質問
「0.2625を四捨五入で上から2桁の概数にするといくつになるか,という問題で,0.がなぜ上から1桁目にはいらないのかが納得できません。」
解答:0.26
有効数字という考え方
有効数字というのは,誤差を考えたときに,どこまで有効な数字と考えていいかを表した数です。
例えば定規で長さを図ったときに,5.2cmピッタリであることは稀で,5.2cmよりも少し長いか短いか。
そこで目盛りの10分の1まで目分量で読み取ることにし,5.25cmくらいかな,と読み取った数字を有効数字といい,この場合は有効数字3桁となります。
これをメートルで表したとき,0.0525mとなりますが,理科ではこのように表記せず,5.25×10^(-2)mと表します。
「^」は累乗(〇乗)ですね。
もしkmで表すなら,5.25×10^(-5)kmとなります。
いずれにせよ,一桁目に数字を入れて,位は後ろの10のマイナス〇乗で調整して表します。
1桁目の0の意味
この子は上から2桁なので,0を1桁目として考えて,「0.3」を答えとしていました。
しかし,最初の0は桁数に含めないのです。
その理由は,最初の0は存在しないことを表す0だからです。
先程の有効数字で,「0.00…」では表さず,〇.〇〇×10のマイナス〇乗で表すと話しましたね。
これは上の位の0を書いても,値として意味を持たないからなんですね。
例えば先程の5.25cmをkmになおして,「0.0000525kmだから,四捨五入して0だ!」などとやる意味がありますか?
これでは四捨五入ではなく,ただ単に1kmからみたら,5.25cmは無いに等しいといっただけです。
だから最初の0は値としてはカウントしないのです。
よって0.2625の2桁とは,26を指し,四捨五入するのは右側の2.
だから0.26になるのです。
子どもの「納得いかない」を拾う大切さ
こういう問題はついつい「覚えろ」と言ってしまいがちですが,やはりそこにはちゃんと理由があるのです。
質問してきたこの子も,全て丸暗記する勉強スタイルの子でしたが,このようなところに疑問を持てるようになってきました。
「納得いかない」なんて,とてもいい傾向です。
子どもが納得いっていないものを覚えさせても長くは続きません。
今回の質問も,単元的には高校生,大学生の実践的な学問の内容ですが,わかってしまえば大したことありません。
子どもの「納得いかない」は強引に押し進めず,一つずつ解決していってあげて下さいね(^^)/
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