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今までの負債はいつどのように解消すべきか?

小学校の場合

いよいよ夏休みもあと少し。最後に復習の大詰めを,と思っている方も多いでしょう。そこで今回は今まで習って来て,できていなかった部分,できないまま放置されている部分,いわゆる負債の解消法についてお話し致します。

通常学校のカリキュラムと言うのは進む一方で戻ることはありません。例えば小学校算数ですと,

小4:比べ方,角
小5:平均,単位量あたりの大きさ,速さ,割合,面積
小6:比,比例・反比例,体積

と進んでいき,復習の機会もなくどんどん過ぎ去っていきます。まぁ小学生ぐらいなら本腰を入れてやればまだ追いつけるのですが,大抵の場合子ども自身がそれを嫌がるため結局間に合わないまま進んでしまいます

もちろん学校の先生も,新しい単元に入る時は簡単な復習から入ります。しかしそれもあまりじっくりできないので,どんどん先に進んで行く事になります。結局学校でこぼれてしまった部分は自身で何とかするか,塾へ通って追いつくしか方法がないのです。タイミングとしては長期休暇とは言わず,日々継続的に行う方がいいでしょう。一気にやって何とかなると,一気にやれば何とかなるという感覚を植え付けてしまう可能性が高くなります。

大手進学塾の場合

塾は小学校ではやらないようなことも扱うため,進みが早く,やることが多くなります。そのためスパイラル学習や,らせん型カリキュラムとか言った形で復習の機会を設けています。一般的に多いのは,

  1. 一定期間ごとに総復習テストをする。
  2. 細かく演習回を設けて復習する。
  3. 関連単元の時に合わせて復習する。

この3つです。これについては後ほど具体的に説明します。

個別指導の場合

注意したいのは個別指導。個別指導の場合,カリキュラムはあってないようなものです。私は多くの個別指導を見てきましたが,大抵その子のペースに合わせて進めていくか,メインとする塾や学校のペースと並行して進めていく,この2つのどちらかになります。

最近は個別指導でもカリキュラムを掲げている所が増えてきましたが,そのカリキュラムの仕組みは実は大したことありません。個々の状況に合わせているように見えて,実はシステマチックに回数で振り分けているだけの所がほとんど。大学生の講師が適当に作っているところもありますね。そしてカリキュラムが進んでいないと習得が進んでいないと判断されかねないため,理解していなくてもとりあえず進めてしまう。要するに個別指導の場合は復習回はいつでも設けられる反面,指導時間数が少ないため,現実的には復習がほとんど行われないのです。

こういうタイプの塾の場合は,授業で負債を作ってしまっては本末転倒です。ただカリキュラムに乗るのではなく,ピンポイントで出来ない単元に集中してできるようにしていくべきでしょう。もっとも扱っていない単元は負債になる可能性が十分ありますが,それが困るのでしたら,費用をかけてでも時間数を増やすしかありません。

進学塾のタイプ別の復習のポイント

1.一定期間ごとに総復習テストをする

一定期間ごとに総復習テストを実施するメリットは,やはり忘れたころに忘れた箇所を確認できるところです。自分が忘れた場所を効率よく学習できます。デメリットはテストをやるだけで終わってしまう事が多いということです。せっかくテストをしても,テストをやるだけで復習の時間が取れないんですね。中学受験なら塾に集中して復習する時間が取れると思いきや,授業のペースが早いため復習テストまで追いつかないのが現実。そして高校受験ともなると学校,塾の授業,復習のテストの3本立てで勉強しなければならなくなります。そのためテストの直しまでできないのです。

このタイプの場合は今習っていることに集中するのが一番です。もちろんその場合,取りこぼしが沢山出てきますが,今習っているところに集中していれば,復習回でもしっかり集中して復習することができることになります。そのタイミングにかけて徹底的に今に集中して下さい。もしそれがきつくなってくれば,それはその塾でついていくのには限界があるという証拠です。

2.細かく演習回を設けて復習する

細かく復習をしてもらえるので,忘れにくく,比較的ついていきやすくなるというメリットがあります。例えば先ほどの算数の例でお話しますと,比べ方の単元が終わって次の単元に入った後も,引き続き比べ方の単元の復習を織り交ぜていくという方法です。この方法ですと1つの単元に長い期間取れるため,定着しやすくなります。

デメリットは学年が進むに連れて,重ねて実施していく単元が増えるため,復習の確保が難しくなってくる事です。つまり,この方法を取っている塾で遅れを取った場合,雪だるま式に落ちこぼれる単元ができてしまうため,追いつくことができなくなってしまうのです。そのため,日頃からいかに影響が小さい部分を捨てていくかが重要になります。もちろん目当てとしている負債の解消のタイミングが来たら,絶対に逃さないようにし,他の部分は捨てる思い切りも必要です。

3.関連単元の時に合わせて復習する

PHIで取り入れているのはこの方法で,学年をまたぐ単元をひとくくりにやって行ってしまう方法です。例えば先ほどの算数の例なら,比を扱う時に,比べ方も単位量当たりの大きさも一緒に実施してしまうのです。学年が違うから難しいのではないかと思うかも知れませんが,学年で分けていることにそれほど意味がないんですね。そもそも学年ごとに分けられた内容というのは,公立の学校で教えるときの学年ごとに習得する目安を示したもので,それに沿って教えるのが無難だというだけです。決して個々の理解度にあっているわけでも,年齢ごとの成長に合わせているわけでもないんですね。そのためこの方法だと学習内容を一本化する事ができるため,負担は軽くなり,この中では一番ついていきやすくなります

もちろんデメリットもあります。とにかく時間がかかるのです。同じ単元に合わせる事により一本化できるとはいえ,以前の単元を復習しながら埋めていくことになるため,理解度によってはなかなか進みません。よって時間を稼げなければ穴を埋められない,もしくは復習に時間が取られ,現在進めたい所まで届かないといったことにもなりえます。

このタイプの塾でしたら,カリキュラム的にも負債を解消することに重点を置いていますので,比較的負債の心配はいりません。ただし,時間をかけて勉強しなければ負債は解消しきれません。そして他のタイプとは違い,やってすぐに結果が出るということも少なく,とにかく地道に努力を続けるしかありません

絶対受かる!

負債を解消せずに成績は伸びない!

この期間に今までの復習をしようとしている方も多いはずです。特に受験生,そして来年受験を控えた子どもたちは頑張ろうとしているはずです。しかし負債の解消はただ闇雲にやればいいと言うものではありません。特にカリキュラム優先型の塾の場合,子どもだけで何とかなるものでもありません。負債の解消の戦略を親も交えてしっかり考えなければ,なかなか効果が上がりません。お子様にはどの方法があっているのか,ぜひ考えて戦略的に負債を解消して下さい。負債の解消方法がどうしても思いつかなければPHIにご相談下さい。中立的な立場からご相談に乗っておりますので,勧誘のご心配はいりません。

アドバイスするコールセンターの女性のイメージ

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