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太平洋戦争は暗記じゃない!
太平洋戦争の単元は第二次世界大戦の単元からつながっているため、テキストでは第二次世界大戦の中の太平洋戦争として分類されることが多いこの単元。
用語がバンバン出てきてテンポよく並べられているため、とにかく大変!
興味がない子にとっては暗記地獄!
そんな単元をファイの子ども達は毎年楽しみにしてくれていて、早くやりたいとずっと言っています。
なぜこんな単元に興味を持つのでしょうか。
ファイの塾生が興味を持つ場所を紹介致します。
保護者の方が教える必要はありませんが、子どもがどういうところに興味を持っているのかが分かれば、戦争の話題に触れる機会があったときに、話しを振りやすくなるでしょう。
テキストに書いてあることなんて興味ない!
一生懸命工夫を凝らして作られているテキストですが、子ども達の興味を満たしてくれるものはほとんどありません。
例えば太平洋戦争の単元では、テキストにこのような内容が並んでいます。
- 1941年 真珠湾攻撃(太平洋戦争開戦)
- 1942年 ミッドウェー海戦、ソロモン海戦
- 1943年 ガダルカナル島撤退
- 1944年 マリアナ沖海戦、アメリカ軍がグアム島占領、レイテ沖海戦、神風特攻隊
- 1945年 東京大空襲、沖縄戦、広島に原爆、長崎に原爆、ポツダム宣言
こんな感じで書かれています。
多少説明が入っているものの、流れがつかめる程は入っていません。
そしてここにはドラマがないからつまらない。
あなたは、
- 〇〇年 亜希子と良一が出会う。
- 〇〇年 良一が偽装結婚を提案し亜希子受諾。
- 〇〇年 良一死亡。
- 〇〇年 亜希子転職。
- 〇〇年 亜希子再転職。娘と別居。
こんな内容がテキストに書かれていたとしたら喜んで覚えますか?
これを見てこのドラマが見て見たい!なんて方はいないはずです。
このドラマを知っていれば、「あーこれはあのドラマだ!」と興味を示すかも知れませんが、予備知識がなければ面白くないのです。
しかし、最初が楽しければ見てしまう。
太平洋戦争も同じです。
最初とはすなわち、真珠湾攻撃とミッドウェー海戦。
ここさえ楽しくなれば第二次世界大戦はもらったも同然なのです。
子どもが興味を持つのは、なんでそうなったのか?
ファイの授業で子ども達が聞いて来るのはこんなところです。
- なんで真珠湾を攻撃したの?
- どうやって攻撃したの?
- ミッドウェー海戦でなぜ負けたの?
- 空母を失うってそんなに大変なの?
- 戦艦ってどんなの?
- ゼロ戦って何がすごいの?
- グアムってなんで重要なの?
- 原爆はどうして広島と長崎に落とされたの?
毎年違う質問が飛んできますが、この質問は毎年受けます。
テキストによっては若干説明があるものもありますが、教科書やテキストはかいつまみすぎててストーリー性を感じないんですね。
例えばミッドウェー海戦については教科書でもサラッとしか書かれていないのですが、日本軍が負ける転機となった戦いです。
特に空母の話はかなり重要で、ミッドウェー海戦がわかれば太平洋戦争の全体像が分かるぐらい重要な単元なのです。
ちょっとどんな授業をしているかお話しましょう。
空母は第二次世界大戦の生命線だった
第一次世界大戦のときも飛行機は使われていましたが、主力になる程ではありませんでした。
しかし第二次世界大戦になる頃には主力になるほど重要な兵器となり、その兵器(飛行機)を搭載することができるのが空母でした。
そのため真珠湾攻撃の時にも空母に爆撃機を搭載し、オアフ島北側から飛行機を飛ばして爆撃。
真珠湾に大打撃を与えています。
当時の飛行機の主な装備は爆弾か魚雷。
飛行機の欠点は航続距離の短さ。
遠くへ攻撃しにいくためには、空母がないといけなかったのです。
ミッドウェー海戦では主力空母4隻が沈没
ミッドウェー海戦海戦では日本の主力空母4隻(赤城・加賀・蒼龍・飛龍)が出向いていたのですが、この4隻全て沈められてしまいます。
しかしこれだけでは子どもは事の重大性がわかりません。
「戦艦大和も行ってたんじゃないの?」と聞いてきます。
確かにいましたが、戦艦大和が出る幕ではなかったのです。
さて、アメリカ軍はなぜ空母を狙って沈めたのでしょうか?
空母とは飛行機が飛び立ち、着陸する場所です。
ミッドウェー海戦の様子を話せるならその方がいいのですが、話せなかったとしても、空母を狙う理由ぐらいは考えさせれば答えにたどり着くはずです。
答えは、飛行機が飛び立つ前に攻撃してしまえば一網打尽にできるから、です。
また仮に飛び立ってしまったとしても、空母がなければ着陸する場所がありません。
つまり、飛行機は燃料切れで落ちるしかなくなるのです。
よって空母を全滅させれば、攻撃のかなめである飛行機を全滅させたも同然なのです。
そしてこのミッドウェー海戦で日本の主力空母4隻が失われたことによって,日本は攻撃も防御もどちらも弱くなってしまったのです。
戦艦は無駄だったとは言いませんが、もう時代は飛行機の時代になっていったのです。
そのため、戦艦大和を始め、多くの戦艦があまり戦果を上げていません。
飛行機が分かればその後の流れは自然と理解できる
なぜグアム島の攻略が重要な要だったのでしょうか。
ヒントは飛行距離。
当時アメリカが持っていた爆撃機の飛行距離は、グアムから日本までをギリギリ往復できる距離だったのです。
つまり、グアムから飛び立って日本の本土へ直接爆撃をして戻って来られる場所だったのです。
沖縄戦も同様です。
沖縄を押さえれば、ほぼ日本全体を空母なしで爆撃出来できるというわけです。
子ども達が興味を持った第二次世界大戦がテーマの映画
何の予備知識もなく見せようと思っても面白くなくなりますので、興味があることを前提に見せてあげて下さい。
とはいえ、子どもだけに見せても子どもは勉強だと感じてしまいます。
親も一緒に見て子どもと一緒に共感する。
知識を共有する。
これが重要なのです。
できればビデオを止めながらわからない所を説明したり調べて補足したりしながらの方がいいのですが、雰囲気が壊れるならやめた方がいいでしょう。
ここでは私が見て題材として面白いと思うものを紹介しておきますが、子どもが興味を持っていなければ強制はしないようにして下さい。
戦争を題材にした映画はいくらでもあります。
当たればラッキー程度に考えておきましょう。
永遠の0
ゼロ戦乗りがテーマになっている話です。
ゼロ戦のどこが特別な飛行機なのかが垣間見えます。
また、戦争に対する人々の思いを感じることができます。
風立ちぬ
ジブリが第二次世界大戦を描いた映画です。
ゼロ戦の制作者である堀越二郎が主人公になっています。
過激な描写はカットされており、飛行機づくりという観点から戦争を描いているため、予備知識がないとただの飛行機オタクの話になってしまいますが、ゼロ戦がどういうものかを知った上で見ると楽しめます。
火垂るの墓
毎年8月に放送されるので説明不要でしょう。
空襲で日本がどういう状況に置かれていたのかを垣間見ることができます。
出口のない海
実際に日本軍が用いた人間魚雷「回天」をテーマにした話です。
要するに特攻です。
特攻と言うと飛行機を想像しますが、飛行機以外にも特攻があったのです。
そしてこの映画のストーリー自体はフィクションということになっていますが、この映画のような出来事は実際にあった出来事、つまりほぼノンフィクションです。特攻に行く人がどんな気持ちだったのか、周りの人の気持ち、日本の戦況、それらが生々しく描かれています。
パール・ハーバー
真珠湾攻撃を題材としたアメリカ映画です。
ある程度歴史を知っている方なら違和感を感じる映画でしょう。
しかしその違和感こそ重要なのです。
アメリカが日本をどう見ていたか、が表れているとも言えます。
大きな出来事自体は史実に基づいているため、日本がどのように真珠湾を攻撃し、何が起きたのかを垣間見ることができます。
なお、一応ウォルト・ディズニー・カンパニー関連の製作ですから、子どもにも安心して見せられます。
ミッドウェー
2019年製作のアメリカ映画です。
ミッドウェイという映画は1976年にもアメリカが製作しています。
日本語では区別をつけるために「ミッドウェー」(2019年版)と「ミッドウェイ」(1976年版)に分けているみたいですが、アメリカではどちらも”Midway”となっています。
1976年版とストーリーが同じかどうかはわかりませんが、最近になって文書の公開が行われて発覚した新事実もあるため、その違いがわかるかは興味深いところです。
76年版では太平洋戦争の転機である様子が伝わってくるように描かれていますが、あまりに描写が古臭いため、今の子ども達は知識がないと楽しさを感じないかも知れません。
覚える必要なんてない!感じれば勝手に覚えられる!
起きた戦争を順番にダラダラ並べ立てても子どもは何も面白くありません。
特に中学受験、高校受験に向けた勉強ともなると、「覚えなきゃ」という意識が働いてしまい、この単元がが苦痛になってしまいます。
この場合、年号を端から覚えていくよりも、1つ2つの深いエピソードを持つ話を聞かせてあげる方がいいのです。
たった1つでも興味を持てば、そこから順々に興味が広がっていき、勝手に勉強していくものです。
塾で教わったこと、学校で習ったことを家で親がまた教える。
そんなバカげたことはもうやめませんか?
家では家にしかできない教え方があるのです。
それができれば、ファイの塾生のように、子どもは勝手に勉強して伸びていきますよ(^^)/
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