一見普通のノートですが…
今回は面白いノートを見つけたのでご紹介しましょう。
小学生のノートです。

漢字が間違っているとか,日本語が変とか,そういうことではありません。
このノート,ちょっと特別な意味を持つノートなのです。
このノートから何か読み取れますか?
なぜ見開きで書いているのか?
見開きで書くのは普通と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし,見開きで書くのは簡単なことではありません。
今の大人はノートをあまり使わなくなってしまいましたが,ノートを見開きで通して使ったのはいつが最後でしょうか。
おそらくほとんどの方が記憶にないぐらい昔の話だと思います。
この枠からはみ出して書ける,というのはとても大切な考え方なんですね。
この子は書き始めた当初,木星まで書く予定ではなかったのです。(確認済み)
なぜなら左下の図に火星までは言及していますが,木星についての記述がありません。
しかし進めるにつれて,木星が出てきた。
だから急遽見開きにして書き足したんですね。
なぜ木星をノートの間にまたがらせて書いたのか
ずらして右側のページに書いても良かったはずの木星ですが,わざわざ真ん中に書いています。
しかもよく見ると一度書き直した跡があるんですね。
書いてみて,「あ,小さいな」ということで大きく書き直したのです。
しかしその最初に書いた小さな木星もノートの真ん中に来ています。
つまり迷わず真ん中に書いたということです。
どうして真ん中に書いたのか聞いてみると,「いや…別に…」と言っていたので,何となく書いただけでしょう。
ということは,この子はノートの作り方という枠にまだはめられていないことになります。
つまり,良くも悪くも,勉強をどうやってやるものか,まだわかっていないということです。
なぜ大きさがバラバラなのか
何となく大きさを変えただけ,とも取れますが,何も知らない子が惑星を書くと,大抵ほとんど同じ大きさにそろえてしまいます。
しかしこの子は木星を書き直していることからもわかる通り,大きさを意識して書いているのです。
実際の縮尺はともかく,一番大きいのが太陽,二番目が木星,三番目が土星というのは正しい順番通りになっています。
火星が一番小さいのはおかしいのですが,それはこの時に大きいものが重視されていて,小さいものという視点がなかったことがわかります。
そして,大きさを再現しようとするところ,イラストで再現しようとしているところから,この子は見た目のイメージを大切にする子というのもわかります。
木星を真ん中に書いてバランスを取ったあたり,美術的なセンスがあるかも知れませんね。
性格もわかる
この子のノートは見たもの,聞いたものを素直に反映しようとする様子が見られます。
まだ自分のこだわりというものがなく,受け入れる体制ができているという状況です。
他の塾に通っていたとのことですが,そこでのノートの取り方の癖は見られないため,教えられてきていないこともわかります。
伸びなかった,のではなく,知らなかっただけですね。
そのおかげで,ノートの取り方は自分の思うままに取れているため,頭の使い方と一致した勉強のやり方になっています。
こういう子の場合,下手なやり方を教えてしまうと,そうするものだと鵜呑みにしてしまうため,ちょっと注意が必要です。
また,ノートの間の取り方,筆跡の流れ,書き足し方から見て,非常に心優しい子だという面が伺えます。
こういう子は勝負事を好みません。
ガンガン点数を取りに行く勉強よりも,その優しさを活かしてあげられる勉強法の方が伸びやすいと言えます。
この子の場合は下の子がいるので,下の子に教えさせるといった方法も考えられます。
成績表だけ見ていればいいのか
成績表が悪いとは言いません。
情報として確かに必要なものです。
しかし成績表,偏差値,点数,平均点といったものに偏りすぎて見ていませんか?
そんなもの,ノートや普段の生活の結果が表れたに過ぎないのです。
普段の様子からここまで見られれば,成績表何て見なくてもどんな点数を取って来るかなんて簡単に予想できます。
塾や学校の先生はここまで見られません。
だから点数で見て評価するのです。
その要素を普段から目の前で見ているのはあなたなのです。
本当に子どもにあった勉強とは何なのか。
合わない塾に放り込んでいるだけではないのか。
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