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人工衛星はなんで落ちて来ないの?

宇宙に興味を持てば必ず訪れる疑問

なぜ人工衛星は落ちてこないのか。

人工衛星が宇宙に浮かんでいるというのを小4くらいで習うと、子どもは必ず疑問に思うのがこれ。

この人工衛星の原理を理解するだけで、重力遠心力力のつり合い空気抵抗摩擦エネルギー損失人工衛星の役割GPS弾道ミサイルと言った科学に関する広い範囲に関連付けができます。

机上で学ぶとバラバラな知識になる内容が、ひとまとめで学ぶことができるのです。

これを使わない手はない(笑)

もし興味を持ったら大チャンスです!

その時に備えてちょっとお話しましょう。

先日も塾生の疑問から授業をしましたので、子供の疑問を基に紹介します。

なんで落ちてこないの?

この塾生は、ファイにくる前にいた塾で「重力と遠心力が釣り合って…」という説明を受けたらしいのですが、今思うとよくわからないとのことでした。

そういう場合はキャッチボールの話をすると大抵の理解してくれます。

ボールを投げると、ボールは放物線を描いて落ちていきます。

これを図に書かせます。

これを間違える子はあまりいません。

次のそのボールをもっと遠くに投げたらどうなるか、を書かせます。

すると線を伸ばして遠くへ飛んでいる図を書きます。

人工衛星はなぜ落ちてこないのか、の原理

もっともっと遠く、というと、直線にしてしまうので、「落ちてこないのはおかしいでしょ」と突っ込みます。

そして今度は地球を書かせます。

縮尺を変えて、地球規模の図にするということです。

この状態で投げたボールがどうなるかを書かせると、ボールは落ちているのに、地球も丸いから落ちても落ちても地球とぶつからない、つまりボールが地面にないことを実感できます。

これが人工衛星が落ちてこない原理です。

専門用語を使うと?

地球には重力があり、人工衛星はそれにひかれて落ちてきます。

しかし人工衛星に速度をつけてあげると遠心力が働きます。

これはバケツの中に水を入れて振り回しても水がこぼれないのと同じ原理ですね。

重力は下に働きますが、バケツを回すことで発生する遠心力が、水をバケツの底に押し付けるのです。

この2つの力の内、重力の方が大きければ、人工衛星は次第に落下してきます。

遠心力の方が強ければ、地球の外へ飛び出して行ってしまいます。

丁度いい具合に釣り合わせる(速度をつける)と、落ちもせず、飛んでいきもせず、回っていられるのです。

空気抵抗ってなに?

これは走っている車の窓から、ちょっと手を出して見れば感じることができるでしょう。

※やるなら絶対に危険がないように、安全確保をした上で、自己責任において行って下さい。

空気にも重さがあり、動くことで空気がぶつかってきて、それが速度を落としてしまうのです。

これを空気抵抗と言います。

この空気抵抗があると、人工衛星もブレーキがかけられてしまうため、速度が落ちていって落下してしまうのです。

よって人工衛星を処分するときは、ただ速度を落とすだけで、次第に落下していくのです。

なお、地上に落ちる前に燃え尽きてしまうようになっているはずです。

事故や計算ミスがなければ、の話ですが。

人工衛星の役割って?

様々な役割がありますが、押さえておいた方がいい役割としては、気象観測GPS

気象衛星ひまわり

日本の気象衛星は現在、ひまわり7号、ひまわり8号が運用されており、2022年からひまわり9号が運用される予定です。

名前の由来は、ひまわりがいつも太陽の方向を向いているのと同様、いつも地球の方を向いているから。

ひまわりは上空約35,800kmを地球の自転速度と同じ速度で回っており、移動しない事から静止衛星と呼ばれます。

その撮影範囲はなんと全球。

もちろん日本付近の静止衛星なので、地球の裏側にあたる、ヨーロッパやアメリカ大陸は見えません。

逆に言えば、日本を中心とする半球は見ることができるのです。

そしてその解像度は、なんと500m!

全球を見渡せる位置からでも、拡大するとディズニーランドが見えるくらいまで拡大できるということです。

まぁハッキリ見えるわけではなくて、ディズニーランドが点数個分として見える程度ですが、これを身近なものに置き換えたらそのすごさがわかるかと。

1mm程度の隙間がある1cm程度の大きさの文字(小学校1年生の教科書の文字)なら、70m先から読めるということになります。

GPS

GPS(Global Positioning System)というのは、上空にある数個の衛星との位置関係から、今どこにいるかを出すシステムです。

震度から震源の場所を出すのと同じような原理です。

GPS衛星は静止衛星ではなくずーっと移動していますが、日本上空を考えた場合、大体6~10個程度は電波を受信できるようになっています。

時々GPSの計算を元にした入試問題が出るので、計算の概要だけでも学んでおくといいでしょう。

なお、GPSの誤差は10m程度で、他のシステムと組み合わせることで数cm単位の誤差にまで縮めています。

日本の運用する準天頂衛星システム(GPS衛星)は「みちびき」といい、4号機まで運用されています。

地球から見える?

例えばISS(国際宇宙ステーション)はどこを飛んでいるかもリアルタイムで公開されているため、割と見やすいでしょう。

しかも年間を通じて結構な頻度で見ることができます。

双眼鏡で見れば形が分かるぐらいなので、初心者向きです。

他の人工衛星については、見えることもある、といった程度です。

正直空を見上げているだけでは気付きにくいでしょう。

なにせ星と違って自ら光っていませんから。

太陽の光を地球に向けて反射している時しか見ることができません。

速度は人工衛星によりますが、割と早く動く衛星も多いため、空をじーっと見上げていると、他の星との位置関係が変わってくる光を見つけることができます。

それが人工衛星。

カメラでシャッターを開放して取るとか、タイムラプスで取るとハッキリわかります。

下の写真の線が人工衛星ですね。

 ⇒ ISS(国際宇宙ステーション)についてはこちら(^^)/

人工衛星の軌跡

弾道ミサイルってなに?

その名の通り、弾が飛んでいく道のような飛び方をするミサイルです。

銃弾は発射されると、その後エネルギーを得ずに重力に任せて飛んでいきます。

つまり、発射時点で方向、打ち出す強さ、天候を計算に入れて発射しなければならず、一度発射したら修正がききません

北朝鮮がやたら弾道ミサイルの実験を繰り返していますが、正確に打ち出すには高度な技術が必要なのです。

仕組みは簡単なので理解させたいところ

人工衛星にせよGPSにせよ、今の最先端技術なのでそれなりに難しい技術ですが、根本となる技術自体は小学生でも理解できる内容です。

しかし親が説明するとなると、説明自体は大丈夫でも、子どもが理解できるように話せるかは別問題

ハードルは高いので無理する必要はありませんが、喧嘩にならない程度に話して興味を持たせられれば、受験にも十分生きてきます

ファイではこのように子ども達の興味から授業を展開しています。

ガツガツ問題を解かせるのも構いませんが、子供の興味からでも十分受験に通用できるようになるものです。

うまくいっていない方は勉強スタイルをガラッと変えてみませんか?

ファイの教育論はこちらから(^^)/

アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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