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中学受験が楽しくなる、世界恐慌は経済として教える歴史の勉強法

ファイの社会の授業

教科書に書かれていないところが面白い

塾生

「世界恐慌って何?なんでウォール街で株価が暴落すると世界中が不景気なるの?」

世界恐慌とは何か。

これは教科書にも一応載っているのですが、本質的な所が抜け落ちていて概要のみになっているため、テキストに沿って普通に勉強すると何が何だかわからなくなるところ

今回は小5の中学受験生と中2、中3に行った社会の授業を紹介しましょう。

お母さん

「小5だとまだ歴史をやっていないから、世界恐慌は全然わからないのでは?」

と思うかも知れませんが、そんなことないんですね。

世界恐慌ぐらいの歴史なら割と現在にも直結している話なので、ちゃんとつないであげればイメージしやすいのです。

そのため小学生でも中学生に負けないぐらい発言と質問をしてきました。

ファイでは学年に関係なく、受けたい授業を受けていいので、子どもが本当に興味があることを学ぶことができます。

学年を超えてどんな授業をしているのか聞かれることも多いので、実際に指導した内容を紹介しましょう。

テキストには書かれていないポイント

まず世界恐慌がいつ起きたのかは押さえておきましょう。

第一次世界大戦と第二次世界大戦の間ですね。

これも暗記ではなく、どうして起きたのか、その経緯を知っていればすぐにわかります

そして第一次世界大戦の関係国であるドイツ、イギリス、フランスと、傍観者であったアメリカが大きく絡んできます。

教科書ではこの部分が書かれておらず、

通常の教科書の説明

「アメリカのウォール街で世界恐慌が起きて、世界中が大不況になった」

という説明で終わってしまいます。

これだと丸暗記になってしまうんですね。

押さえるべきポイントは以下の通りです。

世界恐慌で押さえるべきポイント
  • ウォール街とは何か。
  • 世界恐慌の発端となった出来事は何か。
  • どうして世界恐慌にまでつながったのか。
  • そもそも株ってなに?
  • その結果何が起きたのか。

です。

世界恐慌のノート

ウォール街って何?

塾生

「ウォール街って何?ウォールって壁だよね?」

ウォール街のウォールとは、その名の通り「壁」です。

オランダの東インド会社が現在のニューヨークに来た時、インディアンやイギリス人と度々対立したことから、防衛のために壁を建設していた街なのです。

今は壁はありませんが、その名残は道路に残っています。

そこで材木の取引を行っていたことをきっかけとして、証券の取引へと発展していきました。

現在の証券取引はスマホでもできてしまうため、株の現物を見たことがないと言う人も多いと思いますが、当時は実際に現物を使って取引していたんですね。

子ども達はそれも知らないため、ウォール街で世界恐慌が起きたというのがピンとこないのです。

世界恐慌の発端となった出来事って?

塾生

「戦争に直接参加していないのに、なんでアメリカの経済は悪化したの?」

これも直接的に書かれていないテキストが多いため、突然発生したみたいな感じで覚えている子も多いのですが、発端となったのは第一次世界大戦です。

第一次世界大戦でドイツが負け、賠償金を支払わなければならなかったけれど、支払うお金を稼ぐための産業がない

そこでアメリカがドイツにお金を貸し、ドイツはそのお金で工場を作って儲ける。

するとイギリスやフランスに賠償金を払える。

イギリスやフランスは第一次世界大戦の時にアメリカから武器や兵器を買うお金を借りていたので、ドイツの賠償金の中から返済する。

アメリカはドイツからもイギリス、フランスからもお金をもらえて儲けられる!

はずだったのですが、アメリカが急成長したきっかけの産業は兵器や武器だったんですね。

戦争が終わってしまえば売れなくなるため、ドイツに貸し付けるお金(資本)がなくなってしまったのです。

ということは、ドイツも賠償金を払えず、イギリスやフランスもアメリカに返済できない。

この負のスパイラルでアメリカ経済は急降下してどん底まで落ち込んだのです。

どうして世界恐慌にまでつながったの?

塾生

「アメリカが不景気なると、なんで世界も不景気なるの?」

この部分も教科書には書かれていません。

もしくは本当にサラッと書いてある程度です。

だからみんなそういうものだと覚えさせられる。

でもちょっと考えればすぐわかるはずです。

アメリカの会社は売る予定だったもの(兵器)が売れなくなるだけではなく、貸したお金も返って来ない状態になりました。

そのため会社は給料を払うことができず、従業員を解雇

従業員を解雇すると商品を作れないだけではなく、開発も販売もできなくなり、さらに売り上げが減少。

結果的に倒産となったのです。

このきっかけとなった代表的な会社がGM(ゼネラルモーターズ)です。

この会社はアメリカでも最大級に大きな会社で、つぶれることはないと言われていた会社でした。

そのため安心して株を買う人が多かったのですが、この不景気の流れを受けてGMすらも倒産するのではないかと恐れられ、投資家がどんどん売却。

これによりGMの株価は80%も下落してしまいました。

アメリカを代表する大会社の株価下落にショックを受けた人々が、他の会社もつぶれるかも知れないと思って、次々と株を売却。

株を売却されると、その会社の資本は減ってしまい、新たな事業ができなくなり、次第に売り上げが減少し、また倒産。

これがアメリカ国内で連鎖倒産に発展しました。

この状態に驚いたのはアメリカだけではなく、アメリカと関係を持った国々。

自分の所も不景気のあおりを受けまいとして、各国が様々な経済対策を打ち出します。

しかしそれがさらに不安に拍車をかけて、世界中に不景気の波が押し寄せました

そもそも株ってなに?

塾生

「そもそも株ってなに?」

そう、一番大切なのはこの部分なのです。

でもこの内容がしっかり出てくるのは公民の単元なんですね。

だから歴史では説明もなく習うことになってしまうのです。

これだと暗記になってしまうので、ファイでは関連事項は話しを脱線させてでも膨らませていきます

ということで、せっかくなので株についてもお話しておきましょう。

授業で習うのを待っているとつまづく可能性が出てきますので、ご家庭で折に触れて話しておくといいでしょう。

株と言うのは、応援したい会社に資金を提供した時にもらう引換証みたいなものです。

例えばディズニーランドを応援したいから、ディズニーの株を買うことにします。

話す時の注意点

正確にはディズニーの株というのは日本ではオリエンタルランドという会社になるのですが、子どもにはわかりにくいため、ディズニーという会社があることにした方が楽でしょう。また、株価も細かい数字を気にするとわけわからなくなるので、キリがいい適当な数を使った方が理解しやすくなります。

ディズニーを例にした株の説明方法例

ディズニーを応援したくて株を1万円で買ったとします。

すると買った人にはディズニーに入るためのパスポートが1年間に1枚送られてきます。

今は1DAYパスポートが7千円以上しますから、1万円出して株を買って、毎年1枚無料で来るなら、2年で元が取れる計算になります。

ところが株の場合はそういう計算ではなく、みんながどれだけ応援したいと思っているかで金額が変動します。

例えば、アラジンの映画効果でディズニーを応援したいという人が増えた場合、株の数には限りがありますから、高い値段で買ってくれる人に株を売りますよ、ということになるわけです。

そうして株に10万円の値段がついたとしましょう。

このときにあなたが1万円で手に入れた株を誰かに売れば、あなたは9万円も得することになるのです。

ところが株は逆のことも起きます。

例えば、ディズニーはブラックバイト問題が多発しているので、もう応援したくないな、という人が増えた場合、株は売られていきます

するとディズニーとしては何とか買って欲しいため、値段をどんどん下げていくんですね。

買ってくれないと、新しいアトラクションを作るお金が少なくなってしまいますからね。

しかし値段を下げても売れなかった場合,ディズニーは新しいアトラクションを作れなくなってしまいます。

すると何回行っても同じことばかりとなって飽きられてしまい、次第に売り上げも低迷。

設備を綺麗に保つこともできなくなり、さらに入場者数も減少。

すると売上が下がっていき、倒産してしまいます。

この辺りは経済の基本的な考え方になる部分なので、実際に身近なものを使ってたとえ話から入ると理解しやすくなります。

リアルな数字を使ってもいいのですが、よくわからなくなる可能性があるため、イメージしやすい適当な金額にしておくのがいいでしょう。

ちなみにファイではリアルな数字を使い、実際に計算して見せました。

数字がリアルなのでわかりづらくはなりますが、理解できれば子ども達も興味があるので食いつくんですね。

これが実感できれば経済はしめたものです。

世界恐慌が起きてどうなったの?

世界恐慌が起きて、お金を返せなくなったドイツにヒトラーが誕生します。

ヒトラーはそのカリスマ性からトップへ上り詰め、イギリス、フランスに

ドイツ

「賠償金を支払いたくても支払えないから、第一次世界大戦で手放すことになった工業地帯をもう一度ドイツに戻して欲しい。」

ナチスのヒトラーより

とお願い。

イギリス、フランスとしても賠償金が入ってこないと自国もダメになってしまうことから占領を黙認。

結果的にドイツはこの工業地帯を手に入れたことをきっかけとして、経済力を急伸!

そのまま世界に喧嘩を売って第二次世界大戦へとつながっていきます。

世界恐慌は第一次世界大戦と第二次世界大戦の橋渡し的な事件なので、前後関係も踏まて関連付けておくと全体像が見えやすくなってきます。

ファイではこのように、一般的な塾や学校の枠を超えた授業を行っています。

もちろんこんなところまでは入試に出てきません。

しかも教科書にはない難しすぎる内容です。

しかし子どもの興味があれば理解できてしまうんですね。

そして理解できると広げたくなるもの。

こうして自分で勉強できるようになっていくのです。

受験に偏った塾に疑問を持っているなら、ぜひファイへご連絡下さい(^^)/

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