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百人一首の一覧と覚え方。オンライン授業で推奨している楽しい勉強法の紹介

目次

百人一首は中学校の冬休みの宿題に出される

塾生

「学校で百人一首を覚えてくる宿題が出たんですけど、どうやって勉強すればいいですか?」

ファイのオンライン授業では、学校の宿題の実施状況も見ています。

そこで毎年必ず出る質問がこれ。

中学生ではほとんどの子が宿題に出され、勉強法に悩んでいます。

お正月と言えば百人一首ですからね。

ところがこの百人一首。

子ども達には不人気で、覚えろと言われても覚えられない(^^;)

中には学校が始まったらチェックテストを課す学校もあり、必死にぶつぶつつぶやいて覚える子も。

そして定期テストでも出す学校が結構あります。

いや、むしろ出さない学校の方が少ないでしょう。

まぁ日本の文化ですから、テストに出る出ないに関わらず覚えておきたいところですね。

そこで今日は百人一首の覚え方について、オンライン授業でおススメしている方法をご紹介しましょう。

中学生で初めて百人一首と出会うと「勉強」になる。
毎年お正月に行事の一環として楽しんでいれば「遊び」になる。
この差は大きい。

百人一首は家族行事の一環

どうやって覚えればいいかと聞かれますが、私は覚えることを推奨していません。

むしろ覚えようとしなくてもいいかと。

本質はゲームですからね。

つまり、家族で百人一首をやるに限ります(笑)

ただし、覚えている子と覚えていない子では圧倒的に差が出てしまうため、百人一首を知っている人と知らない人とでは、全く勝負にならないことも。

そういう時にはうまく演出してあげて欲しいものですが、とりあえずやっておけばいくつかは覚えられるものです。

百首覚えるとなると最後は覚える努力が必要になりますが、何回もやるだけで半分以上は覚えられます

実際百人一首を覚えられる、覚えている子の大部分は、家で百人一首をやっている子が圧倒的に多いですね。

百人一首を覚えることの意味

百人一首をある程度覚えていると、和歌ができるようになるのです。

和歌は必ず出てきますからね。

この単元に入った時に、百人一首を知っている子と知っていない子でスタートから大きな隔たりができます。

もちろんテストのためならもっと別の覚え方が必要とりますが、冬休みの宿題としての百人一首なら、やはり家族でやるに限ります。

もちろん早ければ早いに越したことはありません。

就学前からでも全然構わないのです。

「歌」ですから。

そして親ができる必要もありません

勉強するのは子どもですから(笑)

効率のいい覚え方

勝負形式でやるのであれば、通常のカルタと同じように、百人一首を読み上げてもらっていくのがいいでしょう。

この場合、今までは百人一首を読み上げる人が必要でしたが、今はネットでシャッフルして読み上げてくれるので、それを使えばいいでしょう。

読み上げてくれれば一人でも練習できますからね。

 ⇒ YouTube百人一首 ※シャッフル再生して下さい。

とにかく覚えたいと言う場合も、百人一首を聞くのが効果的です。

自分でも発音した方がいいのですが、百人一首に関しては「歌」なので、聞き流すだけでも効果的です。

百人一首は面白い!

百人一首の面白さは、じっくりと背景から読み解いていかないとわかりません

教科書のちょろっとした解説程度では理解できないのです。

そこでオススメなのが、百人一首を楽しく解説してくれている本

小中学校程度の百人一首に専門性など必要ありません。

ただ楽しければいい。

「歌」ですから(笑)

そんなわけで、オンライン授業で様々な百人一首に関する本を紹介してきましたが、興味を持ったのは以下の3つが人気でした。

個人的には一番右側「眠れないほどおもしろい百人一首」が面白かった(笑)

ただ文字が多いので、小学生には真ん中の「まんがで楽しく覚える百人一首」が人気でした。

百人一首のチェックテスト

なお、百人一首大会で優勝、上位に食い込む子は、小さい頃から百人一首に触れている子ばかりです。

そして百人一首でよくテストにされるのが、上の句と下の句を一致させるという問題。

これについては無料のチェックテストを用意しています。

是非ご利用下さい。

ただし、やはり百人一首の大前提は「かるた遊び」です。

日本の和の文化ですから、時間に追われる受験生も、そうでない子も、ぜひみなさんで楽しんで下さいね!

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百人一首一覧

太字にしている人の名前は、教科書でもよく出てくる人物です。

どれを覚えるか迷うなら、とりあえず有名な人物の歌を押さえておくのがいいでしょう。

また、決まり字があるものには色をつけています。

決まり字は、その言葉から始まる俳句が1つしかないものです。

そのため、決まり字と下の句の最初だけ覚えておけば、取れるようになります。

なお、正確には下の句の最初の方が一緒のものもあるので、実際に百人一首をやるときには注意しましょう。

百人一首一覧
1秋の田のかりほの庵の苫を荒み わがころも手は露に濡れつつ天智天皇
2春すぎて夏来にけらし白たへの ころもほすてふあまの香具山持統天皇
3あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む柿本人麻呂
4田子の浦にうちいでて見れば白たへの 富士の高嶺に雪は降りつつ山部赤人
5山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき猿丸太夫
6かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞふけにける中納言(大伴)家持
7あまの原ふりさけ見ればかすがなる み笠の山にいでし月かも安倍仲麻呂
8わが庵(いお)は都のたつみしかぞ住む 世を宇治山と人は言ふなり喜撰法師
9花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに小野小町
10これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関蝉丸
11わたの原八十島かけて漕ぎいでぬと 人には告げよあまの釣舟参議(小野)篁
12あまつ風雲のかよひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ僧正遍昭
13つくばねの峰より落つるみなの川 恋ぞ積りて淵となりぬる陽成院
14みちのくの忍ぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに河原左大臣(源融)
15君がため春の野にいでて若菜摘む わがころも手に雪は降りつつ光孝天皇
16立ち別れいなばの山の峰に生ふる まつとし聞かばいざ帰り来む中納言(在原)行平
17ちはやふる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは在原業平朝臣
18みの江の岸による波よるさへや 夢のかよひ路人目よくらむ藤原敏行朝臣
19なにはがた短きあしのふしのまも あはでこの世をすごしてよとや伊勢
20わびぬれば今はた同じなにはなる みをつくしてもあはむとぞ思ふ元良親王
21今来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ちいでつるかな素性法師
22くからに秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐と言ふらむ文屋康秀
23見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど大江千里
24このたびはぬさも取りあへずたむけ山 もみぢのにしき神のまにまに菅家(菅原道真)
25名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られで来るよしもがな三条右大臣(藤原定方)
26小倉峰のもみぢ葉心あらば 今ひとたびのみゆき待たなむ貞信公(藤原忠平)
27みかの原わきて流るる泉川 いつ見きとてか恋しかるらむ中納言(藤原)兼輔
28山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば源宗干朝臣
29心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花凡河内躬恒
30有明のつれなく見えし別れより 暁ばかりうきものはなし壬生忠岑
31朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪坂上是則
32山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬもみぢなりけり春道列樹
33ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ紀友則
34たれをかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに藤原興風
35人はいさ心も知らずふる里は 花ぞ昔の香に匂ひける紀貫之
36の夜はまだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ清原深養父
37露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける文屋朝康
38忘らるる身をば思はずちかひてし 人の命の惜しくもあるかな右近
39浅茅生の小野のしの原忍ぶれど あまりてなどか人の恋しき参議(源)等
40ぶれど色にいでにけりわが恋は ものや恩ふと人の問ふまで平兼盛
41すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか壬生忠見
42ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波越さじとは清原元輔
43あひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり中納言(藤原)敦忠
44あふことの絶えてしなくばなかなかに 人をも身をも恨みざらまし中納言(藤原)朝忠
45あはれとも言ふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな謙徳公(藤原伊尹)
46ゆらのとを渡る舟人かぢを絶え 行くへも知らぬ恋の道かな曾禰好忠
47八重むぐら茂れるやどの寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり恵慶法師
48風をいたみ岩打つ波のおのれのみ くだけてものを思ふ頃かな源重之
49み垣もり衛士のたく火の夜はもえ 昼は消えつつものをこそ思へ大中臣能宣朝臣
50君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな藤原義孝
51かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを藤原実方朝臣
52明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな藤原道信朝臣
53嘆きつつひとりぬる夜の明くるまは いかに久しきものとかは知る右大将道綱母
54忘れじの行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな儀同三司母
55の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ大納言(藤原)公任
56あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今ひとたぴのあふこともがな和泉式部
57ぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲隠れにし夜はの月かな紫式部
58ありま山ゐなの笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする大弐三位
59やすらはで寝なましものをさ夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな赤染衛門
60大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ずあまの橋立小式部内侍
61いにしへの奈良の都の八重桜 今日九重ににほひぬるかな伊勢大輔
62夜をこめてとりのそらねははかるとも よに逢坂の関は許さじ清少納言
63今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで言ふよしもがな左京大夫(藤原)道雅
64朝ぼらけ宇治の川霧絶え絶えに あらはれわたる瀬々の網代木中納言(藤原)定頼
65みわびほさぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそ惜しけれ相模
66もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし大僧正行尊
67春の夜の夢ばかりなる手枕(たまくら)に かひなく立たむ名こそ惜しけれ周防内侍
68心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜はの月かな三条院
69嵐吹くみむろの山のもみぢ葉は 竜田の川のにしきなりけり能因法師
70しさにやどを立ちいでてながむれば いづくも同じ秋の夕暮良暹法師
71されば門田の稲葉おとづれて あしのまろ屋に秋風ぞ吹く大納言(源)経信
72に聞くたかしの浜のあだ波は かけじや袖の濡れもこそすれ祐子内親王家紀伊
73砂のをのへの桜咲きにけりと 山のかすみ立たずもあらなむ権中納言(大江)匡房
74うかりける人を初瀬の山おろし 激しかれとは祈らぬものを源俊頼朝臣
75ちぎりおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり藤原基俊
76わたの原漕ぎいでて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波法性寺入道前関白太政大臣(藤原忠通)
77を早み岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ崇徳院
78淡路島かよふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関もり源兼昌
79秋風にたなびく雲の絶え間より もれいづる月の影のさやけさ左京大夫(藤原)顕輔
80長からむ心も知らず黒髪の 乱れて今朝はものをこそ思へ待賢門院堀川
81ととぎす鳴きつるかたをながむれば ただ有明の月ぞ残れる後徳大寺左大臣(藤原実定)
82ひわびさても命はあるものを うきにたへぬは涙なりけり道因法師
83世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる皇太后宮大夫(藤原)俊成
84長らへばまたこの頃やしのばれむ うしと見し世ぞ今は恋しき藤原清輔朝臣
85夜もすがらもの思ふ頃は明けやらで ねやのひまさへつれなかりけり俊恵法師
86歎けとて月やはものを思はする かこち顔なるわか涙かな西行法師
87らさめの露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕暮寂蓮法師
88なには江のあしのかり寝のひとよゆゑ 身をつくしてや恋ひわたるべき皇嘉門院別当
89の緒よ絶えなば絶えね長らへば 忍ぶることの弱りもぞする式子内親王
90見せばやな雄島のあまの袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変らず殷富門院大輔
91きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに ころもかた敷きひとりかも寝む後京極摂政前太政大臣(藤原良経)
92わが袖は潮ひに見えぬ沖の石の 人こそ知らね乾くまもなし二条院讃岐
93世の中は常にもがもななぎさ漕ぐ あまのを舟の綱手かなしも鎌倉右大臣(源実朝)
94み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒くころも打つなり参議(源)雅経
95おほけなくうき世の民におほふかな わが立つそまに墨染の袖前大僧正慈円
96花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり入道前太政大臣(西園寺公経)
97来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに やくやもしほの身もこがれつつ権中納言(藤原)定家
98風そよぐならの小川の夕暮は みそぎぞ夏のしるしなりける従二位(藤原)家隆
99人も惜し人も恨めしあぢきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は後鳥羽院
100ももしきや古き軒ばの忍ぶにも なほあまりある昔なりけり順徳院
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百人一首それぞれの意味

1:秋の田の

天智天皇

秋の田の 仮庵(かりほ)の庵の 苫(とま)をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ

「秋の田んぼで、刈り入れのために建てた仮の庵(いお)の苫(やね)の目が粗いので、私の衣の袖は露に濡れていってます。」
農作業で泊まり番をする農民の様子を描いた一首です。

2:春すぎて

持統天皇

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

「いつの間にか、春が過ぎて夏がやってきましたね。天の香具山には、真っ白な衣が干されていますね。」

3:あしびきの

柿本人麿

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

「山鳥の尾の、長く長く垂れ下がった尾のように、長い夜を一人寂しく寝ることだろう。」
恋をしている女性に会えない夜を表現した一首です。

4:田子の浦に

山部赤人

田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ

「田子の浦(駿河湾)に出かけてみると、白い布をかぶせたように、真っ白い雪が富士山に降り続けていました。」

5:奥山に

猿丸太夫

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき

「人里離れた奥山で、紅葉を踏み分けながら雌鹿が恋しくて鳴く雄鹿の声を聞くと、秋が悲しいものだと感じます。」

6:鵲(かささぎ)の

中納言家持

鵲(かささぎ)の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける

「七夕のカササギが、織姫と彦星を会わせるために渡した橋に散らばる星々が霜のようで、その白さを見ていると夜も更けたなぁと感じます。」

7:天の原

阿倍仲麻呂

天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

「天を仰いで遠くを見ると、奈良の春日にある三笠山に昇っていた月と同じ月が見えます。」
唐から帰って来られなくなった阿倍仲麻呂が、唐で月をみながら歌った歌です。

8:わが庵(いほ)は

わが庵(いほ)は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり

「私の庵(いおり)は都の東南の方角にあって、このように住んでいるのですが、世間の人は宇治山『憂し山(つらいやま)』だと言っているようです。」
※「しかぞすむ」は「鹿」ではなく、「このように」の意味です。

9:花の色は

花の色は 移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに

10:これやこの

これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関

11:わたの原

わたの原 八十島かけて 漕き出でぬと 人には告げよ あまのつりぶね

12:天(あま)つ風

天(あま)つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ

13:筑波嶺(つくばね)の

筑波嶺(つくばね)の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる

14:陸奥(みちのく)の

陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに

15:君がため

君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ

16:立ち別れ

立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む

17:ちはやぶる

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

18:住(すみ)の江の

住(すみ)の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ

19:難波潟(なみはがた)

難波潟(なみはがた) 短かき蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや

20:わびぬれば

わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ

21:今来むと

今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな

22:吹くからに

吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ

23:月見れば

月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど

24:このたびは

このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに

25:名にし負(お)はば

名にし負(お)はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな

26:小倉山

小倉山 峰の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ

27:みかの原

みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ

28:山里は

山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

29:心あてに

心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花

30:有明の

有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし

31:朝ぼらけ

朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪

32:山川に

山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり

33:久方(ひさかた)の

久方(ひさかた)の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ

34:誰をかも

誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに

35:人はいさ

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける

36:夏の夜は

夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ

37:白露に

白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

38:忘らるる

忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな

39:浅茅生(あさぢふ)の

浅茅生(あさぢふ)の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき

40:忍ぶれど

忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで

41:恋すてふ

恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか

42:契りきな

契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは

43:逢ひ見ての

逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり

44:逢ふことの

逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし

45:哀れとも

哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな

46:由良の門(と)を

由良の門(と)を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな

47:八重むぐら

八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり

48:風をいたみ

風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな

49:みかきもり

みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ

50:君がため

君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな

51:かくとだに

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを

52:明けぬれば

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな

53:嘆きつつ

嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る

54:忘れじの

忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

55:滝の音(おと)は

滝の音(おと)は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ

56:あらざらむ

あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな

57:めぐり逢ひて

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな

58:有馬山

有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする

59:やすらはで

やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな

60:大江山

大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立

61:いにしへの

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな

62:夜をこめて

夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ

63:今はただ

今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな

64:朝ぼらけ

朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木

65:恨みわび

恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ

66:もろともに

もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし

67:春の夜の

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそをしけれ

68:心にも

心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな

69:嵐吹く

嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり

70:さびしさに

さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮

71:夕されば

夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く

72:音に聞く

音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ

73:高砂の

高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ

74:憂(う)かりける

憂(う)かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを

75:契(ちぎ)りおきし

契(ちぎ)りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり

76:わたの原

わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波

77:瀬を早み

瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ

78:淡路島

淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜寝覚めぬ 須磨の関守

79:秋風に

秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ

80:長からむ

長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ

81:ほととぎす

ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れ

82:思ひわび

思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり

83:世の中よ

世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる

84:長らへば

長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき

85:夜もすがら

夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり

86:嘆けとて

嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな

87:村雨の

村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ

88:難波江の

難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき

89:玉の緒よ

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする

90:見せばやな

見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず

91:きりぎりす

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣片敷き ひとりかも寝む

92:わが袖は

わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もな

93:世の中は

世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも

94:み吉野の

み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり

95:おほけなく

おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖

96:花さそふ

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり

97:来ぬ人を

来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ

98:風そよぐ

風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける

99:人もをし

人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は

100:ももしきや

ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり

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