ピアノ・バイオリンなどの音楽系
最近の子は塾と習い事の併用は当たり前になってきています。そのほとんどはピアノ,野球,サッカー,ダンス,英会話,公文,そろばんといったもの。果たしてこれらは受験勉強と併用できるのでしょうか?
どこまで打ち込ませるかにもよりますが,多くの場合,併用は可能です。ただし,塾を優先して,勉強が遅れないようにする配慮は必要でしょう。あくまで息抜きと趣味の範囲として捕らえる必要があると思います。時々発表会やコンサートに行くほど本格的にやってらっしゃる方がいらっしゃいますが,それならば,そちらの道で生きていくかどうかを決める必要があるかと思います。
野球・サッカー・ダンスなどのスポーツ
併用が可能なのはギリギリ5年生まででしょう。5年生の段階で,成績に影響なく併用できているのであれば,小6では塾を優先する程度に留めて,やめる必要まではありません。
ただ,成績の伸び悩みや目標ラインまで到達できていないのであれば,速やかにやめて受験勉強に打ち込むべきだと思います。
もちろん,受験勉強だけが人生の全てではないので,併用させることにより,たとえ落ちたとしても人生勉強にするというのならば,それはそれで有効でしょう。
よく
「知り合いの○○ちゃんは併用しながら受かった」
という話を聞きますが,それは珍しい話だから耳に残るだけです。あまりにもそれが当たり前ならば,そんなこと耳に残らないはずです。つまり,ほぼ例外に近いことだから印象的に耳に残るのです。もしくは,受験の厳しさを知らないだけか。
いずれにしても無理とはいいませんが,何を最優先すべきかは考えた上で,結果に2つを求めないようにした方がよいでしょう。
英会話
不要です。趣味ならかまいませんが,中学校に入ったあとの足しとして考えるのならば不要です。慌てる必要はありません。中学受験組はほとんどみなやっていないのですから。
最近は英語受験という手段も出てきましたので,それを狙うなら有効でしょう。しかしその場合は英語に重きをおくか,中学受験のための勉強を重視するかは考えておいた方がいいでしょう。
公文・そろばん
これらはその後にも活かせる勉強です。しかしながら,これは車や自転車の変速機に例えると,「1速」です。いずれは「2速」にシフトアップしなければ,あっさり周りのみんなに追い抜かれてしまいます。
公文で「もう高校生の範囲まで進んだ。」などという話はよく聞きますが,それだけで学年トップを取っているという話はほとんど聞いたことがありません。1教科だけに特化していても受験では勝てないのです。
また,高校生の範囲まで進んだとはいえ,それはあくまで一部の単元に絞っての話であって,中学生の全範囲を満遍なく終わらせた訳ではないことに注意が必要です。
囲碁,将棋といったボードゲーム系
囲碁や将棋といったボードゲームは戦略を考える力を養えるため,そういった思考力をつけるには一役買うと考えられます。しかし打ち込み具合にもよりますが,これに打ち込むあまり勉強時間を確保できないようでは本末転倒です。もちろんこの世界でプロを目指すなら構いませんが,知育という意味ではやらせたから効果が出るというよりも,経験させることで土壌を作るのに一役買うといった程度に考えておくのがいいでしょう。
その他の習い事
基本的に私は習い事を否定しません。受験との併用もかまわないと思っております。ただし,受験には絶対確保時間というものが存在します。受験に受かるために最低限必要な確保すべき時間という事です。この勉強時間を切っている場合,最低限の知識が確保できずに,思考力だけではカバーできなくなります。つまり,合格は非常に難しいものとなるということです。
中学受験の場合,受験勉強が本格的に始まるのは小4からですから,ある一定以上のレベル(いわゆる難関)と呼ばれる所を狙うならば,受験勉強を最優先にすべきです。そういう学校を狙うわけではないのであれば,それなりの勉強時間の確保で構いません。また,人生経験という意味ならば,無駄な受験はまずないでしょう。
大切なのは何を重視するか
文武両道とはよく言ったものですが,文武両道は文武両道な親だからできることなのです。文武両道を知らない親が文武両道を身につけさせることは非常に困難。その場合は外的要因に頼るしかありません。つまり「運」です。
理想と現実は違います。理想を追うのも構いませんが,本格的に受験勉強をスタートするのであれば,優先順位をしっかりつけておくべきでしょう。最近はあれもこれもと習い事を抱えて授業が出られない時間が多いにも関わらず「成績が伸びない」というクレームを言う親が多いようです。それどころか自分の子どもが出られない時間に授業をするなという親さえいるようです。しかもこれは割と塾あるあるな出来事なのですから,受験もなめられたものです。合格を目指すなら授業時間は確保する。これは中学受験の常識です。私のように非常識なやり方を目指すのであれば,自分で中学受験の勉強ができるような勉強法を身につけさせてしまえばいいのです。これなら習い事をやっていて授業を受けられなくても,その分を自分で埋められますから。
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