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新聞を読ませても頭はよくならない
残念ながら、読ませることはできますが、読ませない方がいいでしょう。
よく時事問題対策になるとか、読解力がつくとか言われますが、答えはNo!
残念ながら、前提条件をはき違えています。
実は新聞を読ませても頭が良くなるわけではありませんし、読解力もつきません。
こども新聞を始め、子ども用の時事はかなり出回っていますが、実は読ませるだけでは意味がないのです。
なぜ新聞を読ませても頭が良くならないのでしょうか。
その理由は、強制にあります。
時事問題に関しては、興味がものを言いますので、強制すると興味を持ちません。
むしろ興味を失う危険性の方が高いでしょう。
なので強制することに意味がないのです。
読みたければ読めばいい。
読みたくなければ読まなくていい。
それだけです。
よく、
「読まないなら取るのやめるよ!」
という強迫を聞きますが、読んでいないならハッキリ言って無駄なので今すぐ取るのをやめるべきです。
脅す必要も確認する必要もありません。
何日分も読まずにたまっている。
ならさっさとやめるべきなのです。
新聞を読むと頭がよくなる理由
まず活字に強い子になります。
あれだけ文字で埋め尽くされていますからね。
文章はもちろん、漢字にも強くなります。
さらに社会に関する事項がたくさん出てきますので、地理や公民、記事によっては歴史にも強くなります。
これらは当然時事問題の知識にもつながってきて、国語の読解や論文の力にもつながってきます。
結果的に中学受験、高校受験程度の社会科は、ほぼ新聞でカバーできるといっても過言ではないくらい、多くのことが学べます。
このように新聞1つで色々な分野に影響を及ぼしていくのです。
だから新聞を読む子は、どの科目でも強くなる要素が育つのです。
新聞を読むように仕向ける方法
繰り返しますが、読ませるべきではありません。
読むように仕向けるのが正しい方法です。
そのため、この先に仕向ける方法を書きますが、ダメだと思ったらすぐに手を引いて下さい。
子どもによって性格も興味も違いますし、親の社会に対する知識にも左右されます。
新聞を読むようになるかどうかは子どもだけの問題ではないのです。
そしてすぐに読むようになるわけではありません。
ファイのオンライン授業でもニュースに関心を持たせる教育をしていますが、早い子でも1ヶ月。
長い子だと2~3年はかかります。
まぁ長くなっても高確率で新聞が読める子にはなりますが、とにかく親の根気がいるのです。
暖かい目で見守る気持ちを忘れずに取り組んで下さい。
読ませるための仕向け方
まず親が新聞を読み、その内容について夫婦や親子で話をすることです。
ただし子どもと話す場合には、理解させようと頑張らないように注意して下さい。
一番大切なのは、興味を持たせて感想や疑問を抱かせることです。
そのため、食いつきそうなつぶやきができるかどうか、がカギとなります。
「4月1日(エイプリルフール)の発表だったし、『消費税アップは嘘でしたー』って言ってくれないかな~」
「来年トランプが再選なら日本は宇野(UNO)が総理大臣になったら面白いのに~」
「ストローもビニール袋も紙対応になるんだから,政府も神対応してくれればいいのになー。子育て世帯の税金免除とか。」
はい、ダジャレです(笑)
いつもこんなくだらないことばかり言っています。
塾生にも「はい出たオヤジギャグ(笑)」などと言われていますが、子どもが「何それ」と突っ込みそうなくだらないつぶやきでも構わないのです。
くだらなくても、日常にニュースのキーワードとなりそうな言葉を散りばめるだけで、興味を持つ機会を増やせます。
それがいずれ新聞を読むことにつながっていくのです。
おすすめの新聞
圧倒的な人気を誇っているのは朝日小学生新聞ですが、別にこだわる必要はありません。
父親が読んでいる日経新聞を一緒に呼んでいる子もいます。
大人が読んでいる新聞でも、読めるならそれでいいのです。
ただ、理解するとなると大人の読む新聞は難しいので、解説がイラスト付きのこども新聞がわかりやすいでしょう。
もちろんこれは大人が読んでいてもわかりやすいので、むしろ大人が読んでいる姿を子どもに見せるのがいいのです。
子どもは大人が面白がって読んでいる姿を見て真似するものです。
子どもが興味を示すまで根気強く続けて下さい。
- 朝日新聞
論調がリベラルで、自民党政権に批判的。 - 読売新聞
保守的な新聞で、自民党政権を支持している。 - 産経新聞
自民党を支持する論調が目立つ新聞 - 毎日新聞
政治的には中立。 - 日経新聞
資本主義と自由主義を守る論調で、日米関係を重視する。
学習指導要領の改訂で新聞が追加
学習指導要領には、新聞を活用するという内容が加わっており、小中学生は今後新聞に触れる機会が増えていきます。
しかし新聞の部数は伸び悩み、いずれなくなるのではないかと言われています。
その原因はスマホのニュースアプリやSNSで流れてくるニュースですね。
これがあれば新聞記事よりも早くニュースが手に入りますし、翌朝を待つ必要もありません。
また紙を使わない分、資源保護にも役立っているといえます。
しかしそんな時代にも関わらず、新聞を取り入れようとするのはなぜでしょうか。
社会の出来事に興味がなさすぎる
学校教育に新聞を取り入れる理由、それは子どもが社会に興味を持っていなさすぎることが問題だからです。
社会というのは社会科のことではなく、身近な一般社会のことを指します。
詰め込み教育の結果、あまりに社会嫌いが多くなり、選挙の仕組み、国会・内閣・裁判の仕組みも知らずに有権者になる人が続出してしまったのです。
誰のことか、おわかりですよね?
そう、今の親世代の方々の話です。
最もこの状態は政権にとっては都合がいいのです。
国民は何もわかっていない方が自由に政治をやりやすいですからね。
理解できる人のため、自分たちのために都合がいい政治だけやればいいのです。
とりあえず名前が売れている人を選挙に出させておけば、政策がよくわからない人は、聞いたことがある名前に投票してくれます。
しかしそれが行き過ぎてしまい、あまりに無頓着に。
選挙にすら行かない大人が続出。
投票率が下がり続けるという結果を招いてしまったのです。
さらに今の政権の不祥事を見れば、政権は国や国民のためのものではなく、利害関係が一致した人たちだけの、金のためのものになってしまっていることもおわかりになるでしょう。
今の政権を批判しろと言っているのではなく、政治に無関心な子どもにしてはいけないといっているのです。
せっかく民主主義の国に生まれて育つのに、政治に無関心ではその恩恵も受けられない。
子どもがどういう意見を持つか、それは子どもの自由。
まずは意見を持てるぐらいまでは持って行きましょうということです。
欧米の子どもは選挙の話ができる
欧米では子どもの頃から政治や選挙の話を学びます。
もちろん日本でも学んでいるのですが、決定的に違うのは、テストのための勉強か、政治に参加するための勉強かです。
日本では、学校の先生は政治に対して中立的な立場で話をしなければならないというルールがあり、そのルールに縛られすぎているために子ども達も意見を持てずにいるのです。
親も政治の話はよくわからないからしたがらない。
唯一求めるのは、テストに出る時だけ。
アメリカではトランプ大統領を支持するか、しないかで婚活サイトの派閥が分かれるぐらい、政治に自分の意見を持つことは重要なことなのです。
学校で新聞が配布されても、使いこなせるのは一部の子だけ
世田谷では区立中学校3年生に1クラス1部の新聞を配布することが決定しました。
東京都世田谷区は新年度から、区立中学校(29校)の3年生の全ての教室に新聞を毎日届けると明らかにした。授業が行われる年間約200日間、産経新聞を含む新聞6紙を1紙ずつ順番に購入し、各クラスに1部ずつ配布する。新年度予算案に購入費約78万円を盛り込んだ。
学校で新聞を教材に活用する「NIE(教育に新聞を)」の一環。新しい学習指導要領では、深い学びを行うためなどとして、新聞を活用することが示されており、今回の区の取り組みは、行政が主導する新聞活用のモデルケースの一つとなりそうだ。
区教委によると、新聞の活用は時事問題を学ぶほか、論理的思考力や表現力などを育む目的がある。授業内での活用も図るという。区教委は「いつでも新聞が身近にあるという環境づくりをしたい」としている。
区内には今年度、中3は特別支援の3クラスを含めて111クラスある。1月の会見で保坂展人区長は「将来的には、この取り組みをほかの年齢にも広げていきたい」と述べた。区ではこれまで、中学2年生に対し、新聞の社説を活用した朝学習を実施していた。
産経新聞
運用方法はこれから試行錯誤しながら変えられていくでしょう。
しかしハッキリ言えるのは、1クラス1部では,数名にしか効果が上がらない可能性が高いのです。
1部の新聞をみんなで見る訳にはいきませんからね。
だからいくら新聞が置いてあっても、見られない可能性が高いのです。
折角新聞を活用するのだから、有効活用してもらいたいと思いますが、学校任せでは大して効果は上げられないでしょう。
やはり親が絡むか、予めご家庭内で新聞を読ませておくしかないのです。
親に社会を語る程の知識がない場合
「私自身が社会を嫌いだったので、新聞を読んでも教えてあげられる程の知識もないのですが…」
よくご自身の現役時代の成績を思い出して、苦手だから教えられないという話を聞きますが、全然問題ではありません。
むしろ子どもの社会を得意にするチャンスです。
子どもは親に勝ちたいと思う気持ちがありますが、親に絶対に勝てないと思うところは避ける傾向にあります。
その1つが社会です。
親が社会を苦手だと思っていても、生きている年数が長い分、子どもよりは知っていることが多いのです。
そのため親の社会の好き嫌いにかかわらず、子どもは社会を嫌いになる傾向があるのです。
親が社会好きで子どもも社会好きというのは、ほぼ例外なく親が強制せずに親自身が楽しんでいるケースですね。
そのため、社会ができないことに引け目を感じる必要はありませんので、堂々と「わからないから調べる!」という姿勢を見せてあげて下さい。
そして実際、親自身がニュースを知ることで、子どもも知りたいと思うようになり、次第に自分からニュースを求めるようになってきます。
親が聞いても理解できないニュースは子どももわかりません。そういうニュースは無理に扱わなくてもいいのです。親が興味を持てるニュースだけ話しましょう。もし偏りが出てしまう事や中学受験を意識して勉強につなげたいのであれば、ファイまでご相談下さい。月1万円でアドバイスしています。
ファイの保護者からは
「社会が嫌いだったのに、ニュースを気に掛けるようになった」
といった話をよく聞きます。
またオンライン授業での塾生も、
「学校の社会がつまらないだけで、ファイの社会は面白いよ!」
と話しているようです。もちろんこれは上記のような方法を使って地道に食いつかせているためです。特別なことと言えば、好きな話題に絡めるようにしているぐらいです。それをできる先生がなかなかいないんですけどね(^^;
新聞にこだわる必要はない?
ありません。
テレビでもアプリのニュースでも、ホームページの記事でも何でも構いません。
やたら新聞が押されていますが、実は新聞は電子書籍化の波に押されて大変なのです。
そのため生き残りをかけて「新聞はいいよ!」と一生懸命アピールをしている節があります。
もちろん新聞がいいというメリットもあるのですが、新聞でなければいけないことはありません。
既にニュースを毛嫌いしていたら?
諦めましょう!
新聞を見てくれるに越したことはありませんが、どうしても見る方向に持っていけないというのであれば、強制してまで読ませるものでもありません。
諦めて他でカバーする方法を考えた方が現実的です。
そもそも親がそれ相応の努力、強制する努力ではなく興味を持たせる努力をできない時点で子どもに興味を持てというのが無理な話なのです。
まずはファイの時事問題を見て、話せそうなネタから話してみましょう。
もしどうしても何とかしたいということなら親向けの時事問題解説講座があるので、それを受講するのもいいでしょう。
それが無理なら諦めた方がいいでしょう。
子どもだけ何とかしようなんて虫がよすぎる話なのです。
と辛辣なことを話しましたが、親が諦めたとたん子どもが興味を持ち始めるということは結構よくあること。
結局親がやらせようと思っているのを子どもが感じてしまうんですよね。
ご家庭で楽しく社会を身に着けられるように、強制はせずに一緒に楽しんで下さい。
難しければ、ファイへご相談下さい。
ファイのオンライン授業では親子一緒に授業を受けられるので、親子で楽しく楽しめますよ!
「塾の方で新聞を読ませるように指示があったので、朝日子ども新聞を取るようにしたのですが、全く読まずに積みあがっています。何とか読ませることはできないでしょうか。」
サピックス 小6 母