基本とは、簡単な問題のことではない
基本は大切!
基本はしっかり!
とみな口をそろえていいますが、その基本について、本当にわかっている方はどれだけいるのでしょうか。
簡単な問題だけ解けていれば、難しい問題も解けるようになるのでしょうか?
答えはNO。
簡単な問題をいくら解けても、難しい問題は解けるようになりません。
なぜなら簡単な問題と基本とは全く異なるものだからです。
ちょっと例をあげてみましょう。
これは小学生でもわかる気象の問題です。
一般的な基本問題の例
気温が下がると,飽和水蒸気量はどうなりますか。
ア:増える イ:減る ウ:変わらない
解答:イ
これは実際にサピックスのテストで出された簡単な問題です。
中学受験生ならば誰もが解けるはずの問題です。
しかしこれは基本とは言いません。
単に簡単な問題です。
ファイで扱う基本問題はこんな感じです。
ファイの基本問題の例
気温が下がると飽和水蒸気量が減少する理由を説明しなさい。
実は気象の問題なんて、これの説明ができればほとんどの現象を説明できてしまいます。
しかしほとんどの中学受験生はもちろん、高校受験生ですら答えられません。
なぜならそういうものだと暗記しているから。
なぜ気温が下がると飽和水蒸気量が減少するのか

実は全然大した原理ではありません。
例えば空気を白の玉、水蒸気をピンクの玉としたとき、気温が低いという状態は、白の玉の動きが鈍い状態であることを意味します。
気温が高くなると、白の玉が暴れまわります。
この中にある水蒸気(ピンクの玉)は、果たしてどちらの方がよく混ぜられるでしょうか?
当然気温が高い方です。
激しく動き回るということは、水蒸気の玉に激しく当たって弾き飛ばし、混ぜてしまうことを意味しますからね。
しかし温度が下がると弾き飛ばされにくくなり、仲間同士集まろうとします。
これが水になって出てくる凝結と呼ばれる現象です。
温度が高いというのは、暴れまわっているという状態
気象の根本原理とはこれにつきます。
温度が高いと空気の分子が暴れまわるのです。
つまり、温度が高くなると暴れまわって体積が大きくなる。
体積が大きくなれば密度が小さくなるので、空気の塊は上昇する。
上昇気流で雲ができるのも、
寒気と暖気の性質の違いも、
海風も陸風も、
高気圧も低気圧も、
台風が発達する理由も、
温暖前線よりも寒冷前線が早い理由も、
やませが冷害を引き起こす理由も、
全てこれで説明できてしまうのです。
基本がわかっているかどうかを試すテストをもう一問やってみましょうか。
一般的な基本問題の例
山をはさんで空気が通過するとき、風上側よりも風下側の方が気温が高くなる現象を何というか。
解答:フェーン現象
これも言葉自体は中学受験、高校受験で必須の内容です。
しかしフェーン現象という名称を答えられても何の役にも立たないのです。
ファイの基本問題はこんな感じです。
ファイの基本問題の例
フェーン現象により、風上側よりも風下側の方が気温が高くなる理由について説明しなさい。
これも先程同様、全然大した問題ではありませんが、答えられない人が多いものです。

ポイントはただ一つ。
水は温度変化しにくいということです。
つまり、温まりにくく、冷めにくい。
だから空気に水を含んでいると、温度変化が起こり辛いのです。
よって温度変化が起こりにくい風上側で雨を降らし、乾燥した温度変化が起こりやすい空気が山を下って来るから温度が上がりやすいのです。
1を聞いて10を知るのは頭の良さだけではない。勉強の仕方でも言えること。
このように根本原理が分かってしまえば、他の問題は知らなくても解けてしまう問題が多数あります。
もちろん暗記で挑むのがいけないわけではありません。
しかし記憶力勝負で勝てないと感じたならば、方法を変えるべきです。
1を聞いて1すら覚えられない状態で受験に挑むのか。
1を聞いて10を考えられるようにして受験を終えるのか。
その差は受験後に大きな差となって表れます。
限界を感じたならば、迷わずファイへご相談下さい(^^)/
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