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にわか仕込みの作文対策では効果が出ない理由
近年、作文は総合的な力を判断できるとあって、中高一貫校を始め、中学受験、高校受験でも重要視されてきています。
塾や通信教育でも作文対策を行うところが増えてきましたが、実はそのほとんどが表面上「対策をやっている風な教育」なのです。
ひどいところだと、作文対策を実施していると言いつつ、集団授業で一斉解説。
個別指導でも、添削するだけ。
しかしこれだけではそのお題に対する対策にはなっても、本質的な作文の力にはならないのです。
要するに「作文対策」と名前を出しておけば売れるというだけで、中身が伴っていないのです。
その理由を説明していきましょう。
例えば、夏休みの宿題でよく出されるお題は『税について』。
「税?あ~あれね!税率10%にする発言で支持率下げたと言われる!」
この程度の知識でお題作文を書くのはちょっと厳しい。
『石油』『木の家』『住みよい地球』『社会を明るくする運動』
みたいなお題の作文をどうするか、という質問を以前受けましたが、今回は公立中高一貫の受験対策(作文)に絡めてお話します。
同じやり方で、小学生、中学生が行う通常の作文対策もカバーできます。
受験をしなくても、作文の機会があれば、同じようにやってみて下さい。
公立中高一貫の作文
公立中高一貫の作文とはどんなものか。
実際に出題されたお題を見てみましょう。
- 読書について。
- 体験、経験について。
- ロボットと人間はコミュニケーションを取れるか。
- 好きな風景について説明しなさい。
- 美しい日本語について、外国人に説明しなさい。
- 挨拶、夢、趣味について。
- 四字熟語について。
- 国際社会、異文化交流について。
- 環境問題について。
ぱっとこれを眺めただけでも、公立中高一貫は、文章を書ける子を重視している!と言うことがわかります。
もちろん重視しているのは作文の力だけではありませんが。
ほとんどの場合、お題となる文章自体も複雑で、読解力(問題を読み解く力)を必要とするので、あまりに完成度が低い作文では、あっさり落とされます。
お題作文(テーマ作文)の書き方
お題作文は読書感想文とは異なります。
最大の違いは「知識と自分の意見を必要とする」という部分です。
うわべっ面の知識では浅い作文しか書けないのです。
これでは当然点数は稼げません。
お題に対する知識がないのであれば、練習段階では調べることからはじめましょう。
もちろんテスト本番で調べながら書くわけにはいきませんが、最初は練習なので調べてから書いても構いません。
まず書き始める前に、以下の内容のメモを取って下さい。
SNSでよくある、質問のバトンに答える感覚でOK。
- テーマは何?
- 関連キーワードは?
- 問題点(デメリット)は?
- 利点(メリット)は?
- あなたはこれについてどう思う?
例えば、『税について』ならこんな感じです。
例)税について
- テーマ:税
- 関連キーワード:
消費税・住民税・間接税・酒税・印税 - デメリット:
消費税は10%にしなければならなかったのか。 - メリット:
消費税を上げれば国の借金を減らせる。 - どう思うか?:
「医療制度をもっと整えるためにも税金は上げるべきだ」or「今税金を上げるとみんなお金を使わなくなり,経済が滞るからやめるべきだ」
こんな感じです。
結論は賛成だろうと反対だろうと問題ありません。
あくまで自分の意見を理路整然と主張できるかどうか、多角的視点を持っているかどうかが評価対象。
あまり過激な発言、例えば、「二酸化炭素を減らすために人類を滅亡させるべき」みたいなことを書かない限り、減点対象にはならないのでご安心を(笑)
例)石油について
- テーマ:石油
- 関連キーワード:
二酸化炭素・温暖化・自然破壊・海面上昇 - デメリット:
燃やすと二酸化炭素が出る。温暖化につながる。流出事故で自然破壊。値上がりを続けてる。 - メリット:
石油により,ガスやガソリンが作られているので,生活が安価に豊かにできる。なくなったら車も走れず,火力発電所が止まったら電気も使えなくなる。 - どう思うか?:
今の生活には不可欠なので、使用を最小限に留めて、太陽光発電などをもっと普及させるべき。
こんな感じです。
おもいつくままにさらさら書いて材料をそろえるのです。
あとはそれぞれを筋道を立てて説明するのみ!
紹介や手紙がテーマとなっている作文
基本は一緒です。
まずは題材をそろえる。
利点欠点の部分は『アピールポイント』、『その理由』に変えてあげればいいだけです。
とりあえず一般的にこういうお題作文で評価が高くなるポイントは、
- 利点と欠点の両方の視点を持っていること。
- グローバルな(色々な人から見た)視点で書くこと。
- 作文用紙の使い方、字の丁寧さ。
です。
作文の練習方法
題材はなるべく時事問題から見つけるようにしましょう。
オススメはこちらの時事問題解説です。
通常の時事問題とは異なり、1つ1つに解説がついているため、日々気にかけて読んでいる子は時事問題が感覚的に身についています。
ここからお題を適当に決めて、練習すればいいのです。
作文を添削する人は誰か欲しいですね。
でないと自分本位な作文になってしまいます。
ほとんどの塾や学校の先生は、言えば見てくれますよ。
もちろんファイも作文対策を行っています。
ファイの場合、一般的な添削や塾の添削とはちょっと異なり、通常行わないようなところに手間暇をかけるため、時間はかかりますが抜群に作文の力が伸びます。
市のコンクールで表彰されるとか、学校で出来が良くてサンプルにされるとかいったことは日常茶飯事です。

新聞やニュースアプリの使い方
最近はニュースアプリで見られるので、それを用いるのもいいでしょう。
そして練習は、できれば毎日書くようにしてみてください。
毎日がダメでも2日に1回は書くといいでしょう。
書きはじめを早くするためには、とにかく物量作戦が物を言います。
最初は時間が足りないでしょうが、その足りない時間の中で完成させるのが試験としての作文です。
頑張って書きましょう!
添削は返って来るのを見るだけでは意味がない
ほとんどの方が、添削で返ってきた作文のコメントを見て終わりにします。
これでは身になりません。
本当に作文の力を身につけたいのであれば、返ってきたコメントを基に、もう一度書き直すのがいいでしょう。
子どもはめんどくさがってやらないため、それをどうするかもカギ。
ところがほとんどの添削が同じものは扱いません。
次から次へとお題が出されて、次から次へと新しいものを書いていくのです。
しかし作文の力というのは、他者からのフィードバックを得て、初めて身につくものです。
そのため、添削で返ってきたものをもう一度書き直して添削をしてもらうのがいいでしょう。
ファイではこれをベースとしているため、同じ作文を何度も書いて質の向上をはかります。
正直子どもも先生もめんどうです(笑)
しかし私が作文を見ている子は、ほぼ例外なく作文の力が向上しています。
親も子も逃げなければ、ですが。
にわか仕込みの対策ではなく、本気で作文対策をしたい方は、ご連絡下さい(^^)/
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