目次
難関校では必須の中東問題
中学受験では狙われる!
イスラエルとUAEが国交正常化しましたね。
そして最近ではスエズ運河を封鎖しなければならないような事故も起きました。
アフガニスタンから米軍が撤退するというニュースもありましたね。
中東情勢は歴史の近代史、そして公民の世界情勢に絡んでくる単元。
さらに現在まで続いている戦争があり、時事性の高い出来事でもあるため、入試においても難関校ほど狙われる傾向にあります。
それゆえファイでは中東問題が関係してくるニュースのたびに、オンライン授業にて解説し、気にかけやすくなるようにしています。
もっとも難しい話が多いため、難関校やここを範囲とする定期テストでなければ、そんなに難しい内容まで突っ込んで出題されることはないでしょう。
しかし、日本も第四次中東戦争の影響を受けてオイルショック(石油危機)が起きています。
これは小学生、学生の教科書にも載っている超重要な出来事。
デマでトイレットペーパーが消えたという、新型コロナウイルスと同じようなことが起きたことで有名な出来事です。
また中学受験では、サピックス、日能研、早稲田アカデミーは難関狙いなので、テストでも割と突っ込んだ所まで出てきます。
話題にしようと思わなければスルー出来る話題ですが、きっかけがあれば一緒に話して考えて欲しい話題の1つ。
複雑に入り組んでいる中東情勢ですが、大きく5つに分けると見えやすくなってきます。
- ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の関係。
- 短絡的なイギリスと国連の提案。
- 英仏のジャイアニズムとエジプトのスエズ運河国営化。
- アメリカとの癒着によるイラン王族の腐敗とイラン革命。
- 気に入らない国を攻撃するアメリカと、そこから武器を借りるイスラム教。
これらを紐解けば、中東問題は簡単に理解できます。
なお、この問題は単なる宗教問題だけではなく利権や陰謀も絡んだ難しい問題なため、誰が正しくて誰が間違っているというのはありません。
みな自分が信じる正義のために戦っています。
そしてオンライン授業でも、生徒の数だけ意見が出ます。
それでいいのです。
誰が正しいとか、誰が間違っているとか、大切なのはそこではありません。
大切なのは、自分の意見を持てること、です。
なので、子どもと意見が違うからといって、攻撃しないように注意して下さい。
登場人物と関係国
ユダヤ人
ユダヤ教の人々。
キリスト教、イスラム教はユダヤ教が派生して誕生した宗教にもかかわらず、あっちでもこっちでも迫害を受ける。
特に第二次世界大戦時のナチスヒトラーによるホロコースト(ユダヤ人迫害)は酷く、ユダヤ人は国を追われて散り散りに逃げた。
追われたユダヤ人は、イギリスに勧められてユダヤ教の聖地であるエルサレムへ向かうが…
アラブ人
イスラム教の人々。
イスラム教は人数も多く、宗派も多い。
テロを起こす過激派もあるが、それはごく一部。
イスラム教は元々がユダヤ教のため、聖地もユダヤ教と同じエルサレム。
国連
世界の平和を目指しているが、世界の混乱を生んでいるのも国連。
何が正義で、何が悪か、は常任理事国の意向で決定される。
特に中東問題に関しては、イギリス、フランス、アメリカが気に食わないと敵にされる傾向にある。
エジプト
イスラエルのお隣さんの国。
スエズ運河という貿易の超重要拠点を握っている。
一見関係なさそうだが、第一次中東戦争の時から戦争に巻き込まれていて、領土をちょいちょい奪われている。
イラン(ペルシア人)
皇帝がアメリカと仲が良かったが、宗教的な問題と政治腐敗からイラン革命が起きてアメリカとの仲が悪化。
また中東の周辺国とも度々いざこざが起こるため、核兵器の開発計画を立ち上げ、制裁を受けている。
なお、核開発アピールを外交手段として使い、実際に開発を行っているらしいが、成功してはいないらしい。
北朝鮮とも仲良し。
イラク
サダムフセインがアメリカと仲がよかったが、やりすぎで攻撃を受けることに。
この時にアメリカが聖地であるエルサレムを踏み荒らしたことでイスラム教の非難を浴び、イスラム過激派とアメリカが対立することに。
タリバン(アフガニスタンのイスラム教勢力)はその過激派をかくまっていたことから、アメリカと対立することになった。
流れを重視して超簡単に説明すると
第二次世界大戦にて
「ユダヤ人を全員殺せ!」
ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)
「ギャー逃げろー!
でもどこに逃げればいいの!?」
戦後からイスラエル建国まで
「とりあえず、聖地エルサレムがあるパレスチナに来たらどう?今はうちが治めてるから大丈夫だよ。」
「ありがとう、そうさせてもらいます。」
行って見ると以前から住んでいるアラブ人が!
「なんだなんだ!?聞いてないぞ?ここは俺たちの土地だ!出ていけ!」
「まぁまぁ。みんなで仲良くしましょうよ。とりあえずここはユダヤ人の土地にして、こっちはアラブ人の土地、でここは私たちが管理しますね。」
「ありがとう。じゃあここはイスラエルっていう国にしますね。」
イギリスの後押しでイスラエル建国
戦争勃発
「ふざけんな!勝手に決めるんじゃねぇ!出ていかないなら武力攻撃するぞ!」
「ごめん、あかんかった。まとめられないわ。国連さんよろしく!」
国連に丸投げ!
「え!?そりゃないよ…」
「まぁとりあえず落ち着いて。とりあえずパレスチナを3つに分けましょう。こちらをユダヤ国家。こっちをアラブ国家。で、ここは国連が管理するというのはどうでしょう?」
「よくわかってないのに口出すな!国連のルールでは、取られたら取り返していいはずだ!おいイスラエル、戦争だ!」
「えぇ!?イギリスさんがいいって言ったから来たのに(>_<)」
第一次中東戦争(独立戦争)
「なんか勝っちゃったので、ここの土地もらいますね。」
イスラエル軍が勝利してしまい、アラブ人の国とするはずだった土地を占領。
これによりイスラエルはアラブ人を追い出したため、パレスチナ難民が発生。
「ちくしょー!ならイスラム圏にいるユダヤ人は全員出ていけ!」
ユダヤ人国外追放
エジプトのスエズ運河国有化
エジプトとフランスは共同で出資してスエズ運河を完成させ、2国の出資による株式会社として運用。
ところがその巨額の出資のため、エジプト経済は破綻。持っていた株を手放すことになり、イギリスの財政管理下におかれた。
これにより、スエズ運河はエジプトの株式会社だが、実権はフランス、イギリスが握っている状態に。
そして第一次世界大戦でイギリス、フランスが気にいらない国は通行を禁止するという措置が行われ、スエズ運河の実験をイギリス、フランスに持たせたままにしておくと、好き勝手に支配されるという現実に直面。
「イスラエルさんが運河をはさんですぐ向こう側まで侵攻してきましたね。また、イギリスフランスとも仲良くしているし、このままではスエズ運河も乗っ取られかねない。スエズ運河を国有企業にして、イギリス、フランスには手を引いてもらいましょう。」
エジプトがスエズ運河を国有化。
これにより、イギリス、フランスはスエズ運河の利権を失うことに。
「なんかエジプトがスエズ運河を国有化して、俺らから利権奪おうとしてるから手伝ってくれない?」
「いいですよ。私たちも、もうちょっと土地が欲しいので、手伝いましょう。」
第二次中東戦争(スエズ戦争)
エジプトを始めとするアラブ諸国の支援で、イスラエルに占領されたパレスチナを開放すべく結成されたPLO(パレスチナ解放機構)が、対イスラエルゲリラ闘争が拡大。
「イスラエルさん、ちょっと調子乗りすぎでしょ。あなたがエジプトまで侵攻してくる理由はないはずです。そこまでするならインド洋への出口、封鎖させてもらいますよ。」
チラン海峡封鎖
「そうですか、ならこっちにも考えがあります。」
イスラエル軍はエジプト、シリア、ヨルダンなどのアラブ諸国を攻撃。
第三次中東戦争(六日間戦争)
イスラエル軍はわずか6日間でシナイ半島、ガザ地区、ヨルダン川西岸、ゴラン高原などを次々と占領し、旧エルサレム市街を制圧。
「そこまでするなら覚悟できているんでしょうね。もう手加減しませんよ!」
第四次中東戦争(ヨム・キプール戦争)
ヨム・キプールとは贖罪(しょくざい)日という意味で、一年で最大の祭日。
そんな日に奇襲攻撃をされたイスラエル軍はひとたまりもなかった。
しかし…
「ぐはっ…やられてしまいましたか。まぁいいでしょう。イスラエルさんも最初に痛手を負ってますし、これ以上戦いたくないでしょう?もうやめにして、平和条約を結びませんか?」
「そうですね、これ以上戦うのも難しそうですし、他の国にもにらまれそうなので、もうやめましょう。」
のちにイスラエルはシナイ半島を返還し、エジプト・イスラエル平和条約が締結されるが、この時点ではあちこちから攻撃を受けて疑心暗鬼になっているため、すぐに撤退とはいかず、小競り合いが勃発。
「さすがにイスラエルの行動は目に余りますね。今後、イスラエルを支援する国は敵とみなし、原油価格を4倍の値段で買って頂きましょう。」
第一次石油危機(オイルショック)
日本もイスラエルを支援していたため、このオイルショックの影響を受けることに。
イラン革命
中東問題に対してアメリカをはじめとする国連が介入する中、イラン皇帝はアメリカと癒着することで私腹を肥やしていた。
イランの宗教であるイスラム教シーア派の最高指導者であるホメイニ氏が、欧米にヘコヘコして贅沢をする皇帝を批判。皇帝がホメイニ氏を国外追放したことで、国民も皇帝を非難。これにより皇帝はアメリカへ逃亡し、アメリカは匿った。
「なんか皇帝ばかり贅沢しすぎでしょ。アメリカにヘコヘコしてばかりで、俺らの生活は全然豊かにならないじゃん!」
イラン革命⇒第二次石油危機
イラン革命によりイランでアメリカ大使館占領事件が勃発。
アメリカが亡命した皇帝をかくまったため、反アメリカが強まる。
アメリカと皇帝は一体何をしていたのか、とアメリカ大使館に押し寄せて占拠。
この時の大使館の脱出劇は「アルゴ」という映画になっています。
その後革命によりイラン=イスラム共和国が成立。
これにより石油会社が国営化され、第二次石油危機に。
サダムフセイン
「イランで内乱が起きてるぞ!石油資源のいいとこどりばかりしてるし、宗教も気に食わなかったんだ。いっちょやるか!」
アメリカ・イギリス
「イランの内乱は国民のためにも良くないしね。大使館占領事件もあったしね。安定させるためにも必要かもね。うん。イラクさんに武器を供給するよ。頑張って。」
イラン=イラク戦争
サダムフセイン大統領
「おいクウェート。お前の所もよこせ!」
クウェート侵攻
アメリカ・イギリス
「いやいや、やりすぎ!どうしてクウェートまで取っちゃうの!それはダメだよ!」
湾岸戦争
アメリカと西側諸国による多国籍軍がイラクを攻撃。
このとき、イスラム教徒にとっては聖地であるメッカやサウジアラビアに軍を展開。
アルカイダ(イスラム教過激派)
「なんでアメリカが他国の宗教に口を出して聖地荒らしてんだよ。大体おまえらはキリスト教だろ。さっさと出て行けよ。」
アメリカ同時多発テロ:2001年
ウサマビンラディン率いるイスラム過激派テロ組織アルカイダが、アメリカの航空機をハイジャックし、世界貿易センタービルに突っ込んだ。
また、この時同時にハイジャックされたのは合計4機で、2機が世界貿易センタービルの北棟と南棟へ、1機はアメリカ国防総省(ペンタゴン)へ、1機はワシントンDCへ突っ込む前に墜落した。
この事件をアメリカ同時多発テロといい、9.11テロ事件とも言います。
「やられたらやり返す!倍返しだ!アルカイダを支援している国は全員敵だ!」
「おいアフガニスタン!お前アルカイダかくまってるだろ。ビンラディンを引き渡せ!」
「はぁ!?言いがかりつけるなよ!てか、9.11がビンラディンがやったという証拠見せろよ!」
アフガニスタン紛争:2001年
これにより、当時アフガニスタンの政権を取っていたタリバンは壊滅させられ、アメリカ主導で民主国家が作られることになった。
20年後の2021年に、アメリカのバイデン大統領は約束通り米軍を撤退させ、そのタイミングで勢力を復活させたタリバンが政権を奪取することに成功。
「おい、イラクのフセイン大統領!お前、大量破壊兵器を作って、アルカイダに売ってないか?」
サダムフセイン大統領
「いやいや、作ってもないし、売ってもいないから。」
「なら査察を送るから見せてみろ。」
サダムフセイン大統領
「ヤダね。」
「やっぱり隠れて開発してるな!?テロ支援国家に指定してやる!」
イラク戦争
アメリカは報復として、アルカイダを支援する国をテロ国家と指定して攻撃。
イラクも大量破壊兵器を製造しているとして攻撃され、フセイン大統領は逮捕、死刑となった。
しかしいくら探しても大量破壊兵器は見つからなかった。←重要!
大切なのは流れの視覚化
結局、子どもが分からないのは流れが見えていないからです。
流れが見えると、何てことなくつながっていくんですね。
ファイのオンライン授業は子どもが興味を持ったところから深堀りすることで学んでいく方法なため、こんな難しいニュースでも日常的に扱っています。
そのため、社会に対する理解も会話レベルも圧倒的に高くなるのです。
これは特に難しい方法ではありません。
保護者の方でも簡単に真似できるのです。
しかしご家庭でうまくいかないのであれば、ファイへご連絡下さい。
月1万円から学習法アドバイザーを行っております。
日々の接し方を変えるだけでも、お子様の成績は結構変わるものです(^^)