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読解力は塾でしか上げられない?
国語の読解力がないのはわかっても、どう勉強させればいいかわからず、とりあえず本を読ませる。
結局ここにいきついてしまうことも多いですよね。
確かに国語ができる子には本を読む子が多いのは事実です。
しかし国語ができない子も本を読ませれば読解力が上がるのでしょうか?
すでに経験した事がある方はおわかりと思いますが、上がりません。
かえって国語嫌いを増長させるだけです。
では国語力を上げるには塾に頼るしかないの?
実はそんな事もありません。
ご家庭でも簡単にできる読解力養成法があります。
今日はオンライン授業で実際に行っている方法をご紹介しましょう。
実用的な読解力
まず読解力は大きく3つの力の総称を言います。
- 漢字や語句の知識
- 文章を読み取る力(読解力)
- 背景イメージ
- 問題を解くテクニック
- 要約
この3つのどれかがかけても本物の読解力は身に付きません。
一つずつ見ていってみましょう。
①漢字や語句、背景などのイメージづくり
「漢字ぐらい点を取りなさい!」
よく聞くセリフですね。
漢字は読解問題に組み込まれていたとしても、漢字だけ単体で問題となっているため、点が取りやすいのは事実。
しかし逆に考えると、国語力がある子は漢字もできているのです。
よって漢字を覚えることは、「取れる所を取れ」という意味ではなく、読解力を鍛える上で最初のステップになるのです。
また、語句や背景については単純に勉強して何とかなるものではありません。
まさか国語辞典を端から読んでいくわけにはいきませんよね?
だから本を読んでいる子が有利なのです。
本を読む子は、語句や背景に関するストックが自然と身についていきますからね。
では本を読まないとそれらが身に付かないのでしょうか。
実はそんなこともありません。
映画やドラマ、ドキュメンタリー番組なんかでも結構身に付きます。
漢字や語句のイメージさえついてしまえば文章も読みやすくなりますからね。
ただ、どれでもいい訳ではなく、やはりある程度選ぶ必要がありますけどね。
例えば「貞子」や「リアル鬼ごっこ」は、そもそもセリフが少なく、時代背景も深くありません。
子どもが興味を持つものをあまり選別したくはありませんが、やはり国語力には直結しにくいものがあります。
そのため、なるべく学業に結び付きやすいものとして考えると、ある程度選ぶ必要は出てきます。
オンライン授業でも、この辺りをどうもっていくかの相談をよく受けます。
子どもが興味あるものをなかなかそのまま読解力には結びつけ辛いですからね。
そういう部分をオンライン授業でアドバイスしています。
②文章を読み取る力(読解力)
この文章を読み取る力を鍛えている塾はほとんどありません。
なぜならめんどくさい上、点に結び付くまでに時間がかかりすぎるから。
しかしこの訓練は小さい頃からやればやるほど効果的です。
しかも家でも簡単に出来てしまうのです。
その方法とは、音読です。
「え?音読って小学校1年生の宿題になったり、学校で先生が生徒を指名して読ませたりする音読ですか?」
はい、その音読です。
音読というのはただ読んでいるだけに聞こえますが、文章を理解していないと変な読み方になるんですよ。
だから音読をさせればすぐにその子がどの言葉を理解していないのかわかります。
親はただ聞いていれば構いません。
つっかえながら読んでいても、何度も繰り返す内に次第にスムーズに読む事ができるようになります。
もちろん誰も教えなければイントネーションが変なまま読みあげてしまうかも知れません。
しかし音読していれば、その言葉に対する意識や感覚が生まれてくるので、例えばテレビや他の人の会話の中でその言葉を聞いた時に認識しやすくなります。
よって変な読み方をしていても、いずれ改善されてくるため、矯正しようとしなくても構いません。
もし親が関わってあげられるなら、変な読み方を指摘して正しい読みを教えてあげるといいでしょう。
さらに可能なら、変な読み方をしているところの意味を理解できるようにサポートしてあげて下さい。
これだけで子どもの文章を読みとる力は飛躍的に向上していきます。
③背景イメージ
背景イメージとは、その話の背景になっている部分の理解です。
例えば、物語文の題材が戦争なら、戦争に関する予備知識がある方が有利になります。
社会問題に対する論説文なら、社会問題に対する予備知識があれば有利になります。
実は単純に読解力と言っても、この背景イメージがあるかどうかで大きな差となります。
本を読む子は、この背景イメージがかなり多いのです。
だからどんな問題にも対応しやすいんですね。
「ということは、やっぱり読書をさせなければいけないってことですか?」
まぁ、しないよりはした方がいいのは間違いありませんが、楽しくないものを読ませてもあまり意味はありません。
なので、学年で区切ってあるようなテキストや本を、そのまま与えても理解できないのです。
つまり、レベル不相応な本をいくら与えても、全く力にならない、ということです。
冒険に旅立ったばかりの勇者が、いきなりラスボスの魔王様に立ち向かってコテンパにされ続けてもレベル上がらないでしょ?
意地とかプライドとか、そんなものは捨てて、学年不相応でも理解できる楽しい本を読むのが一番なのです。
それが絵本でも全然悪くありません。
理解できないのなら、むしろその方がいいのです。
というより、実力がないから理解できないのですから、そうすべきなのです。
本が好きなる子は、絵本の段階から読んでいる子が多いですからね。
それが今になってしまったというだけです。
正しい実力を踏まえて、慌てずに楽しい本を読ませる。
これが本物の読解力を身に着ける鍵です。
④問題を解くテクニック
これがいわゆる塾で教えている国語の授業です。
実はいくら本を読む人でも、問題を解くテクニックがないと、伸びに限界が出てきます。
本を読んでいるのに点数が取れない人は大体このパターンですね。
テクニックは問題を解く(実践演習をする)事で力はついていきます。
しかし一見王道とも思えるこの方法、実は王道でも何でもありません。
なぜなら、読む力がついたわけではなく、点を取る力がついただけですから。
そのため、本質的に読解力を要求する問題は点にすることができなくなります。
なお、これについてはオンライン授業では基本的に扱っていません。
どこの塾でもやることですからね。
なので、志望校に合わせて勉強を行う場合のみ、その学校に合わせたテクニックを教えています。
本物の読解力を身に着ける方法
さて、読解力を身に着けるには、これらを身に着けるのが一番なのですが、塾では④番の方法しか使いません。
漢字や知識はやらされていると思うかも知れませんが、文章の中で知るのと、単語だけ覚えさせられるのとでは雲泥の差です。
なので教えている内に入らないのです。
もちろん塾もそんなこと知らないわけではありません。
①~③が一番読解力に結びつくことはわかっています。
しかしやりません。
なぜ?
いや、やれないのです。
この方法はとにかくめんどくさいのです。
なぜなら、子どものレベルにあった本を音読させないと意味がないからです。
よって、塾では無難に学年相応の文章を読ませることになります。
だからその文章がドンピシャで当たっている子でないと伸ばせないのです。
その文章を見つけられれば伸ばせるのは間違いないのですが、それを探すのが手間です。
何冊も読ませてみないとわからないので。
そして音読も、一人一人聞いて確認する訳にはいきません。
読みを正している時間もありません。
さらに意味の説明となると大変で大変で。
だから塾ではこの方法を扱わないのです。
ではこんな面倒な方法をやれるのは誰ですか?
そう、ご家庭なんです。
だから考えようによっては、読解力の要請は、明らかに塾より自宅学習の方が優位性がある単元なんですよね。
そんなことを言ったら塾が売れなくなるから言わないし、方法も教えないのです。
そして、よく読解力とか国語力とひとくくりに言いますが、これらの力がバランスよく育たないと本物の読解力が身に付いたとは言えないのです。
読解力に必要な三要素
・漢字や語句の理解
・音読とフィードバック
・背景のイメージ作り
もしご家庭でうまくいかなければ、オンライン授業にて月1万円で読解力を伸ばす接し方のアドバイスしています。
塾や家庭教師に大金をつぎ込まなくても、伸ばしてあげられるんですね。
しかも無理せず自然に。
読解力に必要なのは、課金ではありません。
親子関係と時間です。
塾に任せたけどうまくいかなかった方はご連絡下さい。
⑤要約の練習について
「先生、読解力についてはよくわかりました。では要約についてはいかがでしょうか。よく天声人語を100字ピッタリに要約する練習がいいという話を聞きますが、ああいう練習は効果ありますか?あるとしたら、どういう練習がいいでしょうか。」
サピックス 小4 母
要約は十分効果があります。
ただし、これも本人が望むのであれば効果があるという話であり、本人が嫌がっていたら効果はありません。
なぜなら、要約は読解力を鍛えるためのものというよりも、読解力の指標として先生が使うものだからです。
つまり、チェックテストの一種ですね。
単純に、要約がうまい子は読解力がある。
要約が下手な子は読解力がない。
そう判断できます。
ではこれを判断だけではなく、読解力の向上に活かすにはどうしたらいいのでしょうか。
番外編として、オンライン授業でも需要が多い、要約の練習法についてお話をしましょう。
要約で練習するポイント
先程もお話した通り、要約は指標でしかありません。
つまり、書くだけではなく、フィードバックする人がいなければ、練習として成り立ちません。
よってご家庭で教える必要が出てきます。
まず要約で大切なことは、
- いつ
- どこで
- 誰が
- 何をした
これを押さえて書くだけです。
お題となる字数にもよりますが、例え何字であっても、この4つを外してしまったら、要約は出来たとは言えません。
要約の字数が多いなら、
- どんな状況・問題になり
- どう対処・解決したか
を追加すれば立派な要約が完成します。
たとえばアニメやドラマを見ていたのなら、そのストーリーを要約してみる。
字数は原稿用紙で4分の1。
つまり100字程度の要約から練習するのがいいでしょう。
慣れてくるとコマーシャルの間で書き終えられるようになります。
ちなみに私は天声人語を100字ぴったりに要約するという訓練をしている先生を何人か知っています。
帰る前にお題を渡し、完成させなきゃ帰っちゃだめ、という形式でやっている先生もいました。
この要約が一体受験にどう役立つのかというと、はっきりいって中学受験、高校受験程度ではたいして役に立ちません。
なぜなら言葉を知らなさ過ぎるからです。
ただ、書く力はつくので、記述に自信が持てるようになっていました。
大学入試ともなると、さすがに要約の力なくして答案を作成できないので、いずれ要約の力は必要になるでしょう。
最近では要約もAIが手掛けるようになってきているようですが、やはりまだ人ならではの力の一つと言えそうです。
そしてその力は、天才であっても練習なくして習得はできない、ということです。
地道に努力していきましょう。
もしその方向性が心配でしたら、学習法診断をご利用下さい。
今まで実施してきた教材やノートを送るだけで、どんな勉強が合っているかを導けます。
「国語の成績が悪く、ついつい『本を読みなさい!』と言ってしまいますが、当然のごとく、全く読みません。練習も演習もしません。国語を何とかする方法はないのでしょうか。」
サピックス 小4 母