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スマホは中学受験で題材になる実験に最適なツール:物理実験への活用法

スマホの物理実験活用法

理科が机上のSFになっていると伸びない

お母さん

「振り子の問題が、何度教えても解けません。同じ内容の映像授業も見せて、私も教えましたが、結局組み分けテストではほとんど点が取れませんでした。何がいけないのでしょうか。」

神奈川県 あやさん

振り子の問題が解けないなら、原因は振り子に限った話ではないのですが、この子の学習法診断をしたところ、理科は身近な現象だという実感がなく、SF小説でも読んでいるかのような感覚だということがわかりました。

机上のみで完結しているとこういうことが起こりがちなんですね。

そこでこの相談者さんには物理現象を理解させるための簡単な実験を紹介しました。

同じことで悩んでいる方も多いと思いますので、ブログでも紹介しておきましょう。

物体の落下が見えていない

まず中学受験の物理現象は身近なものにどれだけ興味を持って接しているかが問われます。

特に公立中高一貫の適正検査ではその傾向が強く、いかに身近なものから物事の原理原則を学んでいるかが重要なポイントとなります。

もちろん今回の振り子のように、問題集で出てくる定番のものも多いので、わざわざやらなくてもわかるかもしれません。

しかし何度練習しても解けないのであれば、実験をする方が手っ取り早い

「百聞は一見に如かず」です。

机上で学んだことを、実際に実験して経験しておくと大きな布石になるんですね。

特に振り子は身近にあるようであまり実感がない。

だから動きが想像できないのです。

そんな振り子の運動をハッキリと見えるようにしてくれるのがスマートフォン

振り子に限らず、物理実験には欠かせないツールの1つです。

振り子の実験以外にも活用できるので、そんな実験について紹介しましょう。

使用するのはスマートフォンのスローモーション撮影機能です。

スローモーション撮影機能ってなに?

スローモーションのように一瞬を切り取り,コマ送りのようにゆっくり再生するカメラ機能です。最近の携帯は安価なものでなければついていると思います。特にカメラに力を入れているsonyのXperiaiPhoneは標準のカメラ機能としてついていますので,最近はどなたでもこのスローモーションの世界を楽しめるようになってきました。

自由落下は中学生ぐらいになるとジェットコースターにも乗れますし、落ちる時間が長くなると速度も速くなることまで理解できるようになりますが、小学生では速度が速くなるのが見えるほどの物理現象を体験する機会も少なく、徐々に早くなるというのが理解できません。そこで実際に試して欲しいのがスローモーションカメラ(ハイスピードカメラ)です。

サピックスの振り子の問題

サピックス組み分けテストの振り子の問題

十分に重たいおもりと糸さえあれば実際に試すことができるでしょう。

釘は用意できないと思うので、ペンで十分です。

塾生が試したところ、スズランテープを1m出して、それ以上出ないようにテープで止めただけの振り子でも再現できました。

試して見ればすぐにわかりますが、釘に巻き付いてしまって戻って来ないんですね。

でも机上でしか学んでいないとそれがわからないのです。

そこで経験しておくといい簡単な実験を紹介しておきます。

正確な実験である必要はありません。

物理現象が体感できさえすればいいので、身近なものを使って気軽に試してみましょう。

高いところから物を落としてみる

落ちるにしたがって加速していく様子は、椅子の上に立って物を落とすだけでも加速していく様子がわかります。

これが高校物理でいうところの自由落下運動ですね。

でも目で見てもわかりません。

スローモーション撮影だからわかるという感じです。

キャスター付きの椅子の場合は動いてしまう可能性があるので十分注意して下さいね。

実際にスローモーション撮影してみるとこんな感じになります。

この撮影に使ったのは割と古いXperiaです。

ボケているのはスマホのせいではなく、私の映像加工技術がないためです(^^;

スマホで見るとちゃんと綺麗に見えますよ。

また、連射機能を使ってコマ送りのような写真を撮ることもできます。

コマ送りで見ると、徐々に加速しているのがわかるため、子どもも身近な物理現象が入試問題と同じなのだということを理解しやすくなります。

この連射は、入試でも出てくる実験器具、ストロボスコープと同じ効果になります。

ストロボスコープというのは、カメラのフラッシュを連続で炊くことで、コマ送りのように見せるものですね。

こちらもスマホの機能でできなくはないのですが、スマホによっては別途アプリを使う必要があります。

中学生は記録タイマーというものを用いますが、これはテープに記録するため、スマホでの再現は一工夫必要です。

虫の羽ばたきをとらえてみる

これからの季節、虫が多く出てきます。

その時にきゃーきゃー騒ぐのではなく、その虫をスローモーションで撮影してみると新たな発見が見えてきます。

例えば蝶の羽の付き方。

昆虫なので頭・胸・腹のうち,胸についているというのはわかっている子が多いのですが、前の羽と後ろの羽、どちらが上についているかは知らない子が多いのです。

これもスローモーションで撮影すると、なぜ前の羽が上についているのかがハッキリとわかります

こうして一度見ておくと暗記ではなく、原理で説明できるんですね。

実際中学受験の子に試して見せてあげましたが、ちょっと説明するだけで原理を理解できていました。

雨を撮影してみる

雨粒の形をご存知でしょうか。

涙みたいな形?

いいえ、実は全然違います。

雨の粒と言うと涙のような形をしていると思っている子が多いのですが、これは完全に絵本のイメージ。

実際は空気抵抗のために小籠包(ショウロンポウ)のように底が潰れて落ちてくるんですね。

これもスローモーションカメラで撮影するとみることができます。

これを見る時はできるだけ大粒の雨の時がいいため、夕立やゲリラ豪雨のような時にやってみるといいでしょう。

空気抵抗で潰れて落ちてきていると言うことがわかると、雨の落ちてくる速度がどうして一定になるのかも理解できます。

ゲームをしている様子を撮影してみる

ゲームでもお手玉でも何でも構いません。

反射神経を使うものをやっている様子を撮影してみると、物事が起きてから反射するまでのタイムラグに気付くことができます。

車を運転する方なら免許の試験の時に、空走距離制動距離というのをやったと思いますが、この空走距離に当たる時間。

つまり、見てから神経を伝達して、動くまでには時間がかかるというもののことです。

一瞬で動いているように見えるけれど、このタイムラグがあるとわかると、人体の仕組みについての興味が引き出しやすくなり、野球をやっている子なら、投げてからバットを振っても間に合わないのがなぜかも理解でき、その計算まですることができます。

失敗を撮影し原因を探る

PHIではけん玉がうまい子とうまくない子の違いは何か。

というのを実際に撮影して確かめてみました。

スローモーションにすることにより、子どもも自分たちで問題を認識しやすくなります。

今回の場合は玉が落ちて来た時に、うまい子は少し下に動かしてショックを吸収していたのですが、うまくない子は落下のショックを吸収しておらず、跳ね返って飛び出していました。

気付きやすい失敗としては、かけっこの時のスタートボールを打つ瞬間蹴る瞬間お手玉ペン回しピアノバイオリン格闘技といった動きを伴うものは、実際に失敗の原因を撮影することで、子ども自身も気付けるようになります。

面白いものとしては、食事風景といったものもあります。

カレーうどんなどの麺類はもちろん,よくこぼす子には効果的です。

タイムラプス機能で時間を縮める

最近ではタイムラプス機能という、一定間隔事に撮影する機能がついている携帯もあります。

この機能を用いると、一定間隔ごとに撮影を自動でしてくれるため、スローモーションとは逆に、長い時間をかけて変化しているものを早送りで見ることもできます。

子ども達に人気な、この機能が活かされる場面をいくつか紹介しましょう。

タイムラプス撮影すると楽しいもの
  • 空(雲の動き・天気が移り変わる様子)
  • 天体(星・太陽・月が動く様子)
  • 植物(たけのこの成長・花が咲く様子)
  • 水が蒸発していく様子
  • 影が動く様子

いずれも中学入試で問われる内容とリンクさせることができるため、一度見ておくだけでも理解度が大きく変わってきますよ。

アプリは使い方次第で子どもを賢くできる

最近の携帯は滅多に使わない機能まで盛りだくさんで、使ってみるだけで楽しめます。

一昔前に流行ったSNOWというアプリも、子どもに遊ばせるとどういう条件で作動するのかを考えるものです。

そんなことをし出すのはファイの子だけかも知れませんが(^^;

子どもが面白いと感じるのは、頭を使っているときです。

テストに結び付くかどうかではなく、ダメなら時間を取ってでも体験、体感してみる

それだけでいざ中学受験の問題として出会った時の理解度が変わってくるものですよ。

ファイではこのように出来が悪い単元の理解度を深めるための実験や生活を通したアドバイスをしています。

月1万円で子どもとの関わり方が変わり、成績も変わっていきますよ(^^)/

アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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