目次
時事問題の使い方・注意点
中学受験対策・高校受験対策・定期テスト対策としても使いやすいように重要度を表示しています。
☆:それ自体に時事性はないが、周辺事項は押さえておいた方がいい。
★:それ自体に時事性があるもの。
星の数が多いほど重要なことを表します。
覚えるためではなく、考えること、調べることを通して学力全般に通じる力を養うことを目的としています。親子で話題にし、子どもが自分の考えを持てれば十分なので、テストにしたり、わからないことを責めたりしないように!
改正道交法施行 自動運転中の携帯使用OK
4月1日:☆
昨年5月に新設された「レベル3」の自動運転の規定が施行。ドライバーは速やかに運転できることを条件に,自動運転中の携帯電話の使用、テレビの視聴を認めることになった。
ABC予想を証明
4月3日:☆
未解明だった数学のABC予想を京都大学の望月新一教授が証明。この証明が出されたのは8年前で,600ページに及ぶその証明は斬新さと難解さから専門家でも理解不能と言われ,証明が正しいことを認めるまでに8年もかかった。
ABC予想はフェルマーの最終定理,ポアンカレ予想と並んで有名な未解明難問でした。最も難しすぎるのでテストには出ませんが、子どもは未解決という言葉に弱いものです。世の中まだまだ未解決問題があるんだということを知るだけでも大きな意味があるでしょう。
初の緊急事態宣言 新型コロナウイルス
4月7日:★★★
政府は新型コロナウイルスの感染者が急増していることを受けて、緊急事態宣言を出すことを決めた。最初は7都府県だったが、その後16日には全都道府県に拡大。
非常に時事性が高い問題です。緊急事態宣言については、こちらの記事をご覧下さい。
オンライン診療 初診からの適用に拡大
4月10日:★
厚生労働省はスマートフォンなどを用いたオンライン診療を開始すると発表。新型コロナウイルスによる院内感染を防ぎ、医療崩壊を防止するのが狙い。オンラインによる初診料の診療報酬は2,140円とし、対面での診療報酬2,880円の4分の3に設定。
オンライン診療自体は1997年にへき地や離島などの医療が届かない場所に限って認められており、2015年には一般診療でも認められていました。しかし初診患者は原則として対面診療することとしていました。ところが新型コロナウイルスの拡大に伴い、解禁することを決定。
オンライン診療という用語も押さえておくべきですが、オンライン診療がなぜ今まで解禁されなかったのか、その問題点についても知っておいた方がいいでしょう。
与野党一斉退席 コロナ対策で
4月14日:☆
衆議院本会議での3密を避けるため、半数の議員を途中退席させる対応を取った。このような措置は現行の憲法下では初。
憲法には、本会議では議員の3分の1以上が出席していなければならないという決まりがあります。そのため、各党は出席する議員を割り当てて代表者とすることで、密集を避けた上で国会を成立させる措置をとりました。逆に言えば、オンラインを推奨している国が、オンライン化できていないということになります。最も法律に縛られているためそう簡単にはいかないのですが、何に対しても動きが遅いのは、ルールにしばられる日本らしい所です。これがいい面もあれば悪い面もあるため一概に言えませんが、このコロナ騒動での結果はどちらに転ぶのか、子どもと話しておきたい所です。
台湾 新型コロナウイルスの封じ込めに成功
4月14日:☆
台湾が3月9日以来、36日ぶりに新規感染者ゼロを達成。特に外出自粛は求めていないが、感染者や農耕接触者、海外から戻った人に対する14日間の隔離を徹底。罰金刑も科した。これにより大規模なクラスターの発生を封じ込めることに成功。
台湾はその後も封じ込めに成功しており、一時的に増加することはあっても、6月現在、台湾内での大規模な感染は確認されていません。
ところがWHOのテドロス事務局長は「台湾は国ではない」として会合には出席させず、コロナの封じ込めよりも中国に配慮した姿勢を見せたため、世界からバッシングを受け、アメリカ、ブラジルと脱退を表明する事態に発展しています。
コロナはまだ収まりそうもありませんが、それに乗じて中国共産党は様々な不法行為を仕掛けています。しかしそれに対抗する手段を持たないのが日本なのです。いつまでも遺憾砲で済ます日本の現状を子ども達はどういう目で見るのでしょうか。
賃料減額の大家の税を減免
4月17日:☆
新型コロナウイルスの影響で飲食店などの売上が大きく減っているため、店がテナントとして入っている賃貸ビルの所有者が賃料の減額や支払いの猶予を受け入れた場合、所有者の法人税や社会保険料の猶予、固定資産税の減額や免除を実施する方針を明らかにした。
中小企業に助成金を出すという話が出た時から、そのお金は賃料に消えるだけだという話になり、結局政府は賃貸オーナーを助けるだけなのかと揶揄されました。それに対して政府はオーナーにも負担をしてもらう方針を打ち出した形です。
しかしここでよく考えて頂きたいのは、不動産オーナーは本当に損しないのかという問題です。もし賃料減額に応じなければ、結局店が破綻して、借りてくれる人を探さなければなりません。でもそれもこのコロナ騒ぎで倒産している会社は多く、なかなか借り手がつかない可能性もあります。なら賃料を下げてでもいてもらう方がお互いにいいという場合もあるのです。
なお、ファイのオンライン授業では賃料を免除するという意見もありましたが、過去の例を振り返ってもそれはご法度です。例えば鎌倉幕府が滅びた原因は借金をなかったことにする徳政令が原因でした。過去に徳政令を出している幕府は、一時的に回復するだけで例外なく滅びています。こういう場合において、貸す側が損をする方法を取ると、かえって経済が悪化してしまうのです。結局お金持ちが得する社会じゃないかと思うかも知れませんが、それが資本主義。いくら綺麗ごとを言ってもそれが真実。お金の話はしっかり話してあげて下さいね。
改正家畜改良増殖法 和牛遺伝子は知的財産に
4月17日:★★
和牛の精液や受精卵といった遺伝資源も知的財産と位置づけ、海外流出の抑止をはかる「家畜遺伝資源不正競争防止法」と「改正家畜改良増殖法」が可決。長年の改良によって付加価値が高まった遺伝資源を保護するのが狙い。これにより遺伝資源の不正取得や契約の範囲を超えた使用、譲渡、輸出について、生産事業者は損害賠償を請求できるようになる。
牛に限らず、農産物も外国に盗まれる被害が出ています。しかし国をまたいで盗まれたものは、今まで泣き寝入りするしかありませんでした。しかしこの法律が成立したことで、安心とはいえませんが、訴えられやすくなり、抑止効果が期待できるようになります。
日本の農業・畜産業は最近入試でも注目を集め始めている話題のため、押さえておきましょう。
台風の進路予報 1日早く可能に
4月18日:☆
気象庁は台風の進路・風速などの予報を熱帯低気圧の時点で発表する方針を固めた。これはコンピューターの性能が上がったことから可能になった。
天気予報が今までよりも先まで予報されるようになったことをご存知でしょうか。気象衛星も新しいものが追加され、コンピューターの処理も向上してきたことから、より精度の高い予報をより早い段階ですることが可能になりました。
これに対して「もっと早い段階で先の予報ができたのではないか」という意見もあったようですが、いくら早く予報しても、それを活かすかどうするかを考えるのは人間。結局いくら早くから予報を出しても、「来てみなきゃわからない。」「どうせ外れる」と言って動かなければ何も意味がありません。
そんな馬鹿なことはないと思うかも知れませんが、日本の歴史において、わかっていたのに動かずに被害が拡大した事例は数多くあります。今回の新型コロナウイルスでも、早期から警戒して呼びかけている人はいましたが、他人事のように動かない組織・会社は山ほどありました。周りをみて動くのではなく、自分の判断で動ける子になって欲しいものですね。
全ての人に10万円給付
4月20日:★★
総務省は緊急経済対策に盛り込まれた現金10万円の一律給付を発表。国籍を問わず、住民基本台帳に記載されている全ての人を対象とする。
全員というのは生まれたばかりの子どもも含めてということのため、定期テスト等の時事問題で問われる可能性は十分にあります。
それ以外のシステムに関するものは複雑なため問われることはないとは思いますが、マイナンバーカードの存在は押さえておいた方がいいでしょう。
ちなみにマイナンバーカードを用いたインターネットでの申し込みを基本とするとのことでしたが、不備が多く、行政自体がネットを活用できていないという現状から、郵送による申し込みにしてしまう自治体も出てきました。日本はあっちこっちの顔色を伺いながら物事を進めるため、なかなか一気に改革をするのが難しい所ですが、やるなら一気に改革しないと使い物にならない悪い例となりそうですね。
阿波踊り 今年はすべて中止
4月21日:☆
新型コロナウイルスの感染拡大のため、徳島県の阿波踊りの中止が決定。4日間の祭りがすべて中止になるのは記録に残る限り初めて。
2018年には阿波踊りが大赤字だとして市は総踊りの中止を発表し、踊りてが強行するという事態になりましたが、2019年は実施。ところが台風で2日中止となったため、さらに赤字額が膨らむという踏んだり蹴ったりな状態。
ギリギリのところで存続している阿波踊りがいつまで続くのか。文化の維持がいかに難しいかを表す一つの事例です。国語でも社会でも文化の存続については話題になるので、危機的状況にあることぐらいはしっておくといいでしょう。
ロシア 対日戦勝記念日を9月3日に変更
4月24日:★
ロシアで第二次世界大戦の終結日を9月2日から9月3日に変更する法律が成立。ロシアは、北方領土は日本との交渉でロシア領になったと主張している。
9月2日というのは1945年に日本が降伏文書に調印した日でしたが、それを1日ずらしました。たった一日ですが、これには大きな意味があります。北方領土の内、択捉島・国後島・色丹島は9月1日までに占領されていますが、歯舞群島の占領は3日からなのです。
つまり、2日にしていると歯舞群島は終戦後に略奪したことになってしまい、自己矛盾が生じます。しかしそれを言うならば、そもそもロシア(当時ソ連)の「日本とは日ソ不可侵条約を結んでいるため戦争状態になかった。よってサンフランシスコ平和条約を結ぶ必要はない」という言い分も通らなくなってしまいます。もっともこれはヤルタ会談で密約されていたとのことなので、アメリカも口は出せず、正当な権利だけを主張しても効果はないでしょう。
終戦から70年以上立ちましたが、平和のために生み出されたはずの国際連合という組織は、結局やったものがちという仕組みを生み出しているのかもしれません。そういう世の中で、丸暗記で試験を突破してきた子が対等に渡り合えるのでしょうか。
国会議員歳費 2割削減法案 成立
4月27日:★
国会議員の歳費を1年間2割削減する改正歳費法が衆参両院の本会議で全会一致で可決。5月から議員1人あたりの月額約130万円が105万円に削減する。これにより総額約20億円が返納される見通し。年2回支給される期末手当(約320万円)、文書通信交通滞在費(月100万円)、立法事務費(月65万円)は減額しない。
歳費というのは議員の給料のことなので、一見すると給料を2割削減というように聞こえます。しかし一般サラリーマンの給料というのは基本給に加えて交通費、手当、残業代など全て加えたものを言うのに対し、議員は歳費以外に支給されます。つまり、歳費とはサラリーマンでいう所の基本給に当たるものなので、実際の年収は合計すると4,000万円)を超えるため、5%にも満たない減額だと言われています。
日本の議員の給料は世界の議員の給料と比べても突出して高いと言われています。これに対して不平不満を言う人が多いのも事実ですが、その代表者を選んでいるのが国民自身であることも事実。納得いかないのであれば、みんなで声をあげて変えるしかありません。ところが日本は社会が嫌いな子が多く、選挙にすら行かない人が多く、政治に興味を示さず、それが結果的に今の政治を作り出しているのです。
子ども達の「社会が嫌い」は、勉強としての社会が嫌いなだけであり、こういう話にはかなり食いついてきます。こういうところからでも興味を持てば勉強するようになります。難しい言葉が沢山出てきますが、一緒に調べて話してあげて下さい。
なお、ファイでは社会が大好きになると好評の時事問題の解説する授業も提供しています。ぜひご利用下さい(^^)/
自動運転は以下の6段階に分類されます。
これについてはどこまでコンピューターに任せていいのか、どこからがコンピューターの責任になるのかといった部分で,度々国語の題材になっています。ちょっと考えるきっかけにしてみるといいでしょう。