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予言の自己成就
予言の自己成就のお話ですね。
この方は以前からブログを読んで下さっており、変えなきゃと思いつつもここまで来てしまったとおっしゃっていました。
小5まではブログに書いてあることを実践しようと頑張っていたようですが、小6になり、受験が目の前に掲げられて、気持ちの制御ができなくなってしまい、学習法診断の申し込みをなさりました。
さて、先程も話した「予言の自己成就」についてお話しましょう。
これは、たとえ根拠のない予言(噂や思い込み)であっても、その予言を信じて行動することによって、結果として予言通りの現実がつくられるという現象のことをいいます。
アメリカのマートンという社会学者が「予言の自己成就」と名付けました。
意味は言葉通りです。
予言したものを、無意識のうちに達成してしまうという意味ですね。
さて、これを踏まえて考えてみましょう。
「こんな事じゃ合格できないよ!」
「きっと合格できるよ!」
成績は同じで志望校も同じ場合、どちらの声掛けをしたら合格する可能性があがるでしょうか?
もう一つ考えてみましょう。
「こんなんじゃ、もうダメかも知れないね。」
「もしかしたらうまくいくかもしれないね。」
さて、どちらの方が合格しそうな気がしますか?
実際、この二つの選択肢を並べて、
「どちらの方がうまくいく確率が高いと思いますか?」
と聞くと、
「『もしかしたらうまくいくかも知れないね。』と言われた方がうまくいく気がします。」
と答えるのです。
実際には、現状がわかっていないので、どちらがうまくいくかなんてわかりません。
ただ、投げかけの言葉だけで、うまく行きそうな気がする、ということです。
意味よりも言葉の印象が未来を決める
投げかけの言葉だけで、合格する確率が上がる気がする。
これが予言の自己成就のすごい所です。
本来は「自己」成就なので、自分で予言したことに対してなのですが、
「うまくいくかもね!」
と声をかけると、
「うまくいくといいな♪」
と前向きに解釈して、それが
「うまくいくようにしたい!」
と勝手に変換されて、予言が自己成就されやすい状態を作り出すのです。
些細な違いですが、こういうところで合格の可能性って上げられるのです。
「話す言葉なんていちいち気にしちゃいられませんよっ!」
と言いたくなるのもわかりますが、「見直しや問題をよく読め!」というのはいちいち気にしてますよね?
子どもに細かい事を要求するのなら、親も細かい事を気にして接してあげましょうよ・
なお、ブログ内にちょくちょく載せている塾生のコメントは、ノートやテキストに書いているものです。
ちょっと前向きな言葉をかけるだけで、こういう前向きなコメントが増えていくのです。
最も私の声掛けは根拠ありの言葉なので、それもあって自信につながっているところがありますが、根拠がなくても効果は十分出るものです。
そして実際、褒めても怒っても結果は大して変わりません。
なら、少しでも合格の可能性があげられる接し方をしてあげた方がいいのではないでしょうか?
気持ちだけでミスが減って、大逆転の可能性が生まれますからね。
というわけで、まずはお母さん自身が自分自身にプラス思考の言葉をかけてあげて下さい。
そうすれば子どももプラス思考になっていくでしょう。
子どもを思いのままに操る話術
「いくら『やりなさい!』と言っても反発されて全然やりません。何かいい方法はないでしょうか。」
早稲田アカデミー 小4 女の子の母
子どもと話をしていても、うまく自分の思う方向に話を進められなくてイライラすることも多いでしょう。
そんな時に知っているといい話術、ダブルバインドという心理学のテクニックがあります。
ちょっと子どもの気持ちになって考えて見て下さい。
「あなたは理科と社会、どっちが好きですか?」
はい、今「どっちだろう?」って考えた方、「理科かな」「社会かな」って考えた方、もしくはどちらか結論が出ている方。
すでにダブルバインドにはまっています。
この質問は「どちらか好きなものを選べ」と言っているので、「そもそも勉強が嫌いだ」という大前提があったとしても無視してるのです。
そして子どもにこういう質問のかけ方をすると、勉強が嫌いでも、大前提を華麗にスルーされたので、その中で好きなものを探し始める。
好きなものを探させているので、いつしか本当に好きになる。
だから「勉強嫌い!」から「理科は好き!」「英語は好き!」に変わってきます。
要するにダブルバインドというのは、二択の質問で、どちらを答えても本質的には質問者が狙った解答にはまってしまう。
そういう質問の仕方です。
オンライン授業での活用事例
ファイのオンライン授業では、こんな使い方をします。
「簡単だけど量が多い宿題か、難しいけど少ない宿題、どっちがいい?」
こういう投げかけを宿題を出す前にすると生徒は割と真剣に考えます。
「えー!?計算多いの大変じゃん!」
「でも難しくて解けないと時間かかっちゃうよ!」
この時点で子ども達はダブルバインドにはまっているのです。
頭の中は宿題をやる事前提に話が進んでいる訳ですから(笑)
こんな使い方もします。
「算数と理科、宿題を少なくするとしたらどっちがいい?」
まぁ大体「算数!」と答えるのですが、答えた時点で理科は宿題を多く出していい訳です。
子ども達が自分で決めたんですから(笑)
もちろん先生だけではなく、保護者の方でも使う事ができます。
「お風呂掃除と皿洗い、どっちやる?」
これはお手伝いする事を前提とした質問です。
「お風呂掃除して!」と言うと、「えー!?ヤダよー!」となりますが,「どっちやる?」と聞かれると、選択の余地が与えられ、しかも自ら選んだ訳ですから手伝ってしまうのです。
勉強させたいなーと思う時も、
「漢字練習か計算練習、どっちかやってから学校に行く事にしよう!どっちがいい?」
このようにに聞くと、やはりやる事は前提になっているので、選びさえすれば、強制しなくてもどちらかはやるようになります。
ね?
簡単でしょ?
ぜひうまく使って、子どもと喧嘩せずにうまく操って下さいね。
狙ったものを選ばせる
「毎朝、計算か漢字のどちらかをやろう、と言うことにしているのですが、ここ最近計算を嫌がって漢字しかやらなくなりました。ミスも多いし、計算をやってもらいたいのですが、やってくれません。なんとか算数をやらせる方法はないでしょうか。」
早稲田アカデミー 小4 母
まぁ算数はミスしたら直しをしなければならないし、朝は頭が働かないし、嫌ですよね。
一方国語は何も考えなくても、ただ埋めるだけですからね。
放っておけば漢字練習に流れるのは自然なことです。
こういう選択をさせるとき、自分で選ばせたのに、狙った算数を選ばせてしまう話し方があります。
「朝の練習なんだけど、計算と漢字どっちやる?あ、漢字はだいぶできるようになったから、練習じゃなくてテストにしようか。で、間違えた漢字は5回ずつ練習。あ、答えはちゃんと自分で調べてね。解答はないから。」
かなり露骨に書きましたが、要するに強弱をつけるのです。
こうすることで、ゆるい方に流れやすくなりますので、計算を選びやすくなります。
また、算数を選んだのは自分なので、嫌かも知れないですが、自分でやりやすくなります。
仮にこれでも漢字を選んだとしても、レベルアップしている課題なので問題ありません。
つまり、どっちを選んでも損しないのです。
このように、ちょっと傾斜をつけて、選びやすくすることにより、狙ったものを選ばせる手法をマジシャンズチョイスと言います。
言わない方が動きやすい
子育てをしていると、ついつい「あれしなさい」、「これしなさい」と言ってしまいがちですが、実はこういってしまうことにより、親自身も「こうしなきゃ!」「こうでなければいけない!」という縛りを作ってしまっているのです。
そのため、親自身がそのような縛りを作らないことが、柔軟な子育てを可能にする第一歩です。
また、子どもに何かやらせるにしても、やれというのではなく、何をするべきか、考えさせる。
もし「やれ!」と言ってしまうと、毎回言わないとやらなくなります。
しかし、やれと言わなければ、考えて自分でやれるようになります。
勉強で関われるのは、長くてもあと6年くらいでしょう。
その間、ずーっと子どもがやるべきことを親がチェックして、指示を出し続けますか?
親の手を離れたら、誰が指示を出しますか?
言いたくなる気持ちはよくわかりますが、直接的に言ってしまうのは、全く合理的ではないのです。
一時の感情に流されるのではなく、子どものためになる声かけをしてあげて下さい。
もしどう声をかけていいかわからない、という場合には、月1万円でアドバイスしています。
家での様子や困っていることをLINEで送るだけでOK。
そういう時はどうするといいか、ご家庭の事情に合わせてサポートしていきます。
どんなことができるのか、ぜひご相談下さい。
「わかってはいるのですが、ついつい『こんなんじゃ合格できない!』とか、『どうせまたミスばかりで成績下がるんでしょ!』などと、心にもないことを言ってしまいます。言ったところでどうしようもないことはわかっているんです。でも娘を目の前にすると、カッとなってしまい、ついつい言ってしまいます。何とかしたいとは思っているのですが…こんな私にアドバイスを頂けたらと思います。」
サピックス 小6 母