授業は楽しんでいるのに成績が伸びない
というわけで、学習法診断を致しました。
その一部をちょっとだけ公開しましょう。
日能研の場合、先生とは呼ばず、フレンドリーさを演出して愛称で呼び合うことで、先生と生徒の関係を築いていきます。
それゆえ生徒をコントロールできなくなる先生も多く、ただ単に騒がしい授業になってしまうこともしばしば。
今回のご相談者さんも、
「子どもは楽しいという授業ですが、楽しいだけで頭に入っていないのではないか?」
とのこと。
そのため、日能研での授業のノート、宿題、テストを2年分、を全部分析しました。
結論。
残念ながら、ご名答(^^;
友達と楽しんでいる様子は見られても、考えている様子が見られない。
四角い頭が丸くなっているのは、友達とおしゃべりをしているときでした。
楽しい授業がいけないわけではない
成績が伸びる楽しい授業とは、笑いがある授業ではありません。
笑いがある授業は楽しいという印象を受けがちですが、その笑った部分だけが印象に残るため、その周辺の内容は記憶に残りません。
そのため、小ネタを連発する芸人のような授業では、全体として楽しかったという印象は記憶に残るものの、どこが楽しかったのかと言われると、笑った内容の1、2個しか思い出せないのです。
もちろんこれが決して悪い授業というわけではありません。
勉強そのものにそもそも興味がない子にはきっかけとなりうるためです。
そのため、そもそも勉強に興味がない子が「授業が楽しい」と言っているのであれば、このタイプの授業は合っていると言えます。
成績を上げたいのに上がらない
では成績を上げたいと思っていて、授業も楽しいのに成績が上がらない場合はどうすればいいのでしょうか。
このタイプの子の場合、授業の楽しさの質を考える必要があります。
先ほどのような小ネタを連発するような授業ではいけないという訳ではないのですが、すでにやろうとしている子にとっては成績を上げるきっかけとなる楽しさが必要なのです。
楽しさって何?
その楽しさとは何か。
それは興味を持つ楽しさかどうか、です。
例えばこんな経験ありませんか?
ちょっと気になっている変わったカフェがあるのですが、なかなかきっかけがなくて入れない。
でもある時友達と一緒に入ったら、2回目からは躊躇なく入れた。
みたいな経験。
勉強も同じなんですよ。
子どもが疑問、興味を持っている世界に一緒に足を踏み入れてあげる。
すると子どもは勝手にその世界をどんどん広げていく。
習い事もそうやってはまっていく子が多いですよね?
根本的には全く同じ原理なのです。
つまり、子どもが「なんで?」と思える楽しさがあるかどうか。
伸びる楽しさかどうかはここに鍵があるのです。
どうやって検証すればいい?
これを検証するのはとても簡単。
子どもが「楽しい」と話している対象が、内容かそうでないか、です。
例えば
「今日先生が話してたんだけど、大地震が起きる前に深海魚が海面に上がって来るんだって!」
というような話し方。
これは単に話題性を楽しんでいるのであって、疑問を持つ楽しさに結びつきません。
それに対して、
「今日先生が話してたんだけど、大地震が起きる前に深海魚が海面に上がって来るんだって!人間はわからないのに面白いね!何で上がってくるんだろうね?」
というような話し方。
これはちゃんと話の内容に興味を持った話し方です。
わかりやすいように、ふとした疑問を感じている部分までつけましたが、会話にすれば何に興味を持っているかはすぐにわかるはずです。
成績が上がるかどうかは別問題
なお、あくまで楽しさに伸びる土壌があるかどうかの判定であるため、「内容に興味を持っているから成績が必ず上がる!」というわけではありません。
やって伸びるかどうかは、勉強のやり方が正しいかどうかにかかっています。
塾が合っているのか、今の勉強のやり方で伸びるのか。
不安な方は、学習法診断をお申し込み下さい。
一般の方でも診断受付中です(^^)/
「現在日能研に通っている小6の男の子です。日能研の授業は楽しいらしく、やめたくないと言っていますが、その割には成績に結び付きません。楽しいだけで頭に入っていないのではないでしょうか。」