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上の子の教材は下の子のために取っておくべきか?
この手の相談は結構ありますし、実際取っておく方が多いのも事実です。
しかし同時に、取っておいても有効活用できていないというのもまた事実。
ほぼ例外なく、上の子の教材は下の子に使えません。
例外というのは、親が子どもの勉強を完全にコントロールできている場合です。
何をやるとか宿題をやらせるとか、そういうレベルではなく、何ができていなくて、どの教材を使ってやらせるべきか、といったレベルでの話。
大抵はそこまでできないため、取っておくべきではない、という結論になります。
綺麗に取っておくことのメリット
綺麗にとっておくことのメリットを考えてみましょう。
答えが書き込まれていないということは、下の子にもそのまま使うことができます。
塾によっては購入した分だけ教材費がかかりますから、買う必要がなくなれば、その分費用が浮くことになります。
そのまま売りに出すこともできます。
特に過去問は、書き込みがしてなければそこそこの値段で売れますからね。
サピックスや日能研と言った、大手の塾の教材は、書き込みがないと結構な高値で売れるものもあります。
売るなって書いてありますけど。
でもコロナでオンライン授業になったこともあり、メルカリで売ってしまう親も結構いたみたいですね。
なぜ取っておいても有効活用できないのか?
下の子まで何歳離れているか、にもよりますが、4年も違えば学習指導要領も変わります。
学習指導要領が変われば、中学受験の問題の作り方だって変わります。
もちろん1年差、年子であっても、改定時期と重なればやはり変わってしまいます。
受験レベルではたいして変わっていないようにも見えますが、それでも出題方針や傾向は年度ごとに多少なりとも差が出てきます。
全く変わらない所もありますが、そもそも有効活用できない原因は時代だけではありません。
子どもの性格や学習スタイル、興味関心を持っている所が全然違うのです。
そのため、全く同じようにやらせようとしても、なかなか同じようにはいきません。
上の子でうまくいった教材でも、下の子には合わないなんてことはざらにあります。
特に塾が違えば方針も違いますので、全くスタイルが異なるテキストを併用することになります。
こういうちぐはぐな状況では伸びにくくなります。
そのため、たとえ上の子の教材を取っておいたとしても、下の子に使うべきではありません。
それでも取っておきたい方が有効活用する方法
上の子の教材が力を発揮するのは、教材の変更点の確認、そして上の子との違いを確認するときです。
教材の変更点ということは、次の世代の入試に合わせて変えたことを意味するため、それが分かると強みになります。
そして子育てする上でどうしても付きまとってしまう兄弟姉妹間の比較。
これも数字でハッキリと出すことができるようになります。
しかし、それをしたところで一般の方はデータ自体を有効活用できないでしょう。
書き込みさせずに失っているものに気付いているか
否定はしません。
確かに教材費は浮きます。
中学受験にかかる教材費は結構ばかになりませんからね。
しかし、上の子は下の子の教材費を浮かせるために、何かしらの不便を被っているのです。
書き込むなと言われたり、綺麗に使えと言われたり。
子どもは言われればそうしますが、親はそのために失われているものを見えていません。
そして下の子も、もしかしたら方針が変わってしまった古い内容を学ばせられている可能性があるのです。
確かに教材費はバカになりません。
しかし、教材よりももっと大切なものがあるはずです。
それを捨ててまで教材費を浮かせるべきではないでしょう。
未使用教材はどうすればいい?
「書き込ませなかったわけではなく、そもそも手が回っていない未使用教材が結構あるのですが…これはどうしましょう…」
簡単です。
全部捨てて下さい。
どうせやってないものなんて本人は必要ありません。
と言っても多分捨てられませんね。
どれも何かに使える思っているはずですから。
中学受験が終わった後に、復習として使えるから、とか。
中学受験が終わった後に復習として使うような子は、そもそも未使用教材なんて残らないんですけどね。
その場合、学習法診断で送って下されば、何が使えて、何が使えないのか精査して処分して差し上げます。
実はこういう方、中学受験では結構いらっしゃいます。
ほとんどが未使用教材を抱えており、処分を手伝っております。
珍しいことではありませんので恥ずかしがることではありません。
ファイの塾生も、そういう状態になると自分から全部見せてくるので、必要ないものを処分してしまいます。
以前はあまりに酷い状況で、改善が見られない場合は家庭訪問をして処分していました。
今はコロナなのでやっていませんが。
やるものを絞り込むのは大切です。
時間は有限ですからね。
上の子には上の子の、下の子には下の子に必要なものがあるのです。
なかなか自分ひとりでは踏ん切りがつかないものも、後押しされれば決断できるものです。
感情ではなく合理的に考えて、必要ないものは処分、リセットして取り組んだ方が伸びやすくなりますよ。
今の教材は、今の子のためにフル活用して使い切る!
今持っている教材は、今使っている子に使わせるのがいいでしょう。
服と違っておさがりをしてもあまりいいことありませんからね。
今使っている子にしっかりと使わせてあげて、その上で使えるものは取っておく。
それが一番賢い使い方です。
そしてこの使い方の最大のメリットは、上の子が使い切ると、上の子が下の子に教える時のテキストになるということです。
下の子も、上の子が書き込んであるテキストを見て、どこが重要だったのかが一目でわかります。
下の子の方が要領が良いことが多いので、そういう情報がある方がはかどるのです。
取っておくのは構いませんが、取っておくために上の子を犠牲にするのだけはやめてあげて下さい。
素人が適切な管理もできないのに年度の違うものを扱っても、結果的に上の子も下の子もダメージを受けてしまうだけです。
今回のご相談者さんの場合は、上の子は中学受験だったので、中学校に上がった後にも自分で使えるものはあります。
そのため、科目や内容を絞って取っておくようにお話しました。
そして同時に下の子に使わせようとは思わないように釘をさしました。
お子様の状況や性格に合わせてちゃんと使い方を管理できるのであれば、このように取っておいても活かすことができます。
取っておきたいけれど、どうやって活用すればいいのかわからないなら、ファイへご相談下さい。
月1万円から学習アドバイザーを行っています。
無駄にせず、有効活用する方法をアドバイス致しますよ(^^)/
「秋ごろからブログを読ませて頂いています。残念ながら上の子の受験には間に合いそうもなかったので、読ませて頂くにとどまってしまいましたが、下の子も中学受験を考えているので、近々お世話になろうと考えております。
そこで相談です。上の子の受験は終わったのですが、未使用のままの教材も多く、捨てるのももったいないと思ってしまいました。取っておいた方がいいでしょうか。周りの方の話を聞くと、結構上の子の教材を取っている方が多いようなので、先生にオンライン授業でお世話になるにあたり、どちらの方がいいのかと思い、相談させて頂きました。」
姉サピックス終了 妹も中学受験予定