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期待しても伸びない?ピグマリオン効果を受験に活かす子育て

ピグマリオン効果

知っていても使えないピグマリオン効果

お母さん

「塾の説明会でピグマリオン効果についての話があったのですが、ピグマリオン効果がそんなに効果的なら、どうしてみんな伸びないのでしょうか。本当に褒めていればいいのなら、みんな簡単に成績が上がりそうなものですが…」

ちいママさん

ピグマリオン効果。

子育てに関心がある方なら一度は聞いたことがある言葉でしょう。

それくらい有名な心理学的効果ではありますが、実際に有効活用されている例はほとんどありません。

その原因は、ピグマリオン効果のメリットだけが独り歩きしているせいなんですね。

デメリットも知った上で、効果的に使えるかどうかがカギなのです。

まずはピグマリオン効果とは何か、知っている人も多いとは思いますが、一応確認しておきましょう。

ピグマリオン効果ってなに?

サンフランシスコの学校で学力テストを行い、クラスを分け、

「こちらのクラスは今後数か月間で学力が伸びていく子ども達を集めたクラスです。」

と説明をして、指導にあたらせました。

実際には伸びていく子ども達ではなく、適当に選んだ子ども達だったのですが、先生がこの話を信じて指導に当たったクラスは実際に成績が向上していった、というものです。

要するに、期待することにより、子供はその通り成長していく教育効果ということです。

ピグマリオン効果

教師の期待によって学習者の成績が向上する心理学的効果

=期待することにより、子供はその通り成長していく教育効果

本当に効果があるの?

あります。

ではなぜそんなに伸びないのでしょうか?

理由は簡単。

所詮、親も人の子だからです。

今の親世代は叱られて育った世代、もしくはゆとりの名のもとに甘やかされて育った世代です。

自分が褒められずに育っている人は、人の子を褒める方法なんて知らないのです。

期待が裏目に出るゴーレム効果

ピグマリオン効果の逆で、悪い方に期待すると、その悪い期待の方に向かってしまう効果ゴーレム効果といいます。

お母さん

「あんたこんな問題もできないの!?」

「いつになったらちゃんとした成績取ってこれるのよ!」

「これじゃどこも合格できるところなんてないじゃない!」

まさにこれがゴーレム効果を起こす親のセリフでしょう。

こんなことを言っていては、本当に子どもができない子になってしまいます。

でもどうしても言ってしまうんですよね。

結局親としてはあまり言わずに褒めているつもりですが、実際には叱っていることの方が多くなっているんですね。

だから褒めていても伸びないのです。

ゴーレム効果も活用できる

ゴーレム効果を平然と使う先生もいます。

私とか(;’∀’)

「俺に勉強させてどうするんだ!自分の頭で考えて来い!」
「お前のやっているのは勉強じゃない!時間の無駄遣いって言うんだ!」
「誰が手を速く動かせって言った!速く動かすのは頭だ!」
「模試でいくらいい点を取ったって、入試で受からなければ意味がない!」
「合格できるほどの勉強をしてないくせに、落ちてピーピー泣くな!」


といった感じで、卒業生によって切替語録が作られるほど暴言を吐きまくることも。

もちろん計算済みです。

いわゆるスパルタの塾でも同じような方法を取られることはよくあります。

なので実際こういう場合はゴーレム効果には当たりません。

とはいえこの区別は難しく、割と高等テクニックではあります。

なぜこのようなことを言うのでしょうか。

ピグマリオン効果だけではいけないのでしょうか。

いけないわけではないのですが、常に褒められているよりも、悔しさを持って頑張った上で褒められた方がピグマリオン効果が得やすくなるという原理を利用しています。

そのため、這い上がってくるだけのバイタリティがあるのであれば、突き落とした方が伸びるのです。

ですが、言うタイミングを間違えると悔しさにならず、ただ落ちていくだけになります。

バイタリティを見誤っても同様に落ちたっきり登ってきません。

そして大抵の親はわが子フィルターが入っていて冷静に見ることができないため、期待のし過ぎで子どもを潰してしまいます。

そのため、親がこの方法を使用することはオススメしません

なぜピグマリオン効果がうまく発揮されないのか。

ピグマリオン効果を活用する上で、もう一つとても重要なポイントがあります。

それが複数人で期待するということ。

通常先生は子どもをダメにするような声かけはしません。

何かしらいい所を見つけて褒めてくれるでしょう。

しかしそれを親が認めないケースが非常に多い

この打消しが子どもにとっては強烈なゴーレム効果を生むことがあります。

塾生

「結局お母さんは何点取っても褒めてくれないんだ!」

「この程度じゃ結局また怒られるんだ。」

やはり同じ褒めでも、親の褒めは赤の他人の褒めよりも重たいですからね。

親が否定すれば子どもも自分を否定してしまうのです。

結果悪い方向へと意識が向き、結果もそこへ向けて引きずられていってしまいます。

どこぞの塾のように「やる気スイッチ」をぽちっと押せばいいなんて単純なものじゃないのです。

いくら先生がスイッチを入れたって、家に帰って親がOFFにしていては意味がないのです。

結局大切なのはバランス

ピグマリオン効果のデメリットも話しておきましょう。

ピグマリオン効果だけを期待して褒めまくればいいわけでははないのです。

そもそもなぜこんなにピグマリオン効果が注目を集めたのでしょうか。

この教育が注目を集めたのは、かれこれ30~40年ほど前。

今の親世代が子供だった頃、学歴社会の風潮が根強く、受験第一主義的な教育が流行ったんですね。

その時に偏差値に踊らされて過度に子どもをあおり、叱りつける親が社会問題化しました。

今もまたその風潮が中学受験を中心に出てきていますが、無計画な感情に任せた叱りつけが増えたんですね。

そして同時に褒められる親も少なかったのです。

そこで、「褒めることが大切だよ」と強調したためにピグマリオン効果が注目された節があります。

これが「褒めて置けば大丈夫!」みたいな過剰な解釈で独り歩きしてしまい、現在に至るのです。

でも実際には褒めるだけではダメなんですね。

大抵の場合、調子に乗っておしまいです。

そのため、何を褒めるか、がとても大切になって来るのです。

たとえば、テストでいい点数が取れたことを褒めてしまうと、点数を取るのが偉いと勘違いするようになり、点数を取るために頑張り出すようになります。

こうなると、悪い点数を取った時に隠したり、カンニングをしたりと言ったよからぬ方法で解決策を探してしまいます。

しかしここで、勉強時間をしっかりとって頑張っていたことを褒めると、勉強時間を取れたことが成績につながったと認識できるようになります。

すると次回も頑張って勉強時間を確保するようになるんですね。

そのため、叱るときは叱らなければならないのですが、成績に関するものの叱り方はなかなか難しいのです。

本人に自覚がないと全く効果がありませんからね。

そのため成績に関わるお説教はプロに任せてしまって、ご家庭ではピグマリオン効果を純粋に活用できる方法を、せめてゴーレム効果を起こさない方法で接してあげるのがちょうどいいということです。

ただ褒めてもピグマリオン効果は期待できない。

何を褒めるのか、どうなって欲しいのか、ピンポイントで狙って褒めるのがポイント!

注意点

ピグマリオン効果にせよ、ゴーレム効果にせよ、心理学は絶対ではありません

あくまで一般的にはその傾向があるというだけの話であり、個々の状況によって適切な対処法が変わってくるものです。

そのため、どれが正しくてどれが間違っているなどというものもありません。

大切なのは、無計画な怒りで子どもの伸びる芽をつぶさないようにしましょうということです。

ファイではお子様との接し方のアドバイスもしています。

日々のちょっとした悩みはプロに聞いて、ササっと解決してしまいましょう(^^)/

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