友達が勉強の邪魔をする?
今回は友達との遊びの誘惑に負けて,勉強していないという子について。
この子の場合,友達に誘われるとすぐに遊びに行ってしまい,勉強をすっぽかす。
塾に行ってもすぐに友達と話して授業を聞いていない。
これも日能研ですが(^^;
本人曰く,「勉強する気はあるけれど,友達に誘われる,話しかけられるから」ということなのですが,何度言ってもやめられないと言います。
このような場合,どのような対策が考えられるか,診断でお話した内容をちょっとご紹介致します。
知らずに人を動かすピアプレッシャー
ピアプレッシャーという心理学の用語があります。
「ピア」というのは英語でpeerと書き,「仲間」という意味です。
ピアカウンセリング,P2P(ピアツーピア)といったピアも同じ「仲間」の意味ですね。
ちなみに子ども達からは「チケットピア」という単語が出てきたのですが,この「ピア」は単に響きがいいからつけただけで意味はないそうです。
さて,ピアプレッシャーの意味ですが,「仲間からの圧力」となります。
ある組織(仲間)が互いに互いを監視する状況にあるとき,その組織(仲間)のルールに従わなければならないと感じる精神的圧力(プレッシャー)の事です。
例えば社会人の場合ですと,営業ノルマを課せられて全員でそのノルマ達成のために頑張る。
そのノルマが妥当かどうかなんて根拠は考えずに,全体で「これがノルマだ!」って言われて,みんな何も言わずにそれに向けて頑張ってたら自分も頑張ってしまいませんか?
これがいわゆるピアプレッシャーです。
身近なピアプレッシャー
ピアプレッシャーそのものは,良いとか悪いとか評価するものではありません。
いい結果を生む事もありますし,悪い結果を生む事もあります。
例えば勢いがあって業績が伸びている企業は良い方に働いているのでしょうし,ブラック企業なんていうのはピアプレッシャーが悪い方に働いている典型でしょう。
休むなら代わりの人を自分で探して用意してね,とか,仕事を休むような熱意のない人はいらない,とか。
こういうのは典型的なブラック企業型ピアプレッシャーですね。
ではこのピアプレッシャーが教育の場においてどこで使われているのかと言いますと,やはり部活が顕著ですね。
1人単独で活動する部活は珍しいですし,文化系の部活であっても作品を持ち寄って,みんなで話したり,出展したり,締切があったりと,やはりどこかで「みんなと一緒」にという気持ちが働いています。
友達とのコミュニケーションも一種にピアプレッシャーが働いているのではないでしょうか。
仲間意識から共に行動し,約束をし,遊ぶ。
これら「仲間意識」「他の人の視線」が関係するものは,基本的にピアプレッシャーが働いていると思って間違いありません。
勉強におけるピアプレッシャー
あちこちに影響を及ぼしているピアプレッシャーですが,勉強に関してはないのでしょうか?
例えばみんな宿題を当たり前のようにやってくる。
こういう環境で自分ひとりだけが宿題をやらないというのはプレッシャーです。
だからみんな当たり前にやっている事はやろうとします。
しかしスレてしまったり,みんなやらなくなったりしてくると,自分もいいやという甘えが生まれます。
ピアプレッシャーが破綻している状況ですね。
こうなるとみんな勉強しなくなります。
このように勉強に関するピアプレッシャーは,何かのきっかけで簡単に失われてしまいます。
ピアプレッシャーの継続
これをどう維持していくかが難しい所ですが,ある程度意識的にピアプレッシャーをコントロールしていけるようになると,勉強に関してもうまく活用できます。
そのひとつが塾です。
塾というのはそれぞれが工夫して,その塾のポリシーに基づき学習環境を作り上げています。
そのため,その環境に入ってそれが当たり前となれば,勉強する事も当たり前になってきます。
家庭で与えるピアプレッシャー
もちろんご家庭でもピアプレッシャーを活用する事ができます。
ただ,どうしても年頃の子は,新しい環境からのピアプレッシャーに影響を受けやすいので,余程絶対的な影響力を与える関係でない限り,なかなかうまくはいきません。
兄弟関係はうまくいきやすい事もあります。
いずれにせよ,環境は非常に重要です。
環境の質がピアプレッシャーの質にそのまま影響してきますからね。
「それが当たり前!」という環境に入れてしまえば,大抵その流れに乗ってくれます。
逆にいえば,「どういう環境なのか?」はとても重要な要素の1つと言う事です。
ピアプレッシャーから逃げている状態の子をピアプレッシャーを活用して追い立てている塾に入れても意味がないのです。
塾が合っているか,合っていないのか,気になる方は学習法診断をお申込み下さい(^^)/

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