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学力は遺伝する?
よく耳にするのですが、学力は遺伝しません。
脳の作りや大きさがといった所では遺伝はするかも知れませんが、学力を決めている大きな要因ではないでしょう。
まぁアインシュタインクラスの頭脳の持ち主ともなると全然違うようですが、あれも遺伝なのか周りの期待によるものなのか、はよくわかっていません。
さて子どもの学力の大部分を決めているもの、それはズバリ環境です。
環境には「地域柄」とか「家庭環境」とか色々な要素があります。
例えば「中学受験をするのが普通」という地域に入れば、それが当たり前だと思って勉強するでしょう。
逆に中学受験どころか普段の勉強もせずに遊びまくる地域だった場合、それが当たり前だと思い勉強せずに遊びまくるようになるでしょう。
よく「友達は選びなさい」と言われますが、友達も環境要因の一つであることは間違いありません。
宿題はするのが当たり前、限も守るのが当たり前、そういうグループに入っていれば、それが当たり前になる、ということです。
なので、宿題はやらない、門限は守らない。
こういう地域ですと、正直なかなか大変です。
だから友達を選びなさいと言ってる訳ではありません。
人としてのマナーやルールを守れない友達とはお近づきにならない方がいいかもしれませんが、大人になってしまえば部下や同僚を好きに選べる人はなかなかいないでしょう。
どんな環境でも、どんなに相性が合わなくても、何かしら工夫を凝らして回避せねばなりません。
そういう事への耐性をつける意味でも、親が友達を選ぶのはやめた方がいいでしょう。
なので、親ができるのは、友達を選ぶスキルを身に着けさせること、までですね。
では友達選びをちゃんとできれば問題ないのでしょうか。
いいえ、全くそんなことはありません。
実は友達以外にもっと重要な要素があります。
それが家庭環境です。
遺伝よりも家庭環境が学力を左右する
ズバリ言ってしまいますが、家庭内の会話レベルとお子様の学力レベルは、かなりの確率で相関性が見られます。
学力が高い層のご家庭では、新聞を取っていて、日頃からそういう話題を事が多くなります。
テレビもニュースやドキュメンタリー系が多くなります。
逆に学力的にそこまで良くないご家庭では、新聞などの読み物系も少なく、テレビもスポーツやバラエティばかり。
話題も仕事や会社の愚痴。
夫婦喧嘩。
この環境の差が学力に影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
学力が高い親の子はなぜ学力が高くなる?
なぜ学力の高い親だと子供の学力も高くなるのでしょうか。
これは遺伝でも何でもありません。
単純に、難しい話題を話す機会が増えるからです。
子どもは知らない言葉が出てくると、それが何なのか考え、覚えようとします。
それを生まれてから十数年繰り返えしていれば、小中学生で大きな学力の差となる、という訳です。
学力がない親の子に学力は期待できない?
では学力的にそこまでではないご家庭の子供は、優秀な成績を収める事はできないのでしょうか?
そんな事はありません。
家庭環境を変えれば簡単です。
とはいえそう簡単に家庭環境は変わりませんね。
そこで現実的な手段となるのが、塾などを活用して環境を変えてしまう方法です。
しかし塾に入れても、やはり親を見て育ちますから、家族で一緒にいる時間の使い方も非常に重要なことに変わりありません。
これをはき違えて、「塾に入れておけばいいんだ!」と誤解し、親子関係をないがしろにすると、うまく行かなくなるのです。
学歴が高い親の弱点
逆のケースも話しておきましょう。
高学歴の親なのに、子どもがよろしくないケース。
実はこれが結構あるのです。
その要因は、親が賢すぎること。
親が賢いと、考える余地を与えずに教えてしまうのです。
これをすると考える力を失ってしまい、伸びなくなります。
また、親が忙しくて、子どもと接する時間が短いというケースも。
この場合、親からの承認を得る機会が少なく、自尊心が育ちにくくなります。
すると何をやってもうまくいかなくなってしまうのです。
もう一つ例をあげましょう。
実は優秀な塾の先生の子どもは、賢くなるか、バカになるか、のどちらかにわかれます。
そこそこだよね、という子はあまりいません。
なぜなら塾の先生は、子どもが家にいる時間に、他の子を教えなければならないからです。
そのため、教えなくても学べるスタイルの子は賢く、教えられなきゃできない子はバカになってしまうのです。
あくまで模試などの点数化される成績に関する話なので誤解なさらぬよう。
人間的な部分の話ではありません。
ここで言いたいのは、親の成績と子どもの成績の話です。
塾の先生なら点数を取ることを目的としているのですから、子どももそのスペシャリストになりそうなところですが、そうはならない、という話です。
つまり、親が賢いのと子育てが上手いのは別次元の話なのです。
親の学力がないことのメリット
「私は高卒だし、バカなので教えられないんです…」
そう悲観することはありません。
先程も話した通り、賢すぎるとかえってデメリットになることもあるのです。
親がバカであるメリット、それは子どもの自尊心が育ちやすいということです。
子どもは本来よく考えます。
学力がない親は下手に教えてしまうことがないので、考える力が良く育つのです。
子育てで大切なことは、教えることではありません。
あなたの強み、環境を最大限に活かす事です。
ご自身の状況、ご家庭の環境を最大限に活かすことこそが、学力につながってくるのです。
父親と母親、どちらの影響を受けやすい?
年齢やどういう役割分担をしているかによりますので一概には言えません。
あくまで一般論として話します。
父親は重大事項のしつけ、母親が日々のしつけに関わっている場合、日常の生活や勉強スタイルは母親に影響を受け、根本的な人間性に関する考え方は父親に似る傾向があります。
つまり日々の勉強スタイルは、良くも悪くも母親の影響を受けやすく、学力も母親の接し方の影響を大きく受けるのです。
しかし、何か転機となるような事が起こった時、その時の考えや方針は父親の考え方に影響を受けます。
もし父親が逆境から逆転するようなタイプなら、子どもも日々の生活で全然ダメでも、本人がやろうと思う転機が訪れれば、父親と同じように逆転劇を繰り広げてくれる可能性が高いのです。
逆に父親がいざという時に頼りないタイプなら、母親が日々の勉強をきっちりと固めていても、受験本番やイレギュラーな事態が起きた時に総崩れを起こす可能性があるということです。
実際結構な確率で父親、母親の性格や生活と連動しますので、勉強方針を決定する上で、この点はしっかり話し合っておいた方がいいでしょう。
学力と学歴の相関関係
さて、これはオンライン授業のスクショをしたものです。
一体何をしているところでしょうか。
一見ただの授業風景でしょう。
でもこの授業、実は生徒が説明している授業なのです。
ファイのオンライン授業ではお馴染みですが、生徒が授業をすることが結構あります。
私立の過去問対策の補講も先生はノータッチ。
全部生徒が生徒同士解説し合って解決していました。
誰も解けない時はちょいちょいヒントを出しますが、考えられているうちはノータッチです。
生徒が教えて、生徒が質問して、勝手に納得して帰ります。
生徒同士なので気兼ねなく質問できますからね。
よく本質的な質問が飛んで来て、生徒同士で悩んであれこれ意見を言い合って、解決してから
「先生、これで合ってます?」
「うん、OK。」
みたいなやり取りをすることがあります。
学ぶ力、いわゆる本物の学力が身に付くとこんな授業もできてしまうのです。
今では堂々と話せるくらいになりましたが、元々はすっごくマイペースでのんびりした子で、課題も終わりきらない事が多かった子です。
それゆえ伸び方ものんびりで、ちょっとずつちょっとずつ伸びていました。
勉強法が身に着き出すまでにかかった期間は実に2年半。
そして12月ぐらいから過去問をやり出したあたりから一気に伸び始め、過去問の点数もどんどん伸びてきました。
志望校は偏差値50ぐらいの学校の子なのですが、偏差値60オーバーの東邦の過去問を解いて、「解けた解けた♪」と喜んでいました。
普通そんな学校の問題解いてみようとも思わないですよね?
でもわかった時が嬉しくて、楽しいのです。
こういう子は高校に入っても勝手に伸びて行きます。
丸暗記で受動的に勉強して滑り込んだ子は、いいカモになります。
学力があれば学歴にもつながると思っている人も多いのですが、学力と学歴には相関関係はありません。
学力がある子が必ず勉強もできるとは限らないからです。
学力がある子というのは、あくまで学ぶ力があるだけであり、それをペーパーテストで活かすには別の力が必要になります。
それがうまくいった子は、学力で学歴も得られるのです。
逆に、学歴だけ良くて、学力がない子も沢山います。
特に中学受験、高校受験においては、丸暗記で通用してしまう受験も多く、そういった勉強方法で乗り切ってきた子は進学後につまづいていきます。
学歴を否定するつもりはありません。
確かに学歴は武器になります。
しかし、その学歴を活かすのも結局は学力なのです。
学力のない学歴はいずれメッキが剥がれます。
早いと高校受験、大学受験で剥がれてきます。
中高一貫で大学までエスカレーターの子は、社会人になるまで気付かないこともあります。
そしてそれらの子のメッキが剥がれた時には、話題にすらされません。
伸びる家庭環境
ご家族で環境作りに協力できるのであれば、以下の事に注意して接するだけで大きく変わってきます。
- よく褒める。
- よく話す。
- よく話を聞く。
- 一緒に新聞・本を見る。
- 一緒にニュースを見て,その話をする。
- 意見を交換し合う。
- 夫婦の仲がいい。
- 笑顔の数が多い。
さらっと書きましたが、この「よく褒める」というのは非常に重要なポイントです。
褒められる事によって正しい事を理解し、褒められるように頑張ろうとするからです。
これを陽性強化法といいます。
なお、親が家をくつろぎの場としている以上、子どもにとっても家はくつろぎの場です。
親がくつろいでいるのに、子どもには勉強させるなんて無理でしょう。
家で勉強しなさいというのは、親が家で勉強している場合に使える方法です。
冷静に家庭環境を見直してから叱りましょうね。
では最後に笑顔についてお話ししましょう。
先程のポイントの最後にも書いた通り、夫婦仲と笑顔の数はとても重要な要素です。
大きく伸びる子の夫婦仲は、例外なく良いのです。
片親がいけないわけではありませんよ?
むしろ夫婦仲が険悪なぐらいなら、片親の方が断然伸びやすいものです。
もちろん事情も違いますし、子どもの受け取り方も違うので、家庭環境についてとやかくいうつもりはありません。
夫婦仲がいいに越したことはない、という話です。
そのためのポイントの1つが、笑顔の数です。
情動感染といって、人は感情が伝染しやすいようになっています。
中でも日本人は歴史的にも文化的にも情動感染しやすいと言われています。
そして、笑顔の数が増えれば、それが子どもにも伝染するのです。
なので意図的に笑顔を増やすだけでも、子どもは精神的に安定しやすくなります。
ショッピングモールでもレストランでも公園でも、どこでも構いません。
テレビ番組でも構いません。
みんなが笑顔になれる場所、は見つけておくといいでしょう。
それを怒ってしまったとき、雰囲気が悪くなってしまったときに使うのです。
そしてお子様の顔をよく見てあげて下さい。
きっとお母さんの心が落ち着くはずです。
お母さんが落ち着くと、子どもも落ち着きます。
そうすると、勉強にも身が入りやすくなるものです。
ファイのオンライン授業では、このように実際の生活に基づいたアドバイスを月1万円でしています。
ちょっとした工夫や解釈で、子どもとの関わりは大きく変わります。
関わり方が変わると、成績も変わってくるものです。
その結果どうなったか、は指導実績で紹介しています。
うまくいかないとお感じの方は、ぜひご相談下さい。
「学力は遺伝するものですか?」
「私もバカだったから、この子もバカだというのは重々わかっているのですが…」