水の違いが文化を分ける
硬水と軟水の違いは経験しないとわからない
硬水と軟水。
この違いを経験するだけで文化の違いを説明できるようになります。
先日小学生の質問をきっかけにフランスについて学習したのですが、その時に水の話をしました。
フランスと言えば日本とは全く違う硬水。
コントレックスという水を飲んだことがある方ならご存知でしょう。
ピンク色のパッケージでお馴染みのアレです。
重たいんですよね、あれ(笑)
でもこれが経験したことがない小学生には伝わらない。
「重たい???」
「重たいって言っても重さが重たいということではなくて、なんか飲みにくいんだよね。」
「ねばねばしてるの?」
「いや、日本の水と同じようにサラサラしてるよ。」
「サラサラなのに飲みにくいの?」
「うん、なんかずしっときて、沢山は飲めない感じ。」
「胃もたれみたいな?」
「いや、喉を通りにくいという感じかな。」
「味が違うの?」
「味はまぁ違うと言えば違うけど、やっぱりどっちも普通の水の味だよね。」
「???」
こういうのってどんなに頑張って伝えようとしても、経験したことがないと伝わらないんですよね。
でもこれがわかるとフランスの生活や考え方のスタンダードが理解できる。
残念ながら手元にコントレックスがなかったので、実際に体験しながら話をすることができなかったのですが、指導の後にすぐ母親に、
「コントレックスっていう水を買って欲しい!」
と言ったらしく、親と一緒にすぐさまスーパーへ行き、コントレックスを購入。
家に帰ってすぐ試してみたそうです(笑)
コントレックスで硬水体験
コントレックスを用いた硬水体験は飲む以外にもできますので、ぜひ真似してやってみて下さい。
ポイントは「水は生活に当たり前のように根付いている!」ということです。
つまり、日常生活を硬水に変えるだけで違いがわかるということ。
例えばこの子は飲んでみた以外に、手を洗う、体を洗う、そして髪の毛の半分だけをコントレックスで洗う、という対照実験も行っていました。
髪を洗うのはぜひやってみて下さい。
違いがハッキリと体感できます。
この子は
「髪がゴワゴワになって、指が通らなくてひっかかる!泡立たないし、全然洗えない!」
と言っていました。
経験は感性を育て、感性は知識を広げる。
水の違いが生む文化の違い
この水の違いは、文化の違いにも影響してきます。
受験勉強をしていると、各国の文化は覚えるしかないと思われていますが、ちょっとした違いを経験しているだけで、覚えなくても考えることができるんですね。
しかもこういう経験は机の上で文字だけ見ていても伝わらないので、とても大切なのです。
ファイではこのような身近なちょっとした実験や、入試にも通じる思考回路づくりのサポートをしているので、この塾生にどんなことを教えたのか、ちょっと紹介しましょう。
水の違いから、ちょっとヒントを出しながら誘導していくことで、以下のようなことが説明できるようになります。
- なぜフランスでは毎日髪を洗わないのか。
- なぜ欧米は香水がキツイと言われるのか。
- なぜハイヒールを履いていたのか。
- なぜ蒸し料理や煮込み料理が多いのか。
- なぜワインや生クリームを使う料理が多く、水を使う料理が少ないのか。
- なぜ水より炭酸水の方が安いのか。
- なぜドラム式の洗濯機が主流なのか。
これをただ単に授業の一環として説明しても頭には残りません。
しかし、本人の興味+実体験が加わると、思考力につながります。
実際、半年後くらいに別の子の授業で水が関わる話が出て来たので、ついでにふと聞いてみたところ、ちゃんと説明できていました。
理解できているから、突然聞かれても答えられるんですね。
このように、「見て知ってる」のと「経験したから知ってる」のとでは雲泥の差なのです。
ファイのブログでは、実際に塾生の疑問から行った授業や実験を公開しています。
これらファイのブログを真似するだけでも、子どもの興味は引き出せますよ(^^)/
「フランスの水って、日本と違って重たいんだよ。」