親はしてない、子どもはしてるという謎
親と話すと、
と言い、子どもと話すと
「いや、ちゃんと勉強してるから!」
と言う。
先日も学習法診断で親子の言い合いが勃発しました(^^;
でも実は珍しい光景ではないんですね。
割とよくある光景ですが、どうしてこのような事が起きるのでしょう?
果たしてどちらがウソをついているのでしょうか?
そもそも勉強って何?
実はこれ、どちらも嘘ではありません。
どちらも正しいのです。
え?じゃあ勉強してるの?してないの?
と言いたくなるでしょうが、その前に考えてみましょう。
勉強って何でしょう?
例えば漢字練習を5分だけやった。
これは勉強した事になりますか?
宿題を最初のページだけ終わらせた。
これはどうですか?
そうなんです。
これは親と子の勉強に対する考え方の違いから起こるのです。
認識の差が喧嘩を生む
先ほどの例ですが、親はほとんど全員「勉強とは言わない」と答えます。
しかし子どもはほとんど全員「勉強した事になる」と答えます。
親は結果が出せるだけの事をしないと勉強した事にはならないと考えますが、子どもは机に座ってテストに関わる何かをすれば勉強した事になると考えているのです。
よって一番最初の例で、親子とも言ってる事は両方正しいといったのは,
「親からしてみれば満足のいく勉強はしていないが、子供は一応机に向かって頑張った。」
こういうことになります。
言いかえると,親は『結果』に重きをおき、子どもは『過程』に重きをおいている、ということです。
過程か、結果か
ここでですね、親が子に接する時の重要なポイントがあります。
確かに子どももいずれは大人になりますから,、結果を重視するようになって欲しいところですが、所詮子どもなので、やはり過程を重視して欲しい訳です。
そこで子どもと接する時に、本当は結果を重視した視点から話したいところですが、そこはぐっと我慢して、とにかく子どもに「頑張った過程」を話させて、認めてあげて下さい。
親として言いたい事は山ほどあるとは思いますが、とにかく聞いてあげて下さい。
ひとしきり話してしまえば、それだけで子どもは「わかってもらえた」と思い満足します。
そうしたら最後に「どうすればよかったか」を聞いて下さい。
これを指摘するのではなく、自分で言わせる事で、子どもは過程の先に結果がある事が理解できてきます。
受験にはタイムリミットがあるけど…
塾は受験というタイムリミットがある関係上、そんな悠長な事は言ってられません。
ファイではもちろん過程はちゃんと本人が納得するまで全部聞きますが、その後はバシバシ突っ込みます。
「ちゃんと勉強してきたんですよ!」
「で?」
「勉強しても出来ないんです!」
「してないだろ。」
「しました!」
「お前のはただの自己満足!こんなの勉強とは言わん!」
ファイではよくある会話です。
「勉強とは何か?」を教えている塾なので、結果が出せない勉強は徹底的に追及します。
- なぜこの勉強ではダメなのか。
- どうすれば結果が出せる勉強になるのか。
をとにかくしっかり本人に考えさせます。
追い詰められて泣き出す子を毎年何人も見てきていますが、半年くらい経つと自分の勉強の甘さに気付いてきます。
すると答え方が変わってくるんですね。
「勉強しました」ではなく、「まだ途中です」「ここまで終わりました」と。
冷静に考えれば勉強に終わりなんてあるわけないじゃないですか。
わからないことを突き詰めればキリがないんですから(笑)
大人の我々だって日々勉強です。
勉強が終わったというのは、指定した部分まで終わった時と、同じ問題ならテストで満点が取れるぐらいまでやり込んだ時だけです。
ここまでわかってくると、勉強時間は勝手に増えていきます。
これがファイの生徒の勉強時間が増えるカラクリの1つです。
家で真似するためには
残念ながら、親子関係で先程の指導をするのは、なかなか難しいのでオススメしません。
大抵反発を招くだけです。
厳格な威厳を保てている親子関係ならうまくいく事もありますが。
「勉強とは何か?」の意識を変えれば勝手に勉強時間が増える、という事の参考にして下さい。
「家では全然勉強していません!」