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サピックス+コベツバ⇒伸びない!?
コベツバさん。
学習法診断で、よく相談を受けますね。
サピックスに通っている子が、はコベツバ(オンライン授業・VOD)を併用しているという話はよく聞きます。
教え方はさすがプロという感じでうまいですね。
映像なので自宅で自由にできますし、うまく活用できればサピックスの補習用に家庭教師をつけるよりも安上がりです。
でもそれがうまくいかないというご相談が多いのです。
その理由の一つが、映像授業であるということです。
サピックス+コベツバで伸びずに相談して来た子が高確率で該当している伸び悩みの事例を紹介しましょう。
サピックス+コベツバの最大の弱点
サピックスの授業は進みが早く、全てを解説する時間もないため、抜粋して解説しています。
しかしその抜粋により、家では解けなくなる問題も。
そこで活躍するのがコベツバです。
サピックスの授業では説明しきれていない部分も、映像授業ならではの時間メリットを活かしてフル解説してくれます。
しかも中学受験専門だから、解説はわかりやすい。
本家サピックスの授業よりわかりやすいという話もよく聞きます。
でもわかりやすくても伸びないのです。
なぜでしょう?
実はわかりやすすぎるから伸びないこともあるのです。
そもそもサピックスの授業もコベツバの映像授業も、解説しているという点が共通していて、一方通行である、という点も共通しています。
つまり、時間的補完にはなっていても、学習法は補完関係にないんですね。
中学受験の場合、とにかく時間の確保に走ってしまう方ほどよくありがちです。
同じ事例が表れている子どもの解き方を例に説明しましょう。
塾で解き方を習い、コベツバで復習していた子です。
食塩水の問題を解いていたのですが、何度やっても一向に解けないとのことでした。
それもそのはずです。
この子は塾で「赤天狗、青天狗を書いて、そこで面積図を作る」と習ってきたのです。
しかしコベツバではこのような教え方はしていません。
また、教材の解答解説にもこのようなやり方は載っていません。
そのため、解説を見ても聞いても、塾で習ったやり方とは異なるため、いつまでたってもこのやり方は習得できません。
それどころか、コベツバや解説のやり方も混乱して使いこなせなくなっていたのです。
「同じようにやってるのに、なんで解けないの!?」
「あんた本当に授業ちゃんと聞いてるの!?何でやったはずの問題なのに解けないのよ!」
このような親子喧嘩が日々絶えなかったといいます。
もちろんこの教え方がいけないわけではありません。
確かに赤天狗、青天狗で考えるやり方はビジュアル的に印象付けがしやすく、真似するだけで解ける気がします。
実際それで解けるようになる子もいるのです。
しかし、教え方や解き方には、合う合わないがあることを忘れてはなりません。
万人が完全に理解できる解き方や考え方など存在しないのです。
そしてサピックスとコベツバに関してお話すると、教え方、考え方が異なるものが結構あります。
これは様々な視点での解き方を学べるという点においてはいいことです。
しかしここから「楽な解き方」を学んでしまったらどうなるでしょう。
ポイントがすっぽ抜けて、手順や手法だけを身に着けてしまうことになります。
すると「サピックス+コベツバ」で授業時間は確保しているのに解けるようにならない、という現象が起きるのです。
わかりやすい授業の弊害の例
さて、先程のの赤天狗、青天狗、何が間違っているのでしょうか。
実は赤天狗と青天狗の場所が左右逆なんですね。
食塩水を混ぜるのですから、混ぜた前後を比較しなければ意味がありません。
正しくは以下のようになります。
赤天狗と青天狗の位置を左右逆にしてしまっただけだからケアレスミス?
いいえ、ケアレスミスではありません。
起きるべきして起きた必然のミスです。
そしてこの先もつまづく要因となる間違いです。
赤天狗、青天狗は、着目する場所を視覚的に見つけるためのツールですが、そのイメージだけが先行して解いてしまうと、このような間違いを起こします。
さて、天狗の位置が逆になることがわかったら解けたのでしょうか。
実はその次の面積図でもつまづいていました。
この面積図の描き方自体は合っているのですが、等しくなる場所が分かっていないため解けていないのです。
これも「面積図を使う」という部分だけが先行すると、このような間違いを起こします。
そもそも面積図の意味や解釈がわかっていないんですね。
だからどうして面積図を使うのかも説明できない。
分かりやすい授業、うまい授業は一見とても分かった気がしますが、本質を解釈せずに手法だけを学んでしまいがちなのです。
塾のかけもちが生む弊害
大手の中学受験の進学塾では、塾や家庭教師の併用が割と見受けられます。
しかし、多額のお金をかける割には全然伸びない子が多いのです。
サピックス+コベツバの弊害は先程話した通り、どちらも一方通行であるということが1つですが、他塾併用による弊害もよく相談を受けます。
それが、解法がサピックスとはことなる、というものです。
サピックスの解説は、今後もサピックスを続けていく上で、必要なものを学べるように作られています。
そのため、小4の時にサピックスの解き方で学んでおけば、小6でも解きやすくなる、というわけです。
これは解き方の一貫性の問題です。
しかし、そこでコベツバのやり方を入れてしまうとどうなるでしょうか。
コベツバのやり方では、サピックス小6での解き方とは一致しません。
そのため、いつまでたっても、コベツバを抜けられないという泥沼にはまることになるのです。
これに関しては、コベツバに限った話ではありません。
準拠の個別指導塾でも、家庭教師でも起こります。
特に家庭教師は実績のあるプロ家庭教師になればなるほど起こりやすくなります。
自分なりの成功してきた解き方が確立されてしまっていて、解法を押し付けてしまいがちだからです。
ついていけないから併用という安易な考えは捨てた方がいいでしょう。
実際、併用して伸びる子は1割もいないのが現実と言われていますから。
オンライン授業とVOD(ビデオオンデマンド)の違い
先程の例のような間違いは、いくら子どもに気をつけろといったところで改善しません。
その理由は、先程も話したとおり、「サピックス+コベツバ」の組み合わせは、どちらも一方通行の授業だからです。
しかもコロナ下ではサピックスも一方通行のオンライン授業になっていましたからね。
一方通行の授業では、子どもの解釈に対するフィードバックを受けることができないんですね。
そのため、子どもの解釈の仕方によっては、先程のように手法だけを学んでしまい、
それに気づいてあげられずにどんどん進んでしまうことがあるのです。
それが表面化していない負債になっているとも知らずに。
だから伸び悩むのです。
これは割と中学受験あるあるです。
YouTubeを始めとするVOD(ビデオオンデマンド)というシステムは、安く授業時間の確保が出来ますが、子どもの解釈までは確かめられません。
一方オンライン授業では、双方向でのやりとりが可能なため、子どもの解釈のフィードバックを受けて、子どもにあった考え方を教えることができます。
ファイもオンライン授業でを行っています。
しかし、双方向なので、子どもの考えを聞いて、その考え方に沿った解き方を教えています。
その解き方は、早く解ける方法とは限りません。
サピックスやコベツバで見たような美しいやり方ではないかも知れません。
でも子どもの思考回路に無理のない解き方なら、忘れることはありません。
速く解く方法や、美しい解き方は、後から訓練すればいいだけのことです。
この差は受験で大きな差を生みます。
大切なのは、使い方
サピックス+コベツバが合っていないわけではありません。
問題なのは、サピックスの授業をコベツバで補えると思っているところです。
サピックスの授業をコベツバでは補えません。
正確には、勉強時間と解説は補えても、思考する時間は奪ってしまうのです。
授業はただ増やせばいいというものではありません。
コベツバを選ぶなら、選択と集中が要になります。
何でもかんでもやればいいというものではないのです。
サピックスや映像授業でうまくいっていないなら、ぜひ学習法診断を受けてみて下さい。
入会不要!で診断できます。
性格や解き方の癖が分かれば、どのような活用が成功しやすいかアドバイスできるでしょう。
また、月1万円で、塾を有効活用するアドバイスをしています。
全部やれない、やっているのに成績が上がらない方はご相談下さい。
「いつも声かけの参考にブログを見させて頂いています。今回は声かけではないのですが、オンライン授業について教えて頂きたく、ご連絡致しました。中学受験を見据えてサピックスに通いつつ映像授業のコベツバさんを併用させて頂いているのですが、どうもあまり成果を感じられずにおります。サピックスの授業は楽しいと言っておりますが、家で自分で解くことはできず、かといって私が教えるのも限界のためコベツバさんを併用しました。確かにわかりやすく、娘もよくわかるといっているのですが、なぜ伸びないのでしょうか。」
東京都 サピックス+コベツバ 母