ご相談内容
「サピックスに通っているのですが,わかっていない所が多すぎて日々の復習すら間に合わず,プリバート(サピックス準拠の個別指導)をつけていました。わからないところを教えてもらい,勉強をスムーズにできればと思ったのですが,一年経っても『わからない所がわからない』と言って質問せず,結局復習を手伝ってもらっているだけという現状です。」
ハッキリ言って重症
この手の「わからないところがわからない」といった話はよく聞きます。
しかしこれは本当にわからないのではなく,単にわかろうとすることから逃げているだけなんですね。
例えば今,あなたに専門違いの専門書を与えたとします。
そうですね,例えば…
「転写制御とエピジェネティクスについて」
なんていかがでしょう?
と言われてわかる方いらっしゃいますかね?
わかってしまう方はきっと専門職の方なので,そういう方はあくまで専門外の専門書だったら,という事にしておいて下さい。
おそらく読んで見て下さいと言われて渡されて,理解できる人はそういないはずです。
きっと読み終わった後の感想を聞かれたら
「全然わからなかった。」
と答えるでしょう。
逆に,主婦の方に
「ちょっとした工夫でお金が貯まる,経済の仕組み」
みたいな本をお渡しすれば,興味があって読む方はいらっしゃるはずです。
そして全部は理解できなかったとしても,少しぐらい読んで理解できるはずです。
この違いはなんだと思いますか?
そう,「興味」です。
興味がない事は,読めと言われても理解できないのです。
よって「全然わからない」となってしまいます。
つまり,いくら親が頑張っても,子ども自身に理解する気がないのです。
方法は3つ
したがって,
「全然わからない」
「どこがわからないのかわからない」
と言ってくる状態の子に対しての対応は3つ。
- 誘導しながらどこがわからないのか一緒に探る。
- 強制的に考えざるを得ない状況を作る。
- 興味を持つきっかけを与える。
最終手段として放置するという方法もありますが,これでは点数が取れないので今回は外します。
1,2に関しては我々プロが使う手法なのでこれも今回は置いておきます。
ご家庭でも出来るのは3の「興味を持たせる」です。
一番手っ取り早くて簡単な方法が,きっかけだけ与えて放置する方法です。
例えばPHIの場合,チェックテストを実施します。
点数をみんなの前で公開してしまいます。
後は放置(笑)
やりなさいとも何とも言いません。
やるかやらないかは自分で考える事です。
きっかけは与えました。
悔しいと思えば勝手にやるでしょう。
そして何にせよ興味を持てばわからない所が見えてきます。
特にPHIでは常日頃
「先生は勉強のやり方は教えます。でも点を取るのはあなた達です。点が欲しければ勉強しなさい。」
と言っています。
そのため子供たちは,点が欲しければ自分で勉強するしかない事は分かっているのです。
だから子ども達に
「どこがわからない?なにを教えて欲しい?」
と聞けば,ほぼ必ず
「ここを教えて下さい!」
と言って来ます。
なぜ見えなくなったのか
これはPHIの子ども達に限った事ではありません。
PHIではそういう状況を作り出す工夫をしているだけで,本来誰でも,興味を持っている物に関しては,自分がどこがわからないのか,ちゃんとわかっているのです。
点が取りたい子も,ちゃんとわかっているのです。
ではどうして「どこがわからないのかわからない」なんていう状況を作ってしまうのでしょうか?
興味を失わせている何か,があるからです。
先ほども申しあげたとおり,本来子供は何にでも興味を持つものなのです。
それが興味を持てず,成績も上がらないという悪循環にはまっている。
何が興味を失わせているのでしょうか?
ここから先はご自身で考えてみて下さい。
答えは人によって違いますからね。
ただ,多くの場合,興味を失わせている原因は親です。
特に親の言動と態度。
興味を失わせるのは一瞬ですが,興味を持たせるのはとても大変ですからね。
十分お考えになって接してあげて下さいね(^^)/
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