野菜ジュースは本当に健康にいいのか?
「先生,野菜ジュースって本当に健康にいいの?」
こんな話から授業が展開されました。その野菜ジュースに書かれていたのは食物繊維とビタミンC,ビタミンA。そこでまず食物繊維とは何かを話すと,細胞の話になり,動物細胞と植物細胞について勉強。その際,核,細胞質,細胞壁,遺伝子,染色体,細胞膜,ミトコンドリアの話につながり,生命の進化の話に発展。
その後,話はまた野菜ジュースの話に戻り,今度は様々な食べ物の食物繊維の含有量を調べてみることに。すると干したものに食物繊維が多いことに気が付きました。大根と切り干し大根,椎茸と干しシイタケ,みたいなものですね。そして乾燥わかめや乾燥昆布も食物繊維が高いことから,なぜ干すと食物繊維が多くなるのかという話に。みなさんはおわかりになりますか?ヒントは食物繊維の計算は100g当たりで算出しているということと,「水分」です。
今回は一通り食物繊維について,成分や消化吸収時の働きについて話していたこともあり,容易に答えにたどりついていました。要するに水分が蒸発して,重さが減った。食物繊維の量は100g当たりにして出しているので,水分が飛んで食物繊維が残った分,100g集めると食物繊維の割合が増えた。だから干したものは食物繊維が多くなっているのです。この辺りもちょっと掘り下げるだけで割合や理論的思考力が養えます。
さて,これで終わりと思いきや,今度はビタミンC,ビタミンAの役割について。どういう役割をしているか,無いとどうなるかなどについて話をし,最後はパッケージの話に。実はジュースと呼ばれるものは100%のものしかジュースと呼ばないのをご存知ですか?今回の野菜ジュースにはオレンジが絞ってあるデザインがされていたのですが,その話からジュースの話になりました。ちなみに「コーラはジュースじゃないの?」と聞かれましたが,コーラもジュースの区分には入りません。正しくは, 「炭酸飲料」 もしくは 「清涼飲料水」 という区分になります。
たった1つ,野菜ジュースの話から3時間以上の授業になってしまいましたが,このように興味さえあれば,身近なものから何でも学習なんて成立するのです。この授業は中学受験の子にしましたが,内容は中学受験の内容はもちろん,中学,高校の内容まで及びます。それでも子ども自身が興味を持っていれば学んでしまうんですね。勉強させようとしなくても,子どもは興味さえ持てば勉強するものです。受験が無駄だとは言いませんが,無駄な受験勉強は身を滅ぼします。あまり慌てて本質を見失わないように。
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