何でもかんでも教えてしまうのは子どもの思考力を奪うことになってしまいます

本来子どもは大人以上に色々な事を考えるものです。

興味があればちょっと小出しにするだけで簡単に食いついてきます。

この「思考の余地を残した会話」が興味を引き出すコツです。

もう少し実例も交えてお話しましょう。

ここ最近異常気象が話題となっていますが、中学受験の子に指導した時のお話をしましょう。

リアルな気象に合わせて授業

塾生

「先生、何でゲリラ豪雨って降るの?」

一般的な塾のカリキュラムに組まれている天気、気象の授業をただやるだけなら、あまり興味を持たない授業だと思います。

授業で習う気象現象が、実際に出ている時期でもないことが多いですからね。

しかしこの子は今、自ら気象に興味を持ったのです。

この機会を逃す手はありません!

早速カリキュラム無視で気象の話に入りました。

この子が気象に興味を持ったのは、身近で異常気象が起きていることを実感しているから。

つまり、今このタイミングで気象の授業をやることは、自分の経験に基づくことだから、カリキュラム通り進めるよりも圧倒的に頭に入りやすいのです。

とはいえ、実はこのとき、私は雨が降る理由しか教えていません

一般的な塾のカリキュラム通りなら、前線や台風の話に持っていくところですが、そろそろ台風のシーズンだったため、あえて台風に関する部分ではつじつまが合わないように教えておきました

すると思った通り、台風のときに早速聞いてきました。

塾生

「先生、何で台風って来るの?」

この子なら、ここまで教えておけば台風が来た時に興味を持つ、と確信していたので、想定通りの展開です。

狙った通り、前回の説明だけではつじつまが合わないので疑問に思ったのです。

これにより台風はもちろん、前線や気団、偏西風にまで話が広がっていき、気象の単元のベースは大体網羅できました。

そのため、梅雨の時期にはこんな話をしてきました。

塾生

「先生,梅雨ってシベリア気団と小笠原気団がぶつかって雨が降るんだよね!天気図のこんな記号って梅雨前線だよね!」

教えたばかりの知識を使えるタイミングがちょうど来たので子どもも喜びますし、何度も教えなくてもあっという間に記憶に結び付いていくのです。

なお、この子に海風陸風の説明はしていませんでしたが、初見で海風、陸風の原理を説明できていました。

また、エルニーニョ現象、ラニーニャ現象も、説明できました。

これは大人でも説明できない人が多いのではないでしょうか。

やはりリアルな生活と結びつく知識は強いですね。

受験から逆算されたカリキュラムとは雲泥の差です。

所詮子供のためではなく、受験のために作られたカリキュラムですからね。

あなたの子供にそのカリキュラムが合うかどうかは別問題なのです。

このように、子どもが興味を持つと思われるものに沿って布石を打った授業をすると、思考で網羅できる範囲が一気に広がるのです。

これは私がよく用いる方法ではありますが、保護者の方なら誰でもできる方法です。

自分の子どもが何に興味を持つかなんて、親が一番わかっていますからね。

つまり、本来塾の先生よりも、親の方がうまくいく指導なのです。

カリキュラムに振り回されて、この部分をおろそかにするのは勿体ないですね。

明日の地理が待ち遠しくて眠れない!

整った計画的な授業と、子どもの興味に左右される授業

よく網羅的に授業を構成して一見わかりやすい授業を展開する先生は多いのですが、綺麗にまとめられた授業が必ずしも子どもの思考力を育てられるわけではないのです。

子どもの疑問に答えるときも、あえて子どもが首を突っ込みたくなるような「穴」をあえて作ってあげることで、子どもは考えるようになるのです。

ということは、親が答えを知っている必要はないということです。

極端な話、興味さえ持たせてあげられれば何でもいい。

「私には教えられない!」というお母様方がよくいらっしゃいますが、この点においては知りすぎている親よりも、知らずに疑問に付き合ってあげられる親の方が有利なのです。

知っている親が必ずしも教育のプロとは限りませんからね。

自信を持って、子どもと一緒に疑問に向き合ってみて下さい。

それでもうまくいかない場合には、ファイへご連絡下さい。

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アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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