早稲田アカデミーの弱点
早稲田アカデミーの中学受験の子を診断して来た時の例をお話しましょう。早稲田アカデミーの場合,先生の個性が割と出るため一概に言えないのですが,この子の場合は公式集というものを作らせて,それを見ながら解かせるという手法を教えられていました。そのため角度の問題を解かせてみると,やはり公式を用いて「これかな?」という感じでよくわからないまま当てはめて解いて,1回目は不正解,2回目に別の公式に当てはめて正解しました。
休んでしまい,先生に直接教えてもらったというところも見てみると,これがまた全然解けない。直接教えてもらったはずなのにどうしてかと原因を探ると,どうやら一方的に説明されただけで,実はよくわかっていなかったようです。まぁ子どもはその時はわかった気になってしまうんですけどね。
苦手だと言っていた差集め算をやらせてみると,1問目から解けない。そこでちょっと整理の仕方,根本概念を理解させてみることにしました。すると「あーこの図ってそういう意味だったんだ!」と納得。しかし整理の仕方はわかっても,問題の解釈の仕方がいまいちだったため,すぐに解けるようになるとまではいかず,4~5問程度,問題解釈のために使いました。
そして6問目。数値変えでもなく,パターンがちょっと新しい問題をやらせてみました。最初ちょっとつまづいていたのですが,どうやら問題の大切なところを読み飛ばしている様子だったので,あえてそこだけ強調して読み上げると「あっ!わかった!」と言ってサラッと解いてしまいました。
これがどっぷり公式化スタイルにはまっていると,考えろと言われても考えられない。これを取り払うまでとても時間がかかってしまいます。
この子の場合,小学校でやっている授業の手法が「様々な視点でとらえる」というところに焦点を当てて教えられていたのも幸いし,公式化スタイルから外して考えさせると,その手法もすぐに飲み込めました。体系化が得意なタイプだったんですね。公式化スタイルは圧倒的に便利で成績も上がりやすいのですが,つまづくと一向に延びる気配がなくなるという最大の弱点があります。そして残念ながらこの子には合っていないスタイルなようでした。幸いまだ受験まで猶予があることもあり,早いうちに自分に合った勉強スタイルを構築させてあげられれば挽回はできそうです。
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