目次
読書感想文に関する動画
なぜ書けない?
作文を書けない子は全くかけず、実質親が書いているのと変わらない、というケースは割と多いものです。
読書感想文と聞くと気遅れする子も少なくないでしょう。
苦手な人にとってはほんと何を書いていいか全く分からず手も動かない。
とりあえず、あらすじや本文から抜粋して書かせて…最後に感想を載せる、みたいな。
私もそんな書き方だったのでよくわかります。
誰も読書感想文の書き方なんて教えてくれないのでわからないんですよね。
授業で作文の書き方とかやりますけど、それは理論的な話で全然実戦的じゃない。
中学生ぐらいになると「作文の書き方」みたいなのを読む子もいますが、結局何をしていいのかよくわからない。
そりゃそうですよね。
そもそも本が嫌いだから書けないのであって、書き方の本を読めって言われたってわかる訳がない。
今回はそんな方へ作文を書かせるアドバイスをしたので、ブログでも紹介しておきます。
なお、対象としているのは、質問者さんのお子様のように、全く書けない、作文用紙を前にずーっと止まっているような子です。
読書感想文の書き方
題材の決め方
何でも構いません。
感想文で大切なのは、本ではなく、何を書くかですから。
ただ、苦手な子にとって、中身が難しい本は感想文を書くのに適していません。
ある程度ちゃんと中身が理解できるものにしましょう。
毎年本屋さんに推薦図書というのが並びますが、この推薦図書はまさにそれぞれの年齢に応じて理解しやすい題材となっています。
本の読み方
何日もまたがずに、1日以内に読んで書いてしまいましょう。
苦手な子程、集中力を切らして何日にも分けるものですが、時間をかけていると忘れてしまいます。
さっと読んでしまいましょう。
注意点はここです。
もしどうしてもサッと読めず、眠たくなったり集中力を切らしたりする場合は年齢不相応です!
「せっかく買ったのに!」と思うかも知れませんが、無理に読ませようとはせず、実力相応の本を探しましょう。
推薦図書には対象学年がありますが、こだわる必要はありません。
年齢不相応な本をいくら読んでも理解できませんし、本がますます嫌いになるだけです。
背伸びはせずに、実力相応の本で読書感想文を書くようにしましょう。
感想文の書き方
次に本を読んだ後の感想文の書き方です。
多くの子が本を開きながらもう一度思い出して、その本文についての文を書こうをしますが、原稿用紙を前にしたら本は開いてはいけません。
これからは感想文を書く時間です。
感想です。
普通はどんな子でも思考が停止している訳ではないでしょうから、その時に考えている事をどんどん書かせればいいのです。
と言っても難しいでしょうから、補助してあげましょう。
以下の点について聞いてあげて、その返答を書きとめさせて下さい。
- 「どんなお話だった?」
- 「もしあなたがこの話の登場人物だったらどうする?」
- 「それはなぜ?」
これだけです。
書きやすいように色々と聞き出してみて欲しいのですが、絶対に聞いておいて欲しいのはこの3つです。
ここで、親として色々口を出したい事もあるでしょうが、そこは我慢!
子どもの感想文ですから、体裁を整えるために親が口を出すのはよくありません。
本人の考えを引き出し、本人の言葉で書かせて下さい。
最後に今子供が自分の口で話した事を作文にするだけです。
形式は気にしないであげて下さい。
もともと作文は嫌いなら、そんな細かい事を言われると、さらに嫌になるだけです。
まずはサッと書きだして書き終える事が出来ればよしとしましょう!
以上です。
意外と簡単でしょ?
みんな重たく考えすぎなんです。
読書感想文を書く時のルールと禁則事項
感想文を書くときは、以下のルールを意識するといいでしょう。
- 本の要約、説明は一切書かない。
- 感想文を書く時には本は絶対に開かない。
- 自分の体験に絡めた感想を入れる。
- 体験はねつ造(ウソ)でよい。どうせバレない。
- 上のルールで書けない時は、本の選択を間違えてる。もう一度本選びからやり直し。
①本の要約、説明は一切書かない。
読書感想文が苦手な人の文章を見てみると、あらすじばかり。
その本は何がどうしてどうなった,みたいな。
どうしてそう書いたのか聞いてみると、
「いや、何を書いていいかわからなかったから、とりあえず本の内容を説明しようと思って…」
という答えばかり。
そこでどうやって感想文を書いているのか聞いてみると、
「本を開きながら,抜き出している」
「あらすじから写してる」
「紹介文からパクッた」
などなど。
そこで②が有効になります。
②感想文を書く時には本は絶対に開かない。
本を開きながら写しても感想文にならないんですよ。
ましてあらすじや紹介文を写すなんてもってのほかです。
だから本を開くことを禁止します。
こうすると、
「開かずに何を書けばいいかわかんないよー!」
と言い出しますが、印象に残っていない事で感想など書けないはずです。
感想がないのですから。
逆に言えば、無理せず、印象に残っている事で書くのが感想文になるのです。
なので、本を改めて開かなくても書ける内容で書くようにしましょう。
③自分の体験に絡めた感想を入れる。
感想文に加えると簡単に字数稼ぎができるもの。
それが体験談です。
まず、原稿用紙に向かう前にメモ用紙を用意しましょう。
もちろん本は閉じて置いて下さい。
原稿用紙を前にしたら、もう開いてはいけません。
そして次の質問にさくさくと答えていって下さい。
本全体の事を書こうとしなくて構いません。
印象に残った一部分のみについて、で全然構いません。
- 主人公は誰・何ですか?
- 時代・時期・時間などはいつですか?
- 何が起きて、どうなりましたか?
- この本の誰・何が好きですか?
- 似たような経験をした事は?
どんな経験で、あなたはどうしましたか? - もし自分が同じ状況になったらどうしますか?
- この本から学んだことは?
長い時間かける必要はありません。
5~10分ぐらいで、ちゃっちゃとメモしてください。
「先生、30分くらい経ってますが、まだ白紙です。どうしましょう。」
え?
まだ書けない?
そういう子には④です。
④体験はねつ造(ウソ)でよい。
読書感想文は、あくまで感想文であって、履歴書ではありません。
事実かどうかはどうでもいいのです。
これを真面目に考えすぎてしまうと、感想文が書けなくなるんですね。
逆に感想文がうまい子は、ペラペラとウソを書きます。
第一、本当にそんな事があったかどうかなんて、わかるわけないじゃないですか。
先生は何十枚も感想文を見るのです。
そして刑事でも探偵でもありません。
書かれた経験がウソかホントかなどどーでもいい問題なのです。
もちろん「ゾンビに襲われた」とか「空から女の子が降ってきた」などという明らかにありえない状況を書いたらフィクションになってしまいます。
感想文ですから、物語を創作してしまうのはよくありません。
現実にありうる程度のウソにしておきましょう。
「先生、1時間くらい経ってますが、まだ白紙です。どうしましょう。」
これでもまだ書けないならば⑤です。
⑤もう一度本選びからやり直し。
残念ながら、題材とした本が実力不相応だったと考えるのが無難です。
読む気がなかったか、読んでも理解できなかったのかわかりませんが、印象に残らないもので感想など書けません。
迷わず自分の実力に合った本にあたるまで、選び直しましょう。
レベルを下げ過ぎて絵本になっても構いません。
背伸びする必要なんてないのです。
感想文自体が評価されるのであって、題材自体は評価されませんから。
実際オンライン授業では、上の方法を教えただけで、いきなり県のコンクールで入賞してしまった子が7人以上います。
中には映画になった小説を読んだ事にして、映画を見て感想文を書き、入賞してしまった子が1名(^^;)
実際、絵本で感想文を書いて、入賞された子もいます。
これがいいかどうかはともかく、感想文としての質が高かった証拠ではあります。
そして先生が小説自体を見ていないこともハッキリしました。
映画と小説で内容が異なっていたのですが、気付いていないんですね。
気付いていたら、さすがに入賞させないでしょう。
誰か知っている人に突っ込まれたら、チェックの甘さが露呈してしまいますからね。
ちなみに代表作品に選ばれるのが推薦図書から選ばれるのも、こういった理由からです。
決められたものの中からなので、比較も審査もしやすいですからね。
ま、要するに、嫌な本を読んで書くより、折角なので楽しみましょう、ということです。
なお、オンライン授業での話によると、概ねメモが出来上がってしまえば、1~2時間もあれば書き上げられます。
なので、全部通しても2時間くらいを目安にみておくのがいいでしょう。
それ以上かかるようなら、本から選び直しですね。
書き始めのヒント
最後に書き始めのヒントを与えておきますね。
先ほどのメモを、次の順番で書き出して文章にしていきましょう。
④この本の誰・何が好きですか?
↓
それはなぜ?
※①主人公は誰・何ですか?
②時代・時期・時間などはいつですか?
③何がおきて,どうなりましたか?
を絡めながら。
↓
⑤似たような経験をした事は?
どんな経験で,あなたはどうした?
⑥もし自分が同じ状況になったらどうする?
のどちらかについて書く。
↓
⑦この本から学んだことは?
以上で完了です。
流れさえつかんでしまえば、難しくないでしょう。
作文対策をする上で一番大切なこと
最後に作文対策で一番大切なことをお話しましょう。
実は、書くことでも練習することでもないのです。
自分の考えや意見を言えるようにすること、なのです。
しかし作文対策となると、あれこれ口を出してしまい、嫌になって意見を言えなくなってしまう。
これが一番のネックなのです。
賞を取るような子は素晴らしい読書感想文を書いてきますが、そもそも作文が嫌いな子は賞を狙う以前の問題ですから、まずは感想を持って、ちゃんと文章にできる力を身につける。
ここを大切にしましょう。
ファイのオンライン授業でも毎年作文対策を行っておりますが、1年も続けている子はかなり作文がうまくなります。
読書感想文で賞を取ったり、テーマ作文では見本として使われる子も少なくありません。
もちろん中高一貫入試の作文や、公立高校の入試の作文でも点が取れるようになっています。
でも元々は全然作文が書けない子ばかりです。
既存の作文対策との大きな違いは、型にはめた書き方をさせるのではなく、子どもが書きたいこと、伝えたいことをうまく伝えられるようにサポートしている点です。
点が取れる作文対策なんて、書けるようになってさえしまえば、すぐに習得できます。
その最初の大切な部分を型にはめて、いかにもできた風に持っていってしまうから、作文教室に通わせても、書けるようにならないのです。
子どもだけ作文教室に放り込めばいいというものではないのです。
とにかく書く事が楽しいと思えるようになってくれば、自然と書く量が増えます。
増えれば次第にうまくなってきます。
慌てずに、実力相応の練習を積み上げさせていきましょう。
作文を書かせようとして、うまく行かなかった方はぜひ試してみて下さい。
もしご家庭でやってうまくいかないようであれば、ファイへご連絡下さい。
ファイでは作文指導も行っております。
中高一貫の作文対策をお考えの方は、以下の記事もご覧下さい。
「夏休みも残すところあとわずかとなりましたが、一向に宿題が片付きません!特に読書感想文に関しては、毎年のことながら、本すら買っておらず、全く手を付ける様子がありません!昨年も、一昨年も、私が本を買ってきて、私が先に読み、感想を誘導しながらなんとか書かせています。今年もそうなるのかと思うとゾッとします!さすがに自分で書いて欲しいのですが、何とかならないでしょうか…」
公立中 中2 市進学院