速さと距離の目安を身に着けておく必要性
単位間違いをスルーしていると危険?
まずはこちらのノートをご覧下さい。
これは学習法診断で見つけたノートの一か所です。
この問題は、家から学校までの距離の問題だったので、700Kmというのはありえません。
東京から函館くらいまでの距離になってしまいますからね。
しかしそんな間違いをただのケアレスミスとして、答えを書き直すだけで終わらせていました。
右側の空白部分に何も書かれていませんね。
このケアレスミスが、たまたまここだけで出たものならあまり問題にならないかもしれません。
しかし、この子の場合、こういう単位間違いのミスがあちこちに起きていました。
それに対して、親は
「テストでも単位間違いでよくバツをもらってくるんですよ。何度も気をつけなさいと言っているのですが、全然治らなくて…ケアレスミスの失点がないテストがないんですよね。」
とおっしゃっていました。
確かに一見するとただの不注意に見えるかもしれませんが、この中には今後伸びなくなることを予言するメッセージが表れているのです。
単位をどうとらえているか
単位間違いは、大人からしたらただのミスかもしれません。
しかし子どもの場合、実感が持てない単位が多いのです。
つまり、実感が伴わないがゆえに、暗記しようとして覚えきれずにミスになっている可能性があるのです。
もちろんこの子はちゃんと覚えていました。
なら覚えられていないわけではなさそうです。
では何が問題なのでしょうか。
実感が持てないものをそのまま覚えようとしていたということは、覚えることが勉強だと勘違いしている可能性が高いということです。
そして、何も考えず、疑わずに解法パターンを暗記することで解くのが勉強だと思っている子は、考える力がないため、記憶力の限界値がそのまま成績の限界値になるのです。
実感させておくべき速さと距離
もっともこれだけを取り上げてそうとは言い切れませんが、その傾向があるのは間違いないので、こういう時には、身近なもので実感を持たせるようにしていきましょう。
例えば、速さならこういったものは、感覚的にわかるようにしておきたいところです。
- 人が歩く速さ:分速80m(時速4.8km)
- 自転車の速さ:分速250m(時速15km)
- 船の速さ:時速20~50km
- 列車の速さ:時速30~60km
- 自動車の速さ:時速30~100km
- 新幹線の速さ:時速100~300km
- 旅客機の速さ:時速800km
- 音の速さ:秒速340m(時速1224km)
- 光の速さ:秒速30万km(1秒で地球7周半)
あくまで目安なのでこの数字を覚えさせる必要はありません。
実感を持つことができれば十分なので、乗ったとき、見た時に速さに触れるぐらいでいいでしょう。
これらの実感が伴えば、人の歩く速さが新幹線より速いとか、列車の速さが自転車より遅いとか、鳥が飛ぶ速度はカタツムリより遅いとか、そういうわけのわからない解答は、書く段階ですぐに気が付けるようになります。
このように自分の解答を疑うことができるようになると、考える力もついてきます。
距離感覚もまた重要です。
あまりに突拍子もない距離を書かないようにするためには、やはり身近なもので距離の感覚をつかんでおくといいでしょう。
たとえば、これくらいのものの感覚は持たせておきたいところです。
- 自宅から学校までの距離(直線ではなく徒歩ルートで)
- 自宅から駅までの距離 (直線ではなく徒歩ルートで)
- 自宅から身近な都市までの距離
- 東京から大阪:400km
- 東京から北海道:1000km
- 東京から沖縄:1600km
- 地球一周:4万km
- 地球から月まで:40万km
- 地球から太陽まで:1億5千万km
そもそも地球1周を4万個に分割したものを1kmの長さとしているので、それを知っていれば地球1周の長さは印象付けられるはずです。
地球と月の距離も、光の速さで1秒ちょっとと覚えておけば大体の目安を出せますね。
また、地球と太陽の距離も光の速さで約8分と知って入れば、大体近い値は出すことができます。
単位ミスは些細なミスとして放置されがちですが、その背景は考えてみる方がいいでしょう。
どうしてそんなミスをするのか。
このミスは放置しても大丈夫なミスなのか。
場合によっては、他の勉強にも影響を及ぼすような考え方の現れかもしれません。
子どもの勉強スタイルで不安を感じている方は、ぜひ一度学習法診断を受けてみて下さい。
何が伸び悩みの原因になっているのか、ハッキリしますよ!
私は受験生自身で、私の塾のテストでは、単位が既に書かれているので、単位をつける習慣がなくなってしまったので、とてもわかりやすく、助かりました。
ありがとうございました