百人一首は中学校の冬休みの宿題に出される
ファイのオンライン授業では、学校の宿題の実施状況も見ています。
そこで毎年必ず出る質問がこれ。
中学生ではほとんどの子が宿題に出され、勉強法に悩んでいます。
お正月と言えば百人一首ですからね。
ところがこの百人一首。
子ども達には不人気で、覚えろと言われても覚えられない(^^;)
中には学校が始まったらチェックテストを課す学校もあり、必死にぶつぶつつぶやいて覚える子も。
そして定期テストでも出す学校が結構あります。
いや、むしろ出さない学校の方が少ないでしょう。
まぁ日本の文化ですから、テストに出る出ないに関わらず覚えておきたいところですね。
そこで今日は百人一首の覚え方について、オンライン授業でおススメしている方法をご紹介しましょう。
中学生で初めて百人一首と出会うと「勉強」になる。
毎年お正月に行事の一環として楽しんでいれば「遊び」になる。
この差は大きい。
百人一首は家族行事の一環
どうやって覚えればいいかと聞かれますが、私は覚えることを推奨していません。
むしろ覚えようとしなくてもいいかと。
本質はゲームですからね。
つまり、家族で百人一首をやるに限ります(笑)
ただし、覚えている子と覚えていない子では圧倒的に差が出てしまうため、百人一首を知っている人と知らない人とでは、全く勝負にならないことも。
そういう時にはうまく演出してあげて欲しいものですが、とりあえずやっておけばいくつかは覚えられるものです。
百首覚えるとなると最後は覚える努力が必要になりますが、何回もやるだけで半分以上は覚えられます。
実際百人一首を覚えられる、覚えている子の大部分は、家で百人一首をやっている子が圧倒的に多いですね。
百人一首を覚えることの意味
百人一首をある程度覚えていると、和歌ができるようになるのです。
和歌は必ず出てきますからね。
この単元に入った時に、百人一首を知っている子と知っていない子でスタートから大きな隔たりができます。
もちろんテストのためならもっと別の覚え方が必要とりますが、冬休みの宿題としての百人一首なら、やはり家族でやるに限ります。
もちろん早ければ早いに越したことはありません。
就学前からでも全然構わないのです。
「歌」ですから。
そして親ができる必要もありません。
勉強するのは子どもですから(笑)
効率のいい覚え方
勝負形式でやるのであれば、通常のカルタと同じように、百人一首を読み上げてもらっていくのがいいでしょう。
この場合、今までは百人一首を読み上げる人が必要でしたが、今はネットでシャッフルして読み上げてくれるので、それを使えばいいでしょう。
読み上げてくれれば一人でも練習できますからね。
⇒ YouTube百人一首 ※シャッフル再生して下さい。
とにかく覚えたいと言う場合も、百人一首を聞くのが効果的です。
自分でも発音した方がいいのですが、百人一首に関しては「歌」なので、聞き流すだけでも効果的です。
百人一首は面白い!
百人一首の面白さは、じっくりと背景から読み解いていかないとわかりません。
教科書のちょろっとした解説程度では理解できないのです。
そこでオススメなのが、百人一首を楽しく解説してくれている本。
小中学校程度の百人一首に専門性など必要ありません。
ただ楽しければいい。
「歌」ですから(笑)
そんなわけで、オンライン授業で様々な百人一首に関する本を紹介してきましたが、興味を持ったのは以下の3つが人気でした。
個人的には一番右側「眠れないほどおもしろい百人一首」が面白かった(笑)
ただ文字が多いので、小学生には真ん中の「まんがで楽しく覚える百人一首」が人気でした。
百人一首のチェックテスト
なお、百人一首大会で優勝、上位に食い込む子は、小さい頃から百人一首に触れている子ばかりです。
そして百人一首でよくテストにされるのが、上の句と下の句を一致させるという問題。
これについては無料のチェックテストを用意しています。
是非ご利用下さい。
ただし、やはり百人一首の大前提は「かるた遊び」です。
日本の和の文化ですから、時間に追われる受験生も、そうでない子も、ぜひみなさんで楽しんで下さいね!
百人一首一覧
太字にしている人の名前は、教科書でもよく出てくる人物です。
どれを覚えるか迷うなら、とりあえず有名な人物の歌を押さえておくのがいいでしょう。
また、決まり字があるものには色をつけています。
決まり字は、その言葉から始まる俳句が1つしかないものです。
そのため、決まり字と下の句の最初だけ覚えておけば、取れるようになります。
なお、正確には下の句の最初の方が一緒のものもあるので、実際に百人一首をやるときには注意しましょう。
1 | 秋の田のかりほの庵の苫を荒み わがころも手は露に濡れつつ | 天智天皇 |
2 | 春すぎて夏来にけらし白たへの ころもほすてふあまの香具山 | 持統天皇 |
3 | あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む | 柿本人麻呂 |
4 | 田子の浦にうちいでて見れば白たへの 富士の高嶺に雪は降りつつ | 山部赤人 |
5 | 奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき | 猿丸太夫 |
6 | かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞふけにける | 中納言(大伴)家持 |
7 | あまの原ふりさけ見ればかすがなる み笠の山にいでし月かも | 安倍仲麻呂 |
8 | わが庵(いお)は都のたつみしかぞ住む 世を宇治山と人は言ふなり | 喜撰法師 |
9 | 花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに | 小野小町 |
10 | これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関 | 蝉丸 |
11 | わたの原八十島かけて漕ぎいでぬと 人には告げよあまの釣舟 | 参議(小野)篁 |
12 | あまつ風雲のかよひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ | 僧正遍昭 |
13 | つくばねの峰より落つるみなの川 恋ぞ積りて淵となりぬる | 陽成院 |
14 | みちのくの忍ぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに | 河原左大臣(源融) |
15 | 君がため春の野にいでて若菜摘む わがころも手に雪は降りつつ | 光孝天皇 |
16 | 立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かばいざ帰り来む | 中納言(在原)行平 |
17 | ちはやふる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは | 在原業平朝臣 |
18 | すみの江の岸による波よるさへや 夢のかよひ路人目よくらむ | 藤原敏行朝臣 |
19 | なにはがた短きあしのふしのまも あはでこの世をすごしてよとや | 伊勢 |
20 | わびぬれば今はた同じなにはなる みをつくしてもあはむとぞ思ふ | 元良親王 |
21 | 今来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ちいでつるかな | 素性法師 |
22 | 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐と言ふらむ | 文屋康秀 |
23 | 月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど | 大江千里 |
24 | このたびはぬさも取りあへずたむけ山 もみぢのにしき神のまにまに | 菅家(菅原道真) |
25 | 名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られで来るよしもがな | 三条右大臣(藤原定方) |
26 | 小倉山峰のもみぢ葉心あらば 今ひとたびのみゆき待たなむ | 貞信公(藤原忠平) |
27 | みかの原わきて流るる泉川 いつ見きとてか恋しかるらむ | 中納言(藤原)兼輔 |
28 | 山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば | 源宗干朝臣 |
29 | 心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花 | 凡河内躬恒 |
30 | 有明のつれなく見えし別れより 暁ばかりうきものはなし | 壬生忠岑 |
31 | 朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪 | 坂上是則 |
32 | 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬもみぢなりけり | 春道列樹 |
33 | ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ | 紀友則 |
34 | たれをかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに | 藤原興風 |
35 | 人はいさ心も知らずふる里は 花ぞ昔の香に匂ひける | 紀貫之 |
36 | 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ | 清原深養父 |
37 | 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける | 文屋朝康 |
38 | 忘らるる身をば思はずちかひてし 人の命の惜しくもあるかな | 右近 |
39 | 浅茅生の小野のしの原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき | 参議(源)等 |
40 | 忍ぶれど色にいでにけりわが恋は ものや恩ふと人の問ふまで | 平兼盛 |
41 | 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか | 壬生忠見 |
42 | ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは | 清原元輔 |
43 | あひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり | 中納言(藤原)敦忠 |
44 | あふことの絶えてしなくばなかなかに 人をも身をも恨みざらまし | 中納言(藤原)朝忠 |
45 | あはれとも言ふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな | 謙徳公(藤原伊尹) |
46 | ゆらのとを渡る舟人かぢを絶え 行くへも知らぬ恋の道かな | 曾禰好忠 |
47 | 八重むぐら茂れるやどの寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり | 恵慶法師 |
48 | 風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふ頃かな | 源重之 |
49 | み垣もり衛士のたく火の夜はもえ 昼は消えつつものをこそ思へ | 大中臣能宣朝臣 |
50 | 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな | 藤原義孝 |
51 | かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを | 藤原実方朝臣 |
52 | 明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな | 藤原道信朝臣 |
53 | 嘆きつつひとりぬる夜の明くるまは いかに久しきものとかは知る | 右大将道綱母 |
54 | 忘れじの行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな | 儀同三司母 |
55 | 滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ | 大納言(藤原)公任 |
56 | あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今ひとたぴのあふこともがな | 和泉式部 |
57 | めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲隠れにし夜はの月かな | 紫式部 |
58 | ありま山ゐなの笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする | 大弐三位 |
59 | やすらはで寝なましものをさ夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな | 赤染衛門 |
60 | 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ずあまの橋立 | 小式部内侍 |
61 | いにしへの奈良の都の八重桜 今日九重ににほひぬるかな | 伊勢大輔 |
62 | 夜をこめてとりのそらねははかるとも よに逢坂の関は許さじ | 清少納言 |
63 | 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで言ふよしもがな | 左京大夫(藤原)道雅 |
64 | 朝ぼらけ宇治の川霧絶え絶えに あらはれわたる瀬々の網代木 | 中納言(藤原)定頼 |
65 | 恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそ惜しけれ | 相模 |
66 | もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし | 大僧正行尊 |
67 | 春の夜の夢ばかりなる手枕(たまくら)に かひなく立たむ名こそ惜しけれ | 周防内侍 |
68 | 心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜はの月かな | 三条院 |
69 | 嵐吹くみむろの山のもみぢ葉は 竜田の川のにしきなりけり | 能因法師 |
70 | 寂しさにやどを立ちいでてながむれば いづくも同じ秋の夕暮 | 良暹法師 |
71 | 夕されば門田の稲葉おとづれて あしのまろ屋に秋風ぞ吹く | 大納言(源)経信 |
72 | 音に聞くたかしの浜のあだ波は かけじや袖の濡れもこそすれ | 祐子内親王家紀伊 |
73 | 高砂のをのへの桜咲きにけりと 山のかすみ立たずもあらなむ | 権中納言(大江)匡房 |
74 | うかりける人を初瀬の山おろし 激しかれとは祈らぬものを | 源俊頼朝臣 |
75 | ちぎりおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり | 藤原基俊 |
76 | わたの原漕ぎいでて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波 | 法性寺入道前関白太政大臣(藤原忠通) |
77 | 瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ | 崇徳院 |
78 | 淡路島かよふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関もり | 源兼昌 |
79 | 秋風にたなびく雲の絶え間より もれいづる月の影のさやけさ | 左京大夫(藤原)顕輔 |
80 | 長からむ心も知らず黒髪の 乱れて今朝はものをこそ思へ | 待賢門院堀川 |
81 | ほととぎす鳴きつるかたをながむれば ただ有明の月ぞ残れる | 後徳大寺左大臣(藤原実定) |
82 | 思ひわびさても命はあるものを うきにたへぬは涙なりけり | 道因法師 |
83 | 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる | 皇太后宮大夫(藤原)俊成 |
84 | 長らへばまたこの頃やしのばれむ うしと見し世ぞ今は恋しき | 藤原清輔朝臣 |
85 | 夜もすがらもの思ふ頃は明けやらで ねやのひまさへつれなかりけり | 俊恵法師 |
86 | 歎けとて月やはものを思はする かこち顔なるわか涙かな | 西行法師 |
87 | むらさめの露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕暮 | 寂蓮法師 |
88 | なには江のあしのかり寝のひとよゆゑ 身をつくしてや恋ひわたるべき | 皇嘉門院別当 |
89 | 玉の緒よ絶えなば絶えね長らへば 忍ぶることの弱りもぞする | 式子内親王 |
90 | 見せばやな雄島のあまの袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変らず | 殷富門院大輔 |
91 | きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに ころもかた敷きひとりかも寝む | 後京極摂政前太政大臣(藤原良経) |
92 | わが袖は潮ひに見えぬ沖の石の 人こそ知らね乾くまもなし | 二条院讃岐 |
93 | 世の中は常にもがもななぎさ漕ぐ あまのを舟の綱手かなしも | 鎌倉右大臣(源実朝) |
94 | み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒くころも打つなり | 参議(源)雅経 |
95 | おほけなくうき世の民におほふかな わが立つそまに墨染の袖 | 前大僧正慈円 |
96 | 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり | 入道前太政大臣(西園寺公経) |
97 | 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに やくやもしほの身もこがれつつ | 権中納言(藤原)定家 |
98 | 風そよぐならの小川の夕暮は みそぎぞ夏のしるしなりける | 従二位(藤原)家隆 |
99 | 人も惜し人も恨めしあぢきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は | 後鳥羽院 |
100 | ももしきや古き軒ばの忍ぶにも なほあまりある昔なりけり | 順徳院 |
「学校で百人一首を覚えてくる宿題が出たんですけど、どうやって勉強すればいいですか?」