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音楽を聴きながらの勉強して大丈夫?「モーツァルトは頭が良くなる」の真実

勉強の効率を上げる音楽、下げる音楽

音楽全てがダメなわけではない?

お母さん

「何度言っても音楽を聴きながら勉強しています。集中できない気がするのですが、これで頭に入っているのでしょうか?」

東京都 中2母 ゆうこさん

学習法診断を受けた方からのご質問です。

これもよく質問される困りごとの1つですね。

会員の方からもよく相談されます。

今の親世代では、音楽を聴きながらの勉強は集中できないからやめた方がいいと言われていましたが、果たして本当に音楽を聴きながらでは集中できないのでしょうか。

実は音楽を聴いていたら絶対にダメ!というわけでもないのです。

今回は音楽と集中力との関連性についてお話していきましょう。

まず最初に音楽がいいか悪いかよりも、音楽を聴くと勉強の効率が上がるのか下がるのかという視点で考えてみましょう。

パンク・ロック系

パンクやロックなどのジャカジャカした曲はどうでしょう?

これを聞くと勉強への集中力が上がるという人はいますか?

ほとんどいないと思います。

テンションは上がるかも知れませんが、それを勉強に向けるのは難しいでしょう。

つまりテンションが高い、ハイテンポな曲は向かないという事になります。

バラード系

バラードのようななゆったりした曲はどうでしょう?

これは人によります。

全てのバラードがダメだというわけでもありません。

ただ聞き流す事が出来る人もいれば、聴き入ってしまう人もいるでしょう。

そのため、BGMとして聞き流せる曲なら大丈夫でしょう。

歌を歌いながら

歌を歌いながら勉強できるでしょうか?

これは子どもに聞くと、「できる!」と言い張るんですよね。

そこで実際に実験してみたことがあります。

方法はとても簡単。

好きな歌を歌いながらテストを受けてもらうのです。

結果、全員点数が下がりました!(笑)

ご家庭でもやってみて下さい。

ズルでもしない限り、点数が取れなくなります。

点数が取れないということは、集中できていないということ。

よって例外なくダメです!(笑)

歌いながら勉強はできません。

ただし、勉強用の語呂合わせソングは除きます。

あれはあれ自体が勉強になっていますからね。

カラオケ

カラオケの中で勉強というのをやっている子、実は結構いるのです。

主に高校生や大学生ですけどね。

カラオケは歌うためだけにあると思われがちですが、実は必ずしも歌う必要はありません。

新型コロナウイルスでテレワークが増えてからは、カラオケボックスでzoom会議をやっているサラリーマンも増えたぐらいです。

防音もしっかりしていますし、場所によってはドリンクバーがついていますし、実は結構仕事がはかどるのです。

私も使うことがありますが、Wi-Fiが用意されているところもあって、結構快適です。

ただし、これは部屋として快適なだけであり、カラオケボックスで歌を歌いながら、友達の歌を聞きながらの勉強はもっての外!

歌を歌いながら勉強するのと同様、はかどりません

カラオケを楽しむ女の子のイメージ

クラッシック・ヒーリングミュージック・ジャズ系

一時期α波や2分の1ゆらぎといったもっともらしい文言で頭にいいとして流行りましたね。

一般的なクラッシックは歌もなく、聞き流すことができるので、一見良さそうですが…

実はクラッシックは種類が豊富で、曲調がゆったりしたのからハイテンポな曲まで様々。

よってすべてがいいという訳でもありませんが、全てがダメという訳でもありません

レストランやバーのBGMに使われるような曲なら集中力は阻害しにくいでしょう。

レストランやバーでお客様の会話を阻害してしまったらまずいですからね。

あとは試してみるに限りますが、運動会で流れるようなハイテンションな曲、思い出がよみがえる曲は、クラッシックとはいえ、集中力を阻害する可能性があります。

テレビ・ラジオ

テレビ、ラジオは基本的に不可です。

つけっぱなしで勉強する方が集中できるという子もいますが、歌と同様に実際には全く集中できていません。

これはどちらも見てる、聴いている人、見ている人を引き付けるために工夫して制作しているものなので、一時的に集中できてもちょろちょろと注意をひきつける仕掛けが飛び込んできます

そのたびに集中力がそがれてしまいます。

ラジオで音楽番組を聴くイメージ

お経

お経。

お葬式の代名詞であり、ホラーや睡魔の代名詞でもあるお経。

抑揚が少ないメロディーなので一見大丈夫そうですが…?

はい、実際に試しました(笑)

まー集中力がそがれますね(笑)

というよりも、独特な雰囲気でそわそわしちゃう?

みたいな感じ。

しかしそれもしばらく続けていると違和感を感じずに勉強できるようです。

お葬式に何かしらの強い思い入れや感情がある方でなければ、ほとんどの人が意味を理解できないでしょうから、聞き流しやすいのでしょう。

むしろあの抑揚のない音程に眠気を感じる子も多いようです。

無音

完全に無音な状態というのはなかなかないため難しいと思いますが、実は完全無音に対して不安を感じる人が多いみたいなんですね。

よって完全に無音よりも、生活音程度はある方が落ち着けると言えます。

夫婦喧嘩

これまでの話から、夫婦喧嘩をしている隣で勉強なんてできる訳がない、ということはおわかりになるでしょう。

実際、子どもにアンケートを取ったところ、夫婦喧嘩をしていることが多いという家庭の子は、夫婦喧嘩は滅多に見ないという子と比べて成績が良くない傾向が出ています。

実際夫婦喧嘩と子どもの学力には相関性があるという研究もあります。

どうしても夫婦喧嘩をする時は、カラオケボックスでするか、

「チュンチュンチュンっ!!!」
「ピーチクパーチクっ!!!」

と、可愛い生き物の声で喧嘩して下さい(笑)

夫婦喧嘩の間で子供が困っているイメージ

集中できる音楽のまとめ

聴いて効果がある音楽、効果が下がる音楽

このように見ていくと、ある程度どういう音楽が良くてどういう音楽がダメか絞れてきます。

勉強中の音楽の選び方
  • ハイテンポ、ハイテンションの曲よりは、ゆったりした曲の方が集中しやすい。
  • 歌詞はない歌が集中しやすい。
  • 歌詞があっても理解できなければ集中しやすい。
  • 音量は軽く聞こえる程度が望ましい。
  • どうしても聞いていたい曲が歌付きのときは、オルゴールにする。

あとは性格や好みによっても左右されるので、実際に試してみながら考えるのがいいでしょう。

音楽を聴いた方が集中力が高くなる条件

実は音楽を聴いていた方がいい場面というのも存在します。

特に最近はマンションやアパートで生活する人も多く、生活音が気になりやすい状況になっているのは事実です。

音楽はそういう周りの音をシャットダウンしてくれる効果があります。

もちろん完全に音が消える訳ではありませんが、選挙の演説の声、蝉の声、兄弟姉妹の遊ぶ声,テレビの音、工事の音など、いわゆる多くの子が勉強の時に邪魔だと感じる音に関しては、音楽を流す事である程度緩和されます。

ちょっとした音が聞こえてくる、その程度がちょうどいいんですね。

川とか風の音とか、小鳥のさえずりとか、自然の音は集中力を高めます

逆に甲高い音や重低音、衝撃音や破壊音などは不快感を与えて集中力を途絶えさせます

結局のところ、音楽を聴きながらで集中しているならOK!集中できていないならダメ!という事です。

周りの環境がうるさいなと感じるなら、音楽を聴きながら勉強するのもありでしょう。

そうでない場合は、単に音楽が好きだからという理由で聞いている可能性があります。

好きで聴いていると聴き入ってしまいやすくなるので、あまり望ましくありません。

新人類、テレビっ子は?

時々例外的テレビっ子がいるんですよ。

正確にはテレビが好きというより、テレビをみんなで囲んでいるのが好きという場合が多いのです。

いわゆるお茶の間の団欒というやつですね。

そういう子は本当にテレビを見ている訳ではないのですが、テレビの音が流れていると安心するらしいです。

こういう子はテレビがついている方が集中できるそうです。

まぁ、主に精神的にお子ちゃまな甘えん坊に多いスタイルですが(笑)

音楽を聴いている中学生のイメージ

1/fゆらぎとは?

最後に1/fゆらぎについてお話しておきます。

別名ピンクノイズとも呼ばれる”雑音”ですが、自然現象に多く存在する音とされています。

それゆえこの効果をうたった商品は沢山あるのですが、実は科学的な証明はされていません。

しかし証明はされていないくても、実際に集中力が高まる効果は認められたり、リラクゼーション効果も認められたりしているようです。

プラシーボ効果というのも大きいかもしれませんね。

子どもに、

お母さん

「これを聴きながら勉強すると集中力が上がるって先生が言っていたよ。」

と言ってCDを渡せば、きっと喜んで

塾生

「集中力が上がった気がする!」

と言ってくるでしょう。

それでいいんです(笑)

思い込みから本当に効果が生まれてきますから。

例えばこういうのは「頭が良くなる」と書かれているので、プラシーボ効果抜群でしょう。

こういうCDの類は、ただ適当なクラッシックを流すのとは違って、集中力を切らさない曲を選曲して収録しているので、勉強しながらの聞き流しにはちょうどいいですね。

「モーツァルトの音楽は頭が良くなる」の真実

お母さん

「よくモーツァルトの音楽を聴かせて子どもを育てると賢くなるとか、集中力が増すとか言われますが、本当ですか?私自身、親が教育ママでモーツァルトの音楽を聴かされて育ちましたが、受験は失敗しました。娘には同じ失敗はさせたくないと思って色々と調べながら接しているものの、何が正しいのかわからず迷走してしまっています。そんな時に先生のブログを見つけたので相談させて頂きたく、連絡をさせて頂きました。」

東京都 第二次教育ママさん

実はこの世代の親が子どもだった頃、ゆとり教育への懸念から中学受験ブームが流行った時期でもあり、教育熱が高まっていた時期なんですね。

そんな中、流行っていた教育の1つが、クラッシックを聴かせる教育でした。

中でもモーツァルトの曲は勉強にいいとか、リラックス効果が高いという話は人気で、未だにその手の教育が用いられている場を目にします。

果たしてあれは一体なんだったのか。

本当にモーツァルトの音楽を聴かせることで効果があるのか、をお話ししましょう。

クラッシックの効果

クラシックはポップやロックといった音楽よりも学習に及ぼす影響は大きいと言われています。

実際様々な実験でクラッシックの効果が実証されていますが、どうしていいのかについてはまだわからないことも多いのです。

f分の1ゆらぎ

f分の1ゆらぎというのは、自然界に存在すると言われる一見リズム感がありそうな不規則なゆらぎのことを指すと言われています。

生命はこの自然界の不規則な動きに同調することでリラックス効果が得られると考えられていますが、このゆらぎの正体が何なのかまではわかっていません

しかしある種のゆらぎを持つもの、例えば水の流れる音や風が吹く音、ろうそくの炎のゆらゆらといった機械的ではない自然界の不規則なリズムにリラックス効果があることは研究によりわかってきています。

クラッシックにもこのゆらぎがあると考えられていますが,そのゆらぎとは何なのかはわかりません。

しかしクラッシックにリラックス効果があるのはわかっています。

その代表格がモーツアルトの曲で、自然界の音をヒントに作曲したためとか、リラックスしやすい曲調にしたら自然とゆらいだとも言われています。

しかし、実はこれには裏があります

クラッシックの研究対象として選ばれたのがモーツァルトというだけなんですね。

言い換えると、この段階では他の作者によるクラッシックは研究されていないのです。

よってモーツァルトがいいというのは、その研究の本来の内容ではなく、研究対象だったものだけが独り歩きしたと言えるでしょう。

A10神経の刺激

A10神経というのは、いわゆる興奮する神経回路のことで、喜怒哀楽をつかさどると言われています。

この神経が刺激されると、ドーパミンが放出され、興奮ややる気につながってきます。

ところがこのA10神経の刺激。

実はクラッシックではなくても、音楽全般で起こることがわかっています。

つまり、やる気を出すだけならポップでもロックでもいいのです。

むしろ「やる気」というところだけで言えば、歌詞がある、感情移入しやすい音楽の方がいいようです。

コンサートやフェスで盛り上がるのはこれが関係しているのでしょう。

もっともいくら気分が高揚しても、勉強につながらなければ結局成績には結び付かないのですが。

リラックス効果

歌詞を持たない曲が多いクラッシックは、文章として意味を理解するのではなく、メロディーとしての音楽を楽しむため脳が休まるのではないかと言われています。

実際通常時はもちろん、睡眠時もクラッシックを聞いていた方が睡眠の質が向上したといった研究は発表されていますが、クラッシックだからリラックスするわけではなく、リラックスしやすい場所にクラッシックが流れていることが多いために逆説的に結びついてしまっている可能性もあります。

特に今の30~60代の世代はクラッシックを聞きながら育った人も多く、クラッシックを聞くことで無意識に安心感につながっている可能性があります。

また、クラッシックにはリズムが突然変わるものが少ないため、思考を邪魔しにくいという効果はあります。

パンクとなるとガチャガチャして突然思考を妨げられることもありますが、クラッシックは滅多にそういう曲がありません。

プッチーニのオペラ曲はガッツリ歌が入っていますから該当しませんが、とりあえずクラッシックの枠で曲を選んでおけば外れる可能性は低いということです。

結局何が良いの?

正直信じるか信じないかの世界であり、クラッシックを聞いたから賢くなるわけではなく、勉強することが大前提のため、信じられるのであればやってみる価値はあるでしょう。

上記を踏まえた上でリラックス効果が期待できる音楽を考えてみると、

勉強に向いている音楽
  • 思考を邪魔しない音楽(歌詞や曲調で思考が中断されるのは不可)
  • 口ずさんでしまわない音楽(メロディだけであっても、聞くことに集中するのは逆効果)
  • かすかに聞こえる程度の小さな音量にできる音楽。(大音量で聞く必要がない音楽)
  • 流しっぱなしにできる音楽。(いちいち選んで再生では集中できない)
  • テンションが上がる音楽(勉強や作業ができないものは不可)
  • クラッシックやモーツァルトである必要はない。(集中できるなら何でもいい)

結局のところ、集中できる音楽というのは子どもの頃からの経験にも左右しますし、クラッシックが絶対というわけではない、ということです。

そのため、本人がそれで集中できるのであれば、乃木坂だろうがAKBだろうが、ベビーメタルでも嵐でも初音ミクでも、何でもいいのです。

ただし、本当に集中できているのか、客観的にデータを取って試してみる必要があるでしょう。

クラッシックを活用するためには

クラッシックはもう既に著作権が切れており、比較的安価、ほぼ無料で手に入るため、曲を手に入れるという意味ではいいでしょう。

また、世の中に沢山「クラッシックはいい!」という情報があふれているため、思い込みが働きやすいという効果もあります。

小さい頃からクラッシックに接して育てれば、よりそういう効果も高めやすいでしょう。

ただし、何度も繰り返しますが、クラッシックはあくまでリラックスのための手段であり、成績が良くなるための必須条件ではないため、王道をしっかりと押さえた上で活用するようにして下さい。

オススメ音楽の再生リストは、LINE公式アカウントで「音楽」と入力して下さい。

音楽を活用すれば、成績を上げられる!

メリット、デメリットを話してきましたが、要するにうまく使えば勉強の相乗効果が期待できる、ということです。

最も、子どもがどんな音楽が好きなのか、どういう音楽が集中しやすいのか、は過去の経験に基づくものなので、一律に同じ方法がいいとは言えません

結局ケースバイケースなところがあります。

そのため、どの音楽が良くて、何がダメなのかは一概には言えません。

ただ、一つだけ確かなことはあります。

何度言っても音楽を聴きながら勉強している、という場合には、その音楽をやめさせるより、有効活用した方がいい、ということです。

それをどう活用すればいいか、思いつかない方はファイのオンライン授業にご相談下さい。

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