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サピックスで伸びない原因と無意識に関する心理実験

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成績表は誰のものか?

サピックスで伸びないという問い合わせが多いので、そもそも成績表とは何なのか、という根本的な話をしてみたいと思います。

まずはオランダの心理学者、Ap Dijksterhuis氏が行った心理実験の話から。

ちょっとややこしい話になりますので、サラッと読み流すとわからなくなると思います。

できるだけわかりやすく話すつもりですが、お時間がないようでしたら、ブックマークをして、時間がある時に読んでみて下さい。

熟考して出した結論よりも、無意識の判断の方が正しい

2006年にPsychological Scienceという研究論文の雑誌に発表されたAp Dijksterhuis氏の論文にこのようなものがあります。

一応概要を引用しておきますが、読み飛ばして問題ありません。

In two experiments, we investigated the effects of expertise and mode of thought on the
accuracy of people’s predictions. Both experts and nonexperts predicted the results of
soccer matches after conscious thought, after unconscious thought, or immediately. In
Experiment 1, experts who thought unconsciously outperformed participants in all other
conditions. Whereas unconscious thinkers showed a correlation between expertise and
accuracy of prediction, no such relation was observed for conscious thinkers or for
immediate decision makers. In Experiment 2, this general pattern was replicated. In
addition, experts who thought unconsciously were better at applying diagnostic
information than experts who thought consciously or who decided immediately. The
results are consistent with unconscious-thought theory.

要するに、このような実験です。

どのサッカーチームが強いかという判断をするとき、資料をあまり与えず、考える時間も与えずに選ばせた判断と、資料を沢山与えて、考える時間も与えて選ばせた判断とでは、どちらが正しいかを調べた。

この結果、資料も時間もあまり与えなかった、つまりほとんど直感で選んだ方がより正しい判断ができた。

よって無意識の判断の方が正しい傾向にある。

と結論付けています。

この研究者はサッカーチームの他にも車を買う時の判断でも同じような実験をしています。

4台の車から1台を選ぶとき、少ない情報で考える時間が少なかった方が明らかに優れた1台を選択できた。

と発表しています。

この研究は無意識の研究として脚光を浴び、多くの研究者が同じような実験を行い、熟考して出した結論よりも無意識の判断の方が正しいことが多いと結論付けました

これにより、一般人にも無意識や直感の方が正しいことが多い、として広まって行ったのです。

無意識は本当に正しいのか?

今私は一歩引いた、客観的な視点で話しているので、この話に影響を受けている人は少ないとは思いますが、この話をメインとした記事を見て、信じ込む人が多いのです。

事実、この手の記事や書き込みは、あちこちで目にしますし、拡散されています。

ところがこれには続きがあるのです。

2015年にMark NieuwensteinとHedderik van Rijnらが無意識に関する大規模な実験を行い、これまでに出された論文についても見直しが行われました。

その結果、無意識の思考の方が正しいという根拠はない、と結論付けたのです。

この論文は大きな波紋を呼びました。

なぜなら、心理学研究のあり方そのものを否定する、自己矛盾に陥った結論だったからです。

そもそも正しい、とは何なのか?

注目すべきは、この研究者たちが出した結論が、無意識を否定するものではない、というところです。

間違っているとは言っていないんですね。

根拠がないと言っているのです。

ではなぜ多くの専門家たちが行ってきた研究に根拠がないのでしょうか。

なぜなら、「無意識の結論が正しい」ことを確かめるために研究をしている段階で、研究者が無意識に正しいものを選んでしまっている可能性が高いからです。

例えば、先の強いサッカーチームを選ぶ実験では、試合に勝ったチームを強いチームという前提で研究しています。

しかし、そのチームが勝ち続けるわけでもありませんし、別の試合では負ける可能性もあります。

日本のサッカーで例えるなら、Jリーグで優勝するチームが同年のルヴァンカップやACLで優勝するとは限らないということです。

また、車を選ぶ実験でも、そもそも「明らかに良い車」を何を基準に良い車としたのかという点に問題があります。

ファミリーカーを探している人にとって2シーターオープンカーは問題外ですが、スポーツカーが大好きでお金にも余裕があって2台目を考えている人にとってツーシーターオープンカーは最高の車になってしまうのです。

つまり、この論文の面白い所は、

「無意識の研究者が既に無意識の影響を受けているんだから、その研究が正しいとは言えないでしょ?最も無意識が正しくないという研究についても、正しくないという無意識から出た結論ということになるから、その研究自体も正しくないって言っていることになるけど。」

という自己矛盾になっている点です。

偏差値の致命的な弱点を認識しているか

さて、話を戻しましょう。

先の研究については未だに議論を呼んでいますが、「研究」と言うあり方に一石を投じました。

つまり、

「結果は、結果をデータとして出す者の意図に左右されている」

ということです。

あなたが悩んでいる原因の成績表は誰が作ったものですか?

サピックスで伸びない?

それはサピックスが「こういう子ができる子」と評価している基準に照らし合わせると、伸びていないように見えるだけです。

サピックスの都合上作られたサピックスのための評価基準で伸びていないように見えるだけ、なのです。

サピックスで成績的に優秀とされている子が、受験でも優秀と評価されるかは別問題。

まぁサピックスは中学受験と言う土俵で一般的に優秀と言われる子を評価する指標としてテストを作っているわけですから、大外れすることはあまりありませんが、その評価はあくまで入試と言う部分だけに特化した評価であり、進学した先での評価、人としての評価、社会人としての評価は全く別の指標で行われるものです。

なぜならその評価には、既にサピックスは関わっていませんから。

そしてもう一つ知っておいて欲しいのは、模試というのはその時点でのわずかな範囲に絞った一部分しか評価できないという事です。

これはわかっているようで、ほとんどの人がわかっていません。

「今回のテストがダメだった。次は頑張ろう。」

サピックスにおいてこれは命取りになる判断ミスなのです。

今回のテストがダメだったということは、今回のテストに向けた勉強自体がダメだったということなので、次も同じように頑張ってもずーっと周回遅れから脱出できないのです。

なぜならサピックスは進みが速い上、量も膨大ですから。

成績が上がらず涙を流す母親

周回遅れからどう脱出する?

大切なことなのでもう一度確認しておきます。

成績表は、その塾がその塾の方針にあった子を選ぶために恣意的に作られた、その塾のための評価基準に過ぎません。

その評価に数字が残せなかったからといって、その子の全てが否定されるものでもありませんし、合格が否定されるものでもありません。

現にファイでは、模試で10%未満の合格判定しか取っていない子の合格を何人も出しています

サピックスの判定が当てにならないのではなく、気にしすぎるのが問題なのです。

サピックスの都合に合わせて作られた成績表に振り回されて、自分が本当にするべきことが見えていないこと自体が問題なのです。

端的に言います。

サピックスで伸びないのであれば、あなたがするべきなのは復習に追われる生活ではありません

どうするべきかは、ファイのブログで話している通りです。

ファイの塾生が、どうやってその状況から脱却しているのか、具体例を挙げながら話しています。

もし共感するものがあれば、ご連絡下さい。

あなたのお子様が伸びる方法を、一緒に考えていきましょう。

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ABOUT US

学習法診断士。東京、千葉、埼玉を中心に独自の教育論、常識外れの教育手法を用いて大手進学塾や個別指導塾、家庭教師といった教育機関で多数のミラクルと言われるような合格を打ち出す。2013年に株式会社学習法指導塾PHIを設立し、子供たちへ勉強のやり方の指導を始め、親への接し方の指導、セミナー活動、高校や大学での指導、塾や学校の先生などの教育者に対する指導、動物介在教育など多岐にわたって教育業に携わる。

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