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2019年7月:親子で学ぶ中学受験のための時事問題

目次

7月2日 TOEIC,共通テスト参加中止

2021年1月に始まる大学入学共通テストで活用される英語民間試験で、TOEICの運営にあたっている国際ビジネスコミュニケーション協会が、仕組みが複雑で責任を持った対応が難しいため共通テストへの参加を取りやめると発表。

大学入学共通テストとは、現行のセンター試験の後継のテストのことです。従来の問題を解く方式でなく、受験生に英検やTOEFLなど民間の資格・検定の中から、国が認定した試験を受けてもらう仕組みをとる予定です。4月から12月の間で入試用に2回まで受けられて、受験先の大学に提出されます。大学入試の指標があると、そのモデルケース合わせて勉強の仕方が変わってきます。時事性はありませんが保護者として今後の方針にかかわるので知っておくといいでしょう。

7月2日 税収,過去最高の60兆円

2018年度の国の一般会計決算が発表され、税収はおよそ60・4兆円となり、バブル期の1990年度の60・1兆円を超え、過去最高を更新。

世界的な経済の好調によって株式の配当収入が増え、所得税収入が押しあがりました。所得税は税収の中で最も大きい割合を占めています。見込み額よりも約4500億円上振れしました。このうち約4000億円がソフトバンクの東証1部上場による、親会社のソフトバンクグループが受けた配当金に対するものといわれています。ですので財務省は一時的な増収要因だと指摘しています。税収がどれくらいあるかは時事問題として出されることがあるため,60兆円という数字は押さえておきましょう。

7月3日 救急隊が蘇生中止可能に

総務省消防庁が、かかりつけ医が蘇生中止を判断できるとする報告書案をまとめた。

今までは救急隊が危篤状態の患者さんを放置したら殺人罪にもなりかねないため、本人や家族の意思に反してでも、蘇生を行わなくてはなりませんでした。今回報告案では、蘇生中止を認める具体的な基準は示していないが、隊員が現場でかかりつけ医に連絡して指示を得られれば蘇生をやめても問題ないと整理しました。現代では、必ずしも長生きすることがいいことではないという考え方も広まっていて、今の時代に合わせた意識を持つことに注目視されています。

7月5日 慰安婦財団 日本の同意ないまま一方的な解散

2015年の日韓慰安婦合意に基づき元慰安婦や遺族への支援事業を行ってきた「和解・癒やし財団」が解散登記を終え、正式に解散。

慰安婦財団は慰安婦問題日韓合意に基づいて,日本が10億円拠出することにより設立されたもの。2015年に朴槿恵(パククネ)政権の時に,「最終的かつ不可逆的な解決を確認」したもの。ここの「最終的な」の部分には,各種団体が不満を表明した場合であっても,韓国政府としてそれに同調せずに説得することとなっています。ところが韓国では文在寅(ムンジェイン)大統領になった途端,「法的拘束力のない政治的な合意だ」として一方的に破棄,さらに慰安婦問題を政府主導で次々とあおり,とうとう日本が拠出した10億円も返還する予定すらない状況となり,そのまま解散が決定しました。政治的な問題なので時事性は高くありませんが,日本と韓国がなぜこんなにこじれているのかは歴史に通じてくる問題のため,話しておけるといいでしょう。
なお,対立しているのはあくまで日本政府と韓国政府であり,日本人と韓国人ではありません。子どもに話すときは,ここはごっちゃにしないように,日本にいる韓国人を攻撃するようなことがないように話しをしておくことも大切です。

7月5日 犬の悲しげな表情は進化で獲得

は人間と暮らす長い歴史のなかで、目の周りの筋肉を動かして上目遣いの悲しげな表情を浮かべられるようになったという研究結果をポーツマス大学などのチームが発表。

犬はおよそ3万年前から人間と一緒に暮らしていたことがわかっています。そのなかで行動や体がどう変化したかを知るために、イギリスで飼い主がいなくてシェルターに保護された犬27匹と、犬の原種で動物園に飼われているハイイロオオカミ9匹を比べる実験をしたそうです。遺伝的にオオカミに近いシベリアンハスキーを除いて、犬は人間が近づいたときに、眉の内側を引き上げて上目遣いの悲しげな表情を見せることが多いという結果が出ました。目の周りの特定の筋肉の発達により、この表情ができるそうです。そして、犬のなかでも、この表情を頻繁に浮かべる方が、引き取り手が早く見つかる傾向があったという結果も出ています。研究チームは「眉を引き上げると目がより大きく見えて子犬のような目に見せる効果がある。保護欲をそそるだけでなく、人間がよりコミュニケーションを取りやすいと感じるようだ」としています。祖先の狼にはそういった発達は見られていません。時事性は全くありませんが,こういうネタは子どもが喜びそうなネタなので,ぜひ話のネタにしてみてください。

7月6日 百舌鳥・古市古墳群 登録決定

国連教育科学文化機関ユネスコ)の世界遺産委員会は日本が推薦していた「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」を世界文化遺産に登録することを決めた。

古墳群は、古墳時代の最盛期(飛鳥・奈良時代:4世紀後半~5世紀後半)に、当時の政治や文化の中心地の一つだった大阪府南部地域に築かれたもので、形も規模も多様なのが特徴です。墳墓としては世界最大級の全長486メートルを誇る前方後円墳大山古墳仁徳天皇陵)など百舌鳥地域の23基、全長425メートルの誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)など古市地域の26基の計49基となっています。この関連事項は非常に時事性が高いため,詳しくはブログにまとめてありますので,そちらをご覧下さい。

 ⇒ 仁徳天皇陵が世界遺産に!中学入試に強くなる話題の広げ方

7月7日 フランク・ロイド・ライトの建築群 世界遺産に

国連教育科学文化機関ユネスコ)の世界遺産委員会は、米国の建築家、フランク・ロイド・ライトの建築群を世界文化遺産に登録することを決めた。

フランク・ロイド・ライトは、アメリカの建築家であり、ル・コルビュジェ、ミース・ファン・デル・ローエとともに近代建築の三大巨匠の一人として数えられる、世界で最も著名な建築家の一人です。いずれもアメリカ内の8物件を構成資産としていますが、推薦書には将来の追加登録候補として、兵庫県芦屋市のヨドコウ迎賓館が挙げられています。日本では帝国ホテル自由学園明日館ヨドコウ迎賓館が現存する作品で、フランク・ロイド・ライトの作品が現存しているのは、アメリカ以外では日本のみとなっています。今回登録されたのはアメリカの建築物件だけですが,同じ建築家が建てた建築物としてヨドコウ迎賓館帝国ホテルを押さえておいてもいいでしょう。

7月8日 中国の世界遺産の登録数が同率で世界一位に

ユネスコ国連教育科学文化機関)の世界遺産の国別登録数が最も多かったイタリアに、ついに中国が追いつきました。国別の文化遺産、自然遺産、複合遺産の数をランキング化したのでぜひ見てみてください。日本は合計23個で12位です。

順位国名 合計 文化 自然 複合
1位 イタリア 555050
1位中国5537144
3位スペイン484242
4位ドイツ464330
5位フランス453951
6位インド383071
7位メキシコ352762
8位イギリス322762
9位ロシア2918110
10位アメリカ2411121
10位イラン242220
12位日本231940
13位ブラジル221471
14位オーストラリア204124
14位カナダ209101

7月8日 中村菫初段 公式戦初勝利

中村菫初段が日本棋院関西総本部で行われた第23期女流棋聖戦予選で、田中智恵子四段に146手で白番中押し勝ちし、デビューから2戦目で公式戦初勝利を挙げた。

中村菫さんは2019年4月に10歳という若さでプロデビューした棋士です。デビュー戦では敗れてしまったものの、デビューから2戦目で公式戦初勝利をあげました。最年少の記録は狙われることが多いので押さえておくといいでしょう。

7月8日 優性・劣性⇒顕性・潜性へ変更を示唆

高校生物で学ぶべき用語について、日本学術会議の分科会は、遺伝の法則の「優性劣性」という表現を「顕性潜性」と改めるよう提言する報告書をまとめた。

遺伝の特徴にすぎないのに、今までの表現では、優劣があるように誤解をしてしまう可能性があるために改訂しました。親世代の皆さんも「優性・劣性」と習ったはずです。新しいものは「顕性と劣性」となる予定です。時々授業で話して時事問題として出す先生がいらっしゃいます。時事として知らなくても,ジェネレーションギャップを感じる話題となる可能性があるため,知っておくと会話の際に役に立つでしょう。

7月9日 元ハンセン病患者裁判 政府は控訴せず

ハンセン病患者の家族への賠償を巡り,国に賠償を命じた熊本地裁の判決について,安倍晋三首相は控訴しない方針を表明。

ハンセン病とはらい菌という菌が原因で起きる感染症で,重症化すると顔や手足が変形します。日本では1996年癩(らい)予防法を廃止するまで隔離政策を続けましたが,実はハンセン病は感染力が弱く,隔離する必要はなかったのです。しかしその病気の性質と政府の隔離政策から怖い病気だという噂が広がってしまい,患者は差別を受けることとなります。また,実はこの隔離政策が制定されたのは1907年のことで,初代総理大臣である伊藤博文が生きていた頃の時代。100年近く医療の進歩に合わせずに放置し続けた法律によって差別を受けた患者によって裁判を起こされたというわけです。政府批判になりかねないため時事問題としては出題しにくいとは思いますが,時事性は高いため,病名と問題点は押さえておいた方がいいでしょう。

7月9日 ストレスが多いと乳がん悪化

国立がん研究センターなどの研究で、患者がストレスにさらされると乳がんが悪化するという関係性が解明された。

不安や恐怖、怒りなどのストレスがかかると、人間は交感神経の活動が活発になります。交感神経とがん進行の関わりは以前から疫学調査の結果などから指摘されていたのですが、詳細は不明でした。今回の研究チームは、乳がん組織内の交感神経に着目しました。国立がん研究センターで手術を受けた乳がん患者の組織を調べたところ、がん組織内の交感神経の密度が高い人は再発しやすかったという結果が出ました。さらに、マウスにヒトの乳がん組織を移植し、乳がん組織内の交感神経を刺激し続けて、2か月経過を見ると、刺激しないマウスと比較すると、がんの面積は2倍近く大きくなり、転移数も多いという結果になりました。遺伝子治療で交感神経の活性化を止めると、60日経ってもがんの大きさはほとんど変わらず、転移もしませんでした。
現在の技術では、子宮頸がん乳がんは早期発見で再発しないように治療ことが可能です。しかし検診に行く人がそもそも少ないので早期発見をすること自体が難しいのが現状です。時事性はありませんが,ピンクリボン運動も含めてぜひ話題にして頂きたいネタです。

7月9日 祖先渡来の再現実験成功

約3万年前、日本人の祖先が台湾からどう渡来したのかを探る国立科学博物館などのチームの丸木舟が、目的地の沖縄・与那国島の「ナーマ浜」に到着。

日本人がどこから来たのか実はいまだにはっきりしていません。諸説があり、今回は台湾から渡って来れたのかを当時の技術的に作れる丸木舟を採用して黒潮をわたる実験をしました。実際にわたることに成功したので、台湾が日本人の発祥の可能性もあります。私たちの祖先がどこの誰なのかを知ることに一歩前進しました。時事性はありませんが,歴史はこうやって地道に泥臭く解明しているということは,知っておくとどこかで話しのネタになる可能性があります。

7月10日 人口10年連続で減少

住民基本台帳に基づく今年の日本の人口が発表された。日本人は1億2500万人弱となり、前年に比べおよそ40万人減少。人口が1億2500万人を下回ったのは、1996年以来で23年ぶり。そんな中、日本に住む外国人はおよそ260万人で、およそ7%増加。総人口に占める割合は約2%で、2012年に外国人が住民基本台帳に記載されるようになって以降、初めて2%を上回った。

現在人口は2009年をピークに10年連続で減少していて、昨年1年間の出生者数から死亡者数を引いた「自然増減数」はおよそマイナス44万人で、12年連続の自然減少となってしまいました。一方で外国人は増えています。アジアの国の人を中心に,外国人に医療や漁業等の専門的な技術を教え,資格を取得した人は日本で働けるようにしているためです。以前と比べても外国人を見ることが多くなり,身近に感じる機会も多くなったと思いますが,今後は日本が労働不足になるためさらに外国人の割合が加速していくと考えられます。日本の人口は良く時事問題に出るため,折りに触れて押さえておきましょう。

7月11日 はやぶさ2が小惑星に再着陸成功

宇宙航空研究開発機構JAXA)ははやぶさ2が小惑星のリュウグウに着陸したと発表。

およそ46億年前の太陽系ができたころのままの砂や石を集める目的の「はやぶさ2」が2回目の着陸に挑戦しました。放射線や太陽の光で風化していない地下の物質を地球に持ち帰れれば史上初の快挙となります。しかし、初代はやぶさも見舞われたように、着陸は機体を見失ってしまうというリスクというが伴っていました。リュウグウは地球から約2・4億キロ先にあり,電波が届くのに片道13分半かかるため、はやぶさ2は地球からの管制を離れて自らの判断で降下して、予定通りのタイミングで着陸を成功させました。有人飛行は全くしていない日本ですが,最先端のロボット技術としてこういう所で活躍しています。地味ですが,日本の宇宙開発は何かやるたびに世界初が盛り込まれるため世界中が注目をしています。時事問題にもなりやすいので押さえておきましょう。

7月11日 VW「ビートル」、80年の歴史に幕

ドイツフォルクスワーゲンが小型車の「ビートル」の生産を終了。世界で唯一生産していたメキシコ中部プエブラの工場では生産終了を記念するイベントが開かれた。

ビートルナチスヒトラーが国策として始めた事業です。ヒトラー=大量虐殺というイメージが先行していますが,高速道路にせよ,自動車産業にせよ,ヒトラーの掲げた国策が今のドイツを作り上げている部分もあります。ヒトラーは凄い人だとかそういうことではなくて,この時代があって今に続いているという実感が持てるという意味で話題にできるといいでしょう。

7月14日 タピオカ不足

空前のタピオカブームに伴い、タピオカの供給が追いつかない状況が生まれている。

タピオカというのは、キャッサバの根茎を原料とするでんぷんです。すり潰して毒素を取り除いて、機械などで粒状の「タピオカパール」に加工して出荷されます。そのままでは純白で、味がないのですが、ドリンクなどに使われるタピオカパールは、カラメル色素やシロップで着色、味付けされています。アフリカなどの熱帯地方ではキャッサバを主食としている地域もあります。ドーナツ店「ミスタードーナツ」、ファミリーレストラン「ココス」などが、タピオカを使った商品の販売を始めました。しかし、このブームによってタピオカは品薄になっていて、仕入れ価格が高騰しています。日本ではかつて、フィリピン発祥の「ナタデココ」、イタリア生まれの「ティラミス」などがブームとなりましたが、その後、沈静化してしまった過去があります。そういった事情を見越して、「供給元の台湾の加工業者が過剰な設備を抱えないよう、増産に二の足を踏んでいるのでは」と関係者の声も上がっています。タピオカネタは先生の趣味にも左右されると思いますが,社会の仕組みを考えるにはちょうどいい題材ということもありますので,押さえておくといいでしょう。

7月18日 IAEA事務局長 天野之弥氏 死去

国際原子力機構IAEA:International Atomic Energy Agency)の事務局長である天野之弥(あまのゆきや)氏が2021年までの任期途中で死去。天野氏は2009年にアジアから初めて選出され,以来3期務めていた。

国際機関のトップを担ってきた日本人は少なく,普段話題にならないとはいえ,押さえておいた方がいいでしょう。入試やテストという事に関して言えば,IAEAという機関がメインとされる出題は少ないとは思いますが,IAEAは「核の番人」とも呼ばれ,原子力の平和利用の促進や核兵器の拡散防止を図っています。

7月19日 さんまの漁獲枠、55万トンで合意

不漁が続くサンマの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC:The North Pacific Fisheries Commission)の年次会合は、サンマの漁獲量に上限を設ける規制を2020年に導入することで合意した。

さんま回遊魚国境や領海,排他的経済水域は関係なく泳ぎます。そのため他国の排他的経済水域内で漁をしている分には何も文句を言えない現状があります。もちろん公海でも同じことです。2017年度はさんまの漁獲量が8万トンという記録的な不漁でした。平均的に20~30万トン前後で推移していましたが、漁業関係者によると主に公海で操業する台湾や中国が急速にサンマの漁獲量を増やしていて、「日本に回遊してくる前に先取りされている」との意見が多く出ていました。だからこそこの合意は凄い事となるので、公民の話題として押さえておくといいでしょう。

7月21日 参議院選終了

参議院選挙が行われ,改選定数124人が確定。自民党は57議席,立憲民主党は17議席,公明党は14議席,日本維新の会は10議席となり,自民党だけで単独過半数は取れなかったものの,自公連立(自民党と公明党の連立政権)という形で過半数を確保できた。

時事性は非常に高いので,選挙の名称(参議院選挙),過半数を取った与党の名称(自民党と公明党の連立政権)は押さえておきましょう。詳しくは以前の記事を参照して下さい。

 ⇒ 中学受験生の理解度は親次第:参議院選挙って何?

7月21日 陸上男子100m、日本人3人目の9秒台

ロンドンで行われた陸上のダイヤモンドリーグ男子100mで、小池祐貴選手が、日本歴代2位となる9秒98という記録を残した。

1964年に行われた東京オリンピックでは100mの世界記録は10秒06という記録でした。現在の日本人トップ選手の記録を持っていくと、7人もの選手の記録が世界記録となります。現役選手はその中でも4人が現役選手で3人が9秒台の記録を持っています。9.97のサニブラウン・アブデル・ハキーム選手,9.98の桐生祥秀選手,小池祐貴選手は名前も覚えておくといいでしょう。もう立て続けに3人も出たので,珍しい記録でもなくなってくるとは思いますが…こうして1人が初めての偉業を成し遂げると,後続者が次々と出てくるものです。最初の1人がいかに重要かが良くわかる事例ですね。

7月23日 ジョンソン氏 イギリスのメイ首相の後任に

ヨーロッパ連合からの離脱をめぐる混乱の責任をとって辞任するイギリスメイ首相の後任に、前の外相のボリス・ジョンソン氏が選ばれた。

ジョンソン氏は離脱前の総選挙や再国民投票には強く反対し、「EUが協定案を全く変えないなら、合意なしでEUを出るしかない」と訴えています。EUとの再協議の見通しが立っておらず、10月31日に「合意無き離脱」の強行のリスクが高まっています。前政権については以前触れてありますので、ぜひ読んでみてください。

 ⇒ 5月25日 メイ首相辞任へ

7月24日 佐川元財務相長官 不起訴

森友学園国有地売却問題を巡り,財務省の理財局長だった佐川宣寿氏は当時国会で虚偽答弁をし,文書改ざん問題で国税庁長官を辞任。その佐川氏が不起訴となった。退職金4500万円はすでに支払い済み。

改ざんはされただろうという見解ではありますが,違法性があるとも言い切れないという判断なようです。時事性は低いですが,トカゲのしっぽ切りの代表とも言える事例なため,世の中の現実,実情として子どもたちに話してあげるといいでしょう。理不尽な世の中の現実を知り,対処方法を一緒に考えることは,子どもの成長にもつながります

7月29日 女川原発1号機 廃炉に419億円

東北電力宮城県にある女川原発(おながわげんぱつ)1号機の廃炉計画を原子力規制委員会に申請。419億円をかけて34年かかる計画。

原子炉は廃炉すれば終わりというものではなく,廃炉自体でも放射性廃棄物が出る。今回の計画ではその量を約6千トンと見込んでいるが,その保管先は未定。二酸化炭素を排出しない夢のエネルギーとして一気に広めたが,その負債が今押し寄せてきていることは子どもと話しておいた方がいいでしょう。女川原発の読み方と場所は押さえておきましょう。

7月29日 オリンピック記念硬貨 「風神雷神図屏風」に決定

財務省は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを記念して発行する500円硬貨の図柄に風神雷神図屏風を採用すると発表。

「風神雷神図屏風」は,4枚の金ピカの屏風(びょうぶ)の向かって左上に雷神,右側に風神を描いた教科書にも登場する俵屋宗達の作品。江戸時代初期の画家で,「源氏物語澪標図」(げんじものがたりみおつくしず)も有名。社会で歴史が範囲の人は特に出やすい時事問題になりますので,確実に押さえておきましょう。

7月30日 日本の平均寿命 過去最高を更新

2018年の日本人の平均寿命が,女性約87.32歳男性約81.25歳となり,いずれも最高記録を6~7年連続で更新し過去最高となった。これは医療技術の進歩でがんや心疾患,脳血管疾患の死亡率が低下したためだと考えられている。なお,平均寿命1位は男女とも香港で,女性87.56歳,男性82.17歳となっている。

平均寿命の細かい数字まで覚える必要はありませんが,大まかに女性87歳,男性81歳となっている事は知っておくと便利でしょう。ちなみに平成の30年間で男女とも5歳ほど寿命が伸びています。この寿命の伸びについてはよく入試でも問われるので,押さえておくといいでしょう。

7月31日 最低賃金 東京と神奈川で初の千円越え

中央祭典賃金審議会は2019年度の全国最低賃金目安を過去最高の27円引き上げて901円にする方針を決定。東京と神奈川は初めて千円越えとなる。

最低賃金とは労働者に支払わなければならない1時間当たりの最低給与で,これを下回ると労働基準法違反となる。一時期ブラックバイトという,時給に換算されない業務として仕事をやらせたり,実労働時間で計算すると最低賃金を下回るといった労働が問題視されましたが,未だにそのようなバイトはコンビニや塾業界,飲食店を中心に存在します。こういったことは知らずにいいように使われている事が多いため,賢い大人にするためにも話題にしておいた方がいいでしょう。また,子どもはお金の感覚というものがあまりありません。特に大きな金額になればなるほど実感がわかず,別の世界の話しのように捉えてしまいます。最低賃金は比較的身近でわかりやすいはずなので,話題にして慣れさせておくといいでしょう。

7月31日 公文の先生は個人事業主ではなく労働者

フランチャイズ契約を結んでいる公文式教室の指導者が労働組合法では労働者に当たるかどうかが問われた審査で,公文側はフランチャイズは個人契約なので労働者ではない,つまり出店計画や働き方は自分で決めることができるため公文には責任がない,という考えだったが,労働委員会はフランチャイジーには実質的な権限はなく,くもんの経営方針に大きく左右されるとし,実質的な労働者との判断をした。

コンビニもそうだがフランチャイズ契約は近年どんどん増えてきており,そのフランチャイズの働き方を縛る本部側に責任を求める大きな一例となった。この問題自体が時事問題になることはないと思いますが,働き方として,何が問題になっているのか触れておくと経済を飲み込みやすくするきっかけにできるでしょう。

アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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