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塾が類題や演習を何度もやらせたがる本当の理由

塾が類題や演習をやらせたがる本当の理由

宿題が回らなくなった理由

長期休みが終わったことで、まとまった時間がなくなり、「今までの負債が解消しきれなかった」とか、「また回らなくなってしまった」というお話を聞くようになりました。

その要因となっているトップ3が、

  1. 宿題の量(繰り返し)が多い
  2. ルーティンワークが多い
  3. 覚えるものが多い

です。

宿題の量が多い理由は以前お話ししましたので、今回は類題や 演習といった 似たような問題を繰り返して解く、もしくは同じ問題を繰り返しておく、といった 繰り返しに関してお話し致します。

また、それに対してどのような対処法をとると他の受験生を出し抜くことができるのか、についても、実例を挙げながら紹介していきます。

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類題演習を繰り返す本当の理由

繰り返しをする本当の理由は以下の通りです。

  1. 演習は見ているだけなので指導が楽。
  2. 家でわからない問題、解けない問題が出にくい。
  3. 指示が出しやすい。

繰り返しをさせる理由について、塾側の言い分 としては、「何度も解かせることで定着を図る」とか「解くスピードを上げる」、「様々なパターンに対応できるようにする」と言った目的が示されます。

しかし実際には何度も解かせなくても定着を図ることはできますし、解くスピードは最低限 あれば十分ですし、様々なパターンに対応しなくても、その場で対応できる力さえあれば十分とことができます。

つまり、塾がやらせている方法を取らなくても、同じ目的を達成することはできるということです 。

ではなぜ塾はどこも右へ倣えで同じような方法をとるのでしょうか。

その理由は子どものためではなく、塾側の儲けるための理屈が大きく関係しているのです。

その理由を一言で言ってしまうと、断然 コスパがいい、ということです。

塾の先生にとって一番負担が大きいのは、未習単元を教えるとき、です。

そのため、どこの塾でも、新しい単元を扱う時に一番力を入れていると言っても過言ではありません。

しかし、毎回新しい単元をやっていると、先生の負担が大きくなってしまいます。

そして先生の負担が大きいことは、給料や運営コストに影響してくるため、塾は極力負担を減らしつつ、なおかつ売り上げは確保したいということになります。

そこで考えられたのが演習の時間です。

確かに先生が教えたすぐ後に全く同じ問題をやらせることで定着しやすくなるのは事実です。

しかし本来、定着させるのは家で自分でやればいいだけの話であり、実際それができる子の方が習得率が高い傾向にあります。

難関クラスになればなるほど、授業内での演習がほとんどなくなるのもそのためです。

また、受験が近くなるにつれて、演習講座といった感じで、授業時間内でテスト形式の問題を解いて、先生がちょろっと解説するだけの授業が増えていきます。

これも先生の負担はほとんどなく、売上を上げる手法としてよく使われます。

演習を見ているだけなら先生はいつも担当している講師ではなくても問題ないため、持ち回りで行なったり、新人講師に担当させたりします。

しかしこれも家で自分でテスト形式でできるようになっていれば、この授業は不要になります。

お母さん

「家でできないから、塾で管理してもらうしかない気がするのですが…」

とおっしゃる方も多いのですが、ここにもちょっとした裏があります。

それは「家でできなくしているのは誰か?」ということです。

それが塾であり、それに載せられた親なのです。

塾は根本的に家で自分でできるようにするための指導はしていません。

もしそれをやられると、売上が激減してしまうからです。

顧客には頼ってもらわないとならないので、塾を必要としなくなるような指導はしないのです。

要するに何度もお話してきている養殖教育です。

つまり他の受験生から抜き出たければ、養殖教育からの脱却が必須なのです。

どんなに頑張っても、飼われているいけすのレベル以上にはなれないのです。

ではどうやって脱却すればいいのでしょうか。

これも簡単で、塾が足元を見て稼いでいる部分を、子ども自身でできるようにしてしまえばいいのです。

つまり、「繰り返さない」ということです。

多くの方が、受験勉強は同じ問題を繰り返して定着させないと、できるようにならないと考えていますが、実はそんなことはありません。

1回で習得できる勉強方法を身につければ、繰り返す必要がなくなるのです。

これについても例に事欠かないのですが、早稲田アカデミーに通っていた子で印象深い子がいましたので、その子の実例を紹介しましょう。

実例紹介

この子が早稲田アカデミーに入ったのは小4からだったのですが、それ以前からくもんや受験向けのドリルを小1より前からやってきている子でした。

この子のお母さんの勉強方針が繰り返すことで、基本的にテキストやドリル類は書き込まず、ノートに繰り返し解いていました。

その繰り返しの回数は、最低3回

それでも覚えられていなければ5回は繰り返すものでした。

合格点もお母さんが決めており、そこに到達していなければ、何回でも繰り返しを行っていました。

小3までは100点が合格点で、その子も100点になるまで繰り返すのが当たり前になっていました。

ところが早稲田アカデミーに入ると、いくら繰り返しても100点が取れなくなってきました。

正確には、全教科100点にするには時間が足りず、繰り返しの回数も不足していきました。

お母さんは合格点を90点、80点と下げて、なるべくまんべんなく勉強できるようにしていこうとしましたが、100点を取れるまで繰り返すことが習慣化していたため、子どもが100点を取れないまま次にいくことを拒否し、同じところを繰り返す日々になっていったといいます。

しかし算数は5回繰り返しても100点が取れなかったため、お母さんは理科や社会の暗記ものを繰り返すことで、100点を取らせて行く方向にシフトしようとしました。

子どもも、「もう算数が嫌だ!」となってしまい、泣きじゃくりながら同じ問題を何度も繰り返している状況だったため、何とか説得して理社の暗記を繰り返すようになっていきました。

そうこうしているうちに、偏差値60以上あった算数は、偏差値30台まで転落し、理社も50前後を行ったり来たりの状態になってしまいました。

ファイに相談に来たのが小5の夏頃だったのですが、もうその頃には子どもはやる気をなくして、全く勉強しなくなっていました

夏期講習の宿題も全くやらず、親子喧嘩に発展して、ファイを見つけたと話していました。

来て初めの頃は、「勉強はしない。だけど中学受験はする。」という矛盾したことを言っており、これがまた親子喧嘩の元になっていました。

宣言通り全然勉強しなかったのですが、「受験はする!」との一点張りで、早稲田アカデミーは絶対にやめない、と言い張っていました。

早稲田アカデミーの先生からは、「とりあえず療養期間ということで、様子を見ましょう。」と体のいいことを言われて、実質放置されていました。

ところがこの子、勉強しないと言っていたのに、ファイの雑談の会だけは毎回出席してたのです。

どうでもいいことばかり話している会なのですが、楽しかったようで、そのうち早稲田アカデミーの授業を休んで来るよになりました。

中でも社会の会にハマって、オンラインテストも勝手にやり出して、習ってない単元に手を出し始めたのです。

その単元がちょうど冬の模試の単元と同じで、ノー勉なのに点数が取れてしまったのです。

これで親も子も、繰り返さなくても点が取れるということを実感してくれたようで、

塾生

「問題集を繰り返さなくていいなら勉強する」

という本人の希望を親も尊重してくれたため、志望校の過去問をやってみることにしました。

偏差値60後半の学校だったので、実力的にはダブルスコアくらい届いていない学校だったのですが、本人が乗る気だったのでやらせてしまいました。

この際の具体的な手法は長くなるので端折りますが、端的に言うと、面倒でも書き出せば全部解ける、というスタイルで押し通す方法を教えました。

主に扱っていたのは図形ですが、いわゆる基礎練習もパターン練習もせずに扱っている形になります。

ただただ過去問の問題を抜粋しながら解いていただけです。

そのうち、「面倒だから、もっと簡単に解く方法を教えて欲しい」とか言い出したのですが、ヒントだけ出して、あとは知らんと放り投げていました。

すると冬のテストで今まで地を這っていた算数の偏差値が、いきなり50後半まで跳ね上がってしまいました。

塾の先生は「よく頑張ったね」と褒めてくれて、すぐに母親にも「とても頑張ってますね!」と連絡がきたようですが、「宿題も復習も全くやってませんが・・・」と返したところ、「なんで上がったんでしょう?」とうやむやにされたと話していました。

子どもも親も、ノー演習でも全然通用することを実感し、すでに小6が始まって1ヶ月ほど経っていたのですが、早稲田アカデミーはやめてしまいました。

この後も、この子は小6のテキストもワークも使っていません。

過去問をベースに、出てきた単元を解けるようにするという方法で突き進みました。

最後の最後まで、過去問の繰り返しもしていません

前のノートを見直すぐらいはしていましたが、それだけです。

時間を図って解くことも、1、2回やった程度です。

これで第一志望を合格してきたらかっこいいのですが、残念ながら不合格でした。

偏差値60以上の学校にも1つ受かっていたのですが、そこよりも、偏差値50半ばくらいの学校がいいといって、そっちへ進学していきました。

この受かった60以上の学校について、早稲田アカデミーの先生は「無謀だから考え直せ」と言っていた学校ですから、演習を全くせずに伸びたと言ってもいいでしょう。

中学校に入っても、相変わらず解き直しはせず、ワークも1回のみで提出してテストに挑んでいます。

それでも順位は上位2割の位置にいます。

余裕の学校に合格したんだから、もっと上位にいてもいいはずとか言われることもありますが、そもそも模試では合格判定20%未満ばかりでしたから、余裕でも何でもありません。

余裕なのは唯一勉強スタイルを確立していることくらいです。

これに関しては本人がやらなくならない限り、衰えていくことはありませんから、学年が上がるにつれて、自然と上位に食い込んでいくと思います。

この子が特別頑張らなくても、他の子のメッキが剥がれていくので。

そもそも繰り返さなきゃいけないような勉強スタイルは、合っていない勉強スタイルで無理やり記憶に刷り込んでいる状況だということです。

繰り返さなくてもいい方法はありますから、うまくいっていないなら、繰り返さない方法を模索しておいたほうが、進学後に有利になります。

ローギアのままひたすら回転数を上げて引っ張るか、
ハイギアにしてじっくりと力を伝達して上限を伸ばすか。

どちらの方が有利になるか、ということです。

塾に指示される方法の大半は、子どものためではなく塾が稼ぐためのシステムの一貫ですから、そのあたりをよく考えて選んであげて下さい。

繰り返しの学習に限界を感じている方はご連絡下さい。

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