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予習が必要な塾か必要ない塾か
中学受験に関しては小学校の授業ではほぼ全く足りてないので、学校の予習はすでに塾でしているのと変わらないでしょう。
また、塾の予習に関しては塾のシステムによりさまざまなので、その塾のやり方に従うのが無難です。
大きく分けて、予習を重視する塾と、復習を重視する塾に分かれます。
どっちも力を入れている塾はあまりないと思いますが、そういう塾の場合はどこに力を入れるべきかをしっかり考えておきましょう。
「どっちも!」という状態は時間が足りなくなるため、消化不良を起こします。
ここで全ての塾を紹介することは難しいため、ファイでよく相談がある塾をいくつか抜粋して、塾別の対策をお話します。
サピックスは予習が必要?
サピックスは復習至上主義の塾です。
予習は一切必要としていません。
授業で最初から全て説明してくれます。
そのため、一般的には徹底的に復習をしっかりこなした方が最大限効果を発揮できることになります。
しかしながら当然弱点もあり、一度ついて行けず転げ落ちた子はついていくのが一気に大変になるのです。
これは例えるならエスカレーターのようなもので、サピックスはしがみついてさえいれば自動的に上まで運んでくれるのです。
しかし上から降ってくる知識と問題の量に圧倒されて一度転げ落ちてしまうと、どんどん転落してしまいます。
個別指導などを併用して何とかしがみつかせても、一度落ちてしまったところまでまたたどり着くのは、現実的にはほぼ不可能とも言えるでしょう。
では転げ落ちないようにするためにはどうすればいいのかといいますと、やるべきものを絞って、効率的に捨てる事です。
子どもの能力にもよりますが、今わかっていないところに絞って復習をさせ、理解しているところは捨てるのです。
全部を完璧にこなそうと思うと消化不良を起こすので、完璧主義には走らない方がいいでしょう。
時々サピックスでも予習をしておく方がいいという方がいらっしゃいますが、それはその素地ができている方だからできる方法だということは忘れないように。
根拠もなく過信するのは危険です。
ご自身のお子様に合っている方法かどうかはよく考えて真似するようにして下さい。
日能研は予習が必要?
日能研も基本的には予習が不要な塾です。
しかしそもそも考える土壌がない子にとっては予習がないと全く身になりません。
例えるなら、種をまいていない畑にいくら水を撒いても雑草しか生えてこないようなものです。
そのため、種まき程度の予習はしておいた方が効果的な場合はあります。
しかし日能研も復習だけで相当な負担となりますので、基本的には予習よりも復習に力を入れる方針は変えない方がいいでしょう。
確かに予習をしっかりすると日能研では成績が上がりやすいのですが、これにはカラクリがあり、先に答えを教えてしまうドーピングに等しい行為のため、考える力自体は身につかなくなります。
結局せっかくの四角い頭を丸くする授業なのに、全て丸暗記で挑むという本末転倒な勉強法に走ることになり、成績の伸び悩みを起こすこともしばしば。
予習が無駄だとは言いませんが、どう予習するかは戦略的によく考えて行いましょう。
四谷大塚系の塾は予習が必要?
扱っている塾により考え方が異なるため、塾の方針を確認して頂きたいのですが、四谷大塚自体は基本的に自学ができるように教材を作っています。
元々がテスト屋ということもあり、そのテストのための勉強教材となっているので、慣れてしまえば使いやすいのが特徴。
慣れないと分野がバラバラ過ぎて全く使えません。
そのため個人で四谷大塚の教材を使うのであれば、教材の学年にとらわれず、お子様の状況に合わせて何をどこからやるか考えながら進めなければ、効果を発揮できません。
予習をする場合は予習シリーズを用いて勉強することになると思いますが、塾が四谷大塚のカリキュラムに準拠しているのであれば、先の部分を見て勉強しておくことで授業の理解度が増します。
というのも、四谷大塚はカリキュラムが膨大のため、一般的な塾ではそのまままともにやろうとすると終わりきらないんですね。
そのため、カリキュラムを優先して授業内容を薄くすることがしばしば行われるのです。
早稲田アカデミーは予習が必要?
早稲田アカデミーは四谷大塚系の塾ではありますが、一応独自にカリキュラムを調整して組んでいるため、特に予習を必要としません。
しっかりと復習に徹していれば効果が得られるはずです。
しかしながら、方針が一致しない教材が膨大にあるんですね。
状況に合わせて教材を選べると言う意味ではいいかも知れませんが、とにかく色々な教材が出てくる。
そのため、教材の絞り込みは徹底した方がいいでしょう。
教材に振り回されると復習にすら集中できなくなります。
栄光ゼミナールは予習が必要?
栄光ゼミナールの新演習シリーズは自分で勉強しやすいようにできています。
そのため予習ができるのであれば予習をした方が効果は上げやすいといえます。
しかし、予習がしやすいということは、復習も自分でしやすいということなので、授業で一通り新しいことを学んだあとにじっくりと復習するのにも向いています。
ゆとりがあるのであれば予習をし、復習で手一杯なのであれば、復習に徹する方がいいでしょう。
お子様のレベルと目標に合わせて変えるようにして下さい。
新演習シリーズの弱点は、そのテキストだけで完結してしまうという点です。
基本的にはそのテキスト内の問題を解くために必要なものは同じテキスト内に書かれています。
つまり、答えが隠れている場所から答えを探すだけなので、勉強の仕方によっては考える力ではなく、探す力を身に着けてしまう可能性があるというところです。
個別指導塾は予習が必要?
個別では先生の指導に従うのがいいでしょう。
その子の状況に合わせて予習スタイルが合っている子なら予習の指示を、復習スタイルが合っているのであれば復習スタイルの指示をしているはずです。
ただし、注意点としては、先生がプロフェッショナルではない可能性があるということです。
マニュアル通りの指導をする先生の場合、予習の指導は負担が大きいため、合う合わないに関係なく復習重視になりがちです。
またプロフェッショナルの先生であっても、指導の仕方が画一的な先生の場合、その指導に合わない生徒はこぼれることになります。
子どもに合わせて指導を変えている先生かどうかはチェックした方がいいでしょう。
公文や学研教室で予習は必要?
公文や学研教室だけで中学受験をする子は少ないと思いますので、珍しいケースだとは思いますが、もし家庭学習で中学受験をする場合は注意が必要です。
公文も学研教室も予習は全く必要ありませんが、受験に合わせた内容を他で勉強しなければなりません。
その際、必ずしも同じ解き方が出てくるわけではないということに注意が必要です。
ゆえに公文や学研教室はあくまで学習のベースをつくる指導ですから、復習の練習にもなりません。
プリントが宿題に出されると思うかも知れませんが、あれは作業であり、本質的な復習は学べないのです。
市進学院は予習が必要?
今まで基本的には復習重視で良いという塾が多かったのですが、市進学院に関しては予習した方がいいかも知れません。
というのもカリキュラムが異様に遅い割に物量作戦で攻める塾だからです。
これはサピックスや日能研といった早期から中学受験対策をする塾に対して、中学受験をしようと決断するのが遅い子をターゲットとしているため,小5からでも間に合うカリキュラムにしなければならず、このようなしわ寄せが表れているのです。
市進学院では公式には予習は必要ないと言っていますが、上位クラスでは先生が個人的に予習をさせているという実態があります。
そのためそういう先生がついていれば、特に個人で予習する必要はありません。
もしカリキュラム通り、マニュアル通りしか教えられない先生についている場合で、上位クラスを狙うのであれば、+αを行うようにして下さい。
市進学院の教材はクラスレベルの上と下を混ぜ込んで作られているので、予習で基本的なところまで自身でやっておき、復習で上位レベルの問題を解くという流れが作れると楽に成績を上げられるでしょう。
もし個別指導と併用するのであれば、後追いよりも、カリキュラムの先を見て、市進学院の授業でこれからやる単元をわかりやすくする指導をしてもらう方が効果的です。
とはいえ、市進学院の個別指導である個太郎塾は同じ教室内にあっても実質別会社のため、そこまでの連携は取れません。
残念ながら保護者側が管理するか、別のアドバイザーをつけて指導方針を決めてもらうのがいいでしょう。
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