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なぜ覚えられない?
暗記ものを一発で覚える。
これができるのは天才だけでしょうか。
いいえ、実は普通の子でも簡単にできます。
できないのは、覚え方を知らない、もしくは覚え方が間違っているためです。
覚えるという作業は見ただけでは出来ません。
見たものは一度脳のフラッシュメモリーと呼ばれる場所に記憶されます。
しかしながら、ここは一時記憶をする場所なので、重要度が低いと判断されると、すぐに記憶が消えてしまうのです。
そこでこれを長期記憶の領域へ持って行く必要があります。
みんなこれができていないのです。
だから記憶力に大きな差が生まれてくるのです。
どうすれば長期記憶にできる?
重要度を高めれば長期記憶へ移る訳ですから、脳に重要だと思わせればいいのです。
そのために必要なのが、
考える、もしくは感じる
という経験です。
考えることで、脳は重要だと判断し、長期記憶へ留めようとします。
また、感じることで、その記憶を保存しようとします。
どう考える?もしくは感じればいい?
脳が重要だと判断する基準は以下の通り。
- 何度も繰り返される。
- 関連する記憶や経験と絡める。
- 記憶した知識を使う場面がある。
- 生命の危機にさらされる状況や心拍数が上がる状況である。
- 笑う、驚くなど、感情に与えるインパクトが強い。
一つずつ見てみましょう。
何度も繰り返される
ほとんどの人が何度も繰り返す事により覚えようとします。
何度も書いたり、何度も読んだり、何度も解いたり。
これは間違ってはいないのです。
しかし残念ながら効率がいいとは言えません。
そこで手軽でオススメなのが先程の方法です。
関連する記憶や経験と絡める
例えば、「シラス台地」という言葉があります。
受験生なら中学受験でも高校受験でも知っていなければいけない重要用語の1つですね。
この言葉が何かわからない時、大抵の子はテキストにある
「このような台地をシラス台地といいます。」
というテキストの言葉をそのまま覚えようとして、
「これがシラス台地なんだ」
と納得させようとします。
しかし、それはこじつけに過ぎず、関連性がないから記憶に残らない。
でもちょっと「シラス」が何か調べてみれば、簡単に関連付けできるんですね。
簡単に説明してみましょう。
「シラス」は小魚のシラスのことではなく、「白州」から来ています。
その名の通り、白い台地なのです。
白い理由は、ガラス質の成分を多く含むから。
こうやって「あぁ、だからシラス台地っていうのか」と納得できるなら、それだけでただ暗記するよりも、強固な記憶を作ることができます。
このように、知らない用語は、自分で知っていると自信を持って説明できる領域まで、妥協せずに調べることが大切なのです。

記憶した知識を使う場面がある
友達と教え合う経験をしたことがある人はいると思います。
そんなとき、大抵の場合その単元のテストで教えてくれた友達に勝つことはできません。
これは偶然ではなく、必然。
なぜなら、教えた方が知識を使う場面があるから覚えていた方がいい、と脳が判断して記憶に残そうとするからです。
よってただ聞いていただけの方は忘れる可能性があっても、教える側は覚えていられることが多いため、テストでどうしても勝てなくなるのです。
これをテストに応用するならば、自分が教える側に回ることです。
相手は誰でも構いません。
もし自分より優秀な子に教えることになると、下手な言い方では突っ込まれるため、よりしっかりとした知識が必要になり、記憶に残りやすくなります。
同レベルの友達に教える場合、知識の確認と同時に、自分の知識に疑問を持つことが多く、これはこれで思考力を鍛えることにつながります。
親が聞いてあげても十分効果を発揮します。
ただし、喧嘩になると逆効果なので、親は教えてもらう側に徹すること。
ファイでも実践している、とても簡単な勉強法なので、ぜひ試してみて下さい。
生命の危機にさらされる状況や、心拍数が上がる状況である
稀な状況ですが、命の危険を感じると記憶力は増します。
たとえそれがゲームであっても、緊迫した状況であれば、そのシーンは脳に焼き付きやすくなります。
過激なものが記憶に残りやすいのも同じ原因です。
もちろんどのような内容かにもよりますが、スパルタな指導はある意味危機感を感じやすくなり、記憶力の向上に一役買っているといっても過言ではありません。
ただし、理不尽な怒られ方をしたり、ただ単に恐怖心だけが植え付けられている場合には、かえって脳が委縮していくので、意味を感じられないスパルタは逆効果です。
ファイは色々な意味でかなりスパルタな塾なので、正直ついて来られない子もいるのですが、1年以上教えていると、その理由もわかってくれて、大抵の子は叱られてもめげずに立ち向かうようになってきます。
笑う、驚くなど、感情に与えるインパクトが強い
感情というのはとても重要で、感情が動くことで記憶も働きます。
感情が動いていない所に記憶は働きません。
ちょっと思い出してみて下さい。
例えば小学生、中学生の時の思い出、
そうとう昔の記憶ですが、覚えていますよね?
そしてそれらの記憶は、何かしらの感情と一緒に覚えていることが多くないですか?
これもたまたまではありません。
感情が動くと記憶に残りやすいのです。
つまり、ただがむしゃらに覚えようとするよりも、感情を動かす何か、を考えていく方が勉強ははかどるのです。
一番顕著に表れるのが歴史。
歴史は黒板やテキストの中だけで繰り広げられていると、そこに感情はなく、ただ覚えるだけの科目になってしまい、なかなか覚えられません。
しかし、その歴史の状況を想像することで感情が生まれ、記憶に残りやすくなるのです。
歴史漫画や大河ドラマがその典型例ですね。
登場人物の表情から感情をくみ取りやすくなり、それが覚えやすさにつながっています。
最近話題の「キングダム」という漫画も、中学受験とは全く関係ない中国史ですが、読んでいる小学生は割と中国史を覚えていることも多いのです。
テキストの日本の歴史は全然覚えていないのに(笑)
この感情を与えるというのはなかなか本人だけではできません。
やはり親や先生といった周りの大人たちの影響を大きく受けます。
とはいえ親自身が先生となる必要はなく、きっかけとなる経験、感情を沢山得られる状況を作ってあげればいいのです。
旅行や映画や劇の鑑賞、漫画、テレビ、ゲーム、選んであげる必要はありますが、感情が動くものは何でも記憶に影響を及ぼします。
記憶術、暗記法って効果あるの?
よく記憶術とか暗記法といったものを相談されますが、頭の使い方の分類としては、上記の5つを極めたものだと考えて間違いありません。
暗記すれば何とでもなるんだ!
記憶力が上がれば成績も上がるんだ!
と思いがちですが、過信は禁物です。
今後は小手先だけの暗記はテストで通用しなくなります。
覚えることは社会人として必要なスキルではなくなってきましたからね。
忘れてもスマホ1つあれば何でも知識が引き出せますし。
覚えることは大切ですが、覚えることに極端に偏るとかえって空回りすることもあり得ますので、基本的には覚えるものを最小限に留め、考える方に注力した方がうまくいくでしょう。
天才の勉強法と子供の記憶力を良くする方法
天才と言うと記憶力がいい子を思い浮かべますが、今の天才は多様化しています。
東大生がクイズ番組に出る時はその記憶力が話題になることも多くありますが、記憶だけが天才の要素ではありません。
何かの天才になっている人は、とある能力に突出している場合が多く、それが記憶力とは限りません。
しかし、その能力を発揮できるという意味では、子育てと記憶力にも共通点があります。
それが子どものワクワクをどう刺激してきたか、です。
先程も書いた通り、記憶は経験や感情ともリンクしています。
つまり、経験や感情が豊富な子は、記憶もしやすいのです。
特に意識して覚えようとしなくても、日頃から覚えやすい素地が備えられているのです。
もし親として子供の記憶力に少しでも貢献したいのであれば、してあげるべきなのは暗記パンを買うことでも、単語カードを作ってあげることでも、記憶術を教えることでもありません。
勉強中に楽しいと思えるだけの感性を育ててあげることです。
これは子どもが小さい内の方が効果がありますが、小学生、中学生ならまだ間に合います。
楽しく勉強してもらいたいと思う方は、ファイで一緒に勉強しましょう(^^)/
テストも偏差値も気にしない勉強は楽しいですよ!
暗記については以前別の記事も書いているので、そちらも合わせてお読みください(^^)/
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