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漢字の勉強法:「にくづき」と「つきへん」の違い
漢字練習というと、ひたすら書く練習をさせる塾が多いのですが、私はその方法はオススメしていません。
実は意味がないものを繰り返しても、脳がマヒしてかえって覚えられなくなってしまうのです。
なので、毎週漢字テストがあり、時間に追われていたとしても、漢字の意味をしっかり考える勉強法をオススメしています。
実際にファイで中学受験の子に漢字を教えたときの方法を紹介致しましょう。
この指導はオンライン授業でもよく用いる方法です。
部首を理解しているか確かめる問題
早速ですが、以下の問題を考えてみて下さい。
以下の中から、「にくづき」でも「つきへん」でもない漢字を選びなさい。
腸 ・ 服 ・ 膚 ・ 背 ・ 朝 ・ 肩 ・ 有 ・ 豚 ・ 脳 ・ 期 ・ 望 ・ 象
小6ならほとんどの漢字を読めるはずなので、答えられるはずです。
ちゃんと意味を考えながら勉強している子は答えられるはずですが…
思考回路の一つの指標になるので試してみて下さい。
では本題に入りましょう。
子どもが悔しがっているときがチャンス!
「『腸』ってなんで月なの?月関係ないじゃん。」
小4 受験なし 女の子
小4の塾生が漢字テストで「腸」の字を「兆」と間違えてしまいました。
ちゃんと文章を読んで、どちらの漢字が入れば考えていればこのような間違いはしませんが、反射的に、特に意味を考えずに「兆」を入れてしまったようです。
漢字の間違いは5回書かせて終わり!
という勉強をさせる方も多いのですが、それは勿体ない!
些細な間違いですが、調べてみると新しい発見があって、結構楽しむものです。
というわけで、不貞腐れて「月関係ないじゃん」と言っていたので、本当に月が関係ないかどうか、調べてもらいました。
なお、「にくづき」と「つきへん」の違いは中学受験でも問われることがあるため、このように子どもが疑問に思った時点で学んでおくと頭に残りやすいものです。
以下は実際に塾生が調べたものをブログに書き起こしたものになります。
オンライン授業では、このように塾生自身が調べてまとめたものを中心に、理解度を確認し、話題を広げていく形で進めています。
これはご家庭でもできる方法なので、ぜひ真似してみて下さい。
「にくづき」ってなに?
漢字の中にある「月」の字。
これを「にくづき」と言います。
もともとは「肉」の字から来たもので、簡略化したときに「肉」⇒「月」になったものです。
そのため、もとから「月」だったものと区別され、「にくづき」と「つきへん」という、同じ字(形)なのに、違うへんとして区別しています。
見た目は同じですが、漢字の意味が異なりますので、区別をつけるのはそこまで大変ではありません。
「にくづき」はその名の通り、もとが「肉」なので、体に関わるものについてきます。
実際に塾生が書き出したのがこちら。
- 腸
- 胃
- 脳
- 胸
- 肩
- 背
- 腹
- 腕
- 股
- 肋(あばら)
- 膚
- 肝
- 臓
もちろん小4ですから、こんな難しい漢字は知りません。
「体が関係している部分の漢字によく使われているよ。」
というヒントを出して、あとは思いついた部位の漢字を調べ、にくづきだったら書き留める、といった感じでまとめています。
実際に塾生が自分で書いてまとめたものがこちら。
オンライン授業では写真を撮って送ってもらっています。
些細なことですが、このように調べ学習を通じて印象付けをすることができます。
漢字を探す段階で、体に関わるものを想像しながら探していますからね。
多少面倒でもやる価値は十分あります。
「つきへん」ってなに?
「つきへん」は欠けた月の形から出来上がった漢字です。
また、月は暦にも関係しているため、比較的「時間」が関わる漢字が多くあります。
もっとも全ての月が肉か月からできたわけではありませんので、若干意味が通じないものもあります。
「つきへん」にあたる漢字には以下のようなものがあります。
- 服
- 朝
- 有
- 望
- 期
- 朗
- 朔
見てわかる通り、同じ「月」の字ですが、体は関係ないのがわかりますね。
これはさすがにあまり出てこなかったため、ヒントを出しながら補助しました。
その時のノートがこちら。
教えてしまうのではなく、ヒント基に、想像しながら考えることが大切です。
効率を求めてこの部分をすっ飛ばすと、漢字がなかなか覚えられない頭になってしまうんですね。
この時の注意点としては、子どもが知っているもの、興味があるものから結び付けをすることです。
これが一般的な先生ではなかなかできない。
お子様がどんな生活をして普段何をしているかなんて知りませんからね。
その点、親は子どもの様子も今までの経験も知っていますから、ヒントが関連付けしやすいのです。
なお、オンライン授業では、表情や声から判断しています。
つきへんっぽいのに例外の部首:いのこ
ちなみに「豚」はつきへんでもにくづきでもなく、「いのこ」という部首になります。
月ではなく右側の部分(豕)です。
いのこを使っている漢字として有名なのが「象」・「豪」があります。
他にもありますが、見たこともないようなものばかりなので、覚える必要はないでしょう。
- 豚
- 象
- 豪
書くだけの漢字練習は、宇宙語の暗記と一緒!
このように、たか漢字の間違いですが、突き詰めて考えればストーリーが出てくるものが多くあります。
これらを調べると間違えにくくなりますし、忘れにくくなります。
この一手間をかけられるようになる子は強い(笑)
ただ5回書いて練習する子よりも、圧倒的に漢字に強くなる。
漢字と関連して、オンライン授業で行っている勉強法をもう少し紹介しましょう。
中学受験生の社会の宿題ノートです。
これは「石狩平野」を「十勝平野」と間違えて書いてしまった直しです。
ちゃんと地図で調べて、十勝と石狩の場所の違いを学んでいるでしょう?
勉強のやり方を知らない子はこれができないのです。
ただ「石狩」と赤ペンで書き直しておしまい。
それでは一問一答形式の丸暗記の勉強。
発展性がまるでないのです。
手前味噌な話ですが、ファイの小6、中3の受験生のノートはすごい!ですよ(笑)
たった1問のミスに、ノート2~5ページにも渡るまとめをやり込んで来ます。
その1問をきっかけに、どれだけ関連事項を確認、把握できるか。
これが自学の要なのです。
調べ学習は勉強の基本ですから、ぜひしっかりと教えてあげて下さい。
どのように誘導すればいいのか、どんな声かけをすればいいのかわからないという方は、ファイでは月1万円からアドバイザーを実施しています。
お子様の勉強をお母さんが見ているときに、どう子どもをサポートをすればいいのか、アドバイスしていきます。
一般論ではなく、お子様の性格や環境に合わせたアドバイスをしていきますので、巷にあふれる教育本に踊らされずに子どもを見ていくことができるようになります。
ご自身でやられてもうまく行かない場合はぜひご利用下さい(^^)/
「毎週漢字テストがあるので、それに向けて書かせて練習しているのですが、最近全然正解できなくなってきました。また、以前は時間を決めておけばその時間に自分からやっていたのですが、最近は促さないとやらなくなってきています。練習も適当になってきたので、書く回数を増やさせたのですが、逆効果なようで全然覚えてくれません。どうしたら覚えさせられるのでしょうか。」
早稲田アカデミー 小4 母