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+20点を取ることが目的ではない
冒頭のコメントは今まで数学が60点ぐらいしか取れていなかった塾生のコメントです。
それが20点以上伸びたのに、90点にはあと1問のところで取り切れず。
点数ではなく、何をできるようにするかを目標としていたため、20点上がったからOK、とはならずに悔しがったのです。
ファイでは20点上がったからといって褒めません。
大切なのは+20点取ることではないからです。
そんなわけで、今回は思うように点数が取れなかったけど、内申点は上げたい子のための方法です。
内申点が関係してくるため、中学生や高校受験を対象とした内容になります。
内申点はどの学年が加味される?
全国で中3の内申点のみを受験の点数に加味している学校は47都道府県中13都道府県。
ここ数年で急激に増えてきました。
この中で、以前から中3のみとしていたのは4都道府県で、東京や学力テスト全国1位常連の秋田が入っています。
実は以前は中3だけだった
実は以前、と言っても今の親たちかそれ以上前の世代の話ですが、内申点は中3しか入試に加味されていませんでした。
それがゆとり教育の過程で内申点を中1から加味すべき、となっていったのです。
なぜ中1からするべきだと言われたのでしょうか。
今の親世代ならご自身の経験からお分かりになる方も想像がつく方もいらっしゃるでしょう。
そう、受験に関係してくるのは中3だけだから、中1、2は勉強していなくても問題ない、と考える人が多かったのです。
実際塾の通塾率を見ても、中1、中2から通っている子はほとんどいませんでした。
塾も中3から、が普通だったのです。
ところがゆとり教育で学力低下が問題視され、中3だけ頑張れば内申点を取れてしまうのはおかしい、中1から頑張っている子をちゃんと評価してあげるべき、という考えが広まりました。
それのため、次々と3年間の合計で評価する都道府県が増えていき、中1からの塾の通塾率も上昇していきました。
ところがそれが元で思わぬ弊害が出てしまいました。
それが間違った方向に頑張る親が増えたことです。
中1から頑張らせればいいというのは大きな間違い
「中1から内申点が加味されるから、中1から塾に通わせておこう。」
そう考える親が増えてきました。
しかしそれが既に間違いなのです。
中1から頑張っている子は小学生の内から頑張っているのです。
中学から頑張ればいいという時点で既に手遅れ。
そして親が中学から頑張ればいいなんて悠長な事を考えているから、子どもも当然悠長な考え方になるのです。
結果子どもには伝わらずに中1からは頑張れない。
でも周りの煽りは強くなる。
仕方なくやり出した頃には基本部分が抜けているので積み上がらない。
一時的に点が取れても継続しない。
こんな悪循環にはまるのです。
そんな生ぬるい考えの下で育った子に「勉強しなさい!」は通用しません。
今まで勉強することを、親であるあなたですら意識していなかったのですから。
しかし現実、内申点を取らなければ高校受験に支障をきたします。
でも中1から頑張らせても点数が取れず、勉強も嫌いになってしなくなる。
ならばどうすればこういう子に内申点を稼がせる事が出来るのでしょうか。
テストの点数の差を埋める内申点の稼ぎ方
内申点につながる、中1からでも逆転できるものが他にもあるのです。
それが勉強に対する姿勢を見せること、です。
内申点の大部分はテストで決まります。
しかし学習意欲や取り組む姿勢を加味する先生も多いのです。
最終的には点数で決められてしまうことが多いとはいえ、取り組む姿勢で挽回出来るチャンスは残されているのです。
具体的にどうすればいいのでしょうか。
提出物やノート点などの見てすぐわかるものの評価。
先生とのやり取りの評価。
そして授業の様子。
意外としつけるのを忘れられがちなのが授業の様子。
おしゃべりは問題外ですが、授業の受け方は意外と評価に影響するのです。
例えばよくメモを取っている子と、ノートすら出さない子ならどちらの方が先生の印象がいいかは言うまでもないでしょう。
そしてここからが一番重要なところです。
姿勢がいい子は点数が上がったときに評価されやすくなります。
「頑張ってるけど点数が取れてないから成績はあげられない。」
そんな状況から点数が上がれば、先生は喜んで成績に反映させてくれます。
しかし姿勢が悪い状態が常態化している子の場合、点数が少し上がった程度では
「授業態度が悪いし、今回はたまたま点数がよかっただけだろうから内申アップは見送ろう。」
ということになりやすいのです。
内申点を取るために点数だけを取りに行ってもうまくいかない
以前はテストの点数がそのまま内申点になっていました。
つまり、点数を取りさえすれば成績も上がったのです。
逆に言えば、途中から頑張らせても、点数が取れなければ内申点も取れなかったのです。
しかし今は点数以外も加味される内申点の付け方に変わりました。
それを使わない手はありません。
今既に中1、中2で、点取りレースに遅れを取っていたとしても、挽回するチャンスが与えられているのです。
そしてこの姿勢を変える方法は、内申点だけでなく、子どもの考え方も変えていきます。
頑張っている自分を演出することで、本当に頑張る自分、が作られていくようになるのです。
心理学でいうところの、一種のラベリング効果のようなものです。
努力している自分、を演出により作り上げることで、自分は努力する子である、という錯覚を起こすのです。
実は点数を取らせるよりも簡単にできて、なおかつ点数も取らせやすい方法なんですね。
点数に結び付けるにはもう一歩踏み込む必要がある
もちろんただ見せる努力をさせても、実際に点数を取るまで結びつきません。
内申点を取る努力は実っても、実際に点数が上がらなければ、入試で点が取れませんからね。
そこで大切になるのが勉強の質。
まずはただ点数を一時的に上げるのではなく、内申点を上げやすい土壌を作っておく。
そして点数を上げるためには、内申点目当ての見た目だけのアピールではなく、中身の伴った方法で確実に下積みをする。
小手先のテスト対策で一時的に点を取るのではなく、戦略的に継続しやすい勉強の仕方を身に着けておく。
これが大切になります。
つまり、
内申点を取るために点数を追い求める方法は、中学生になってからでは完全に後手に回っているため、余程の運(恵まれた環境要因)がなければ逆転は出来ない。
内申点は点数から稼ぐのではなく、努力を見せる姿勢から演出していく。
姿勢に勉強の質を伴わせる。
というやり方がうまくいきやすい、ということです。
「勉強しなさい!」と言うのは簡単ですが、実際に点数を取らせるところまで持って行くのは簡単ではありません。
それに対してこの方法なら「勉強しなさい!」という必要はありませんから、時間はかかりますが、楽なのです。
最後の「勉強の質」については、いかに正しい勉強のやり方、自分に合った勉強のやり方を身に着けているかがカギになります。
結局演出だけできても、質が伴っていなければ「頑張ってはいるんだけどね~」という評価で終わってしまいます。
一般的な塾や家庭教師では勉強のやり方を教えることができないので、この点は親の努力が必要になります。
どう努力すればいいかはこのブログの他の記事でも書いています。
教育論のタグをご覧になってみて下さい(^^)/
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